初めての連休
先日は誤字報告ありがとうございました。
そして、確認不足申し訳ありません。
今後は2度見3度見して誤字を無くすよう致します。
学校が始まって早数ヶ月、トラリーやムムもようやく
学校生活が落ち着いた。
朝起きるとシン、リリア、トラリー、ムムは4人で学校へ
向かう。
トラリー曰く、校門へ着くとシンとリリアの熱烈な
ファン達が多すぎて学校へ入る時が一番しんどいそうだ。
その中にはトラリーの友人であるジョッシュとメアリーの姿もあったそうな・・・・・・。
家の家事はレイラとスライムのライムがこなしてくれている。
レイラは元々家事をするのが得意らしく、ライムも好きだということで2人でやってもらっている。
フレイとバリアンは魔王城であるジグマ城を行ったり来たりしている。
敵対勢力の残党狩りや、巡回をして目を光らせている。
そしてゼノンも同じくフレイと共に魔王城へ赴き宰相に
任せ切りだった仕事をこなしている。
今の魔界は平和のようで歯向かう勢力はどこにもいなかった。
メフィは精霊界には帰らず、家で本を読んだり料理を学んだりと家で過ごす事が多い。
シリュウは食材を買ったり、新しいレシピを作ったりとこれまた家に居ることが多かった。
これが今の皆の1日の流れである。
子供たちが学校から帰ってくると、トラリーとムムが
ゼノンのいる部屋へと入ってきた。
「お父さん!!! 来週から1ヶくらいの夏休みに入るって!!!」
「大型連休です!」
「ほう? それはよかったな」
何故か、トラリーとムムは目をキラキラさせて
ゼノンを見つめている。
ゼノンには理由がわからない。
何か言って欲しそうな顔をしてこちらを見つめる2人。
そんな光景を隣で見ていたメフィはクスッと笑う。
そして、トラリー達の意図を理解したのか、ゼノンの耳元で
「どこかへ連れてって欲しいのよ」と小声で囁いた。
「なるほど。うむ。たまには皆で遠出するとしよう」
その言葉を聞いた2人はハイタッチして喜んだ。
まだまだ子供心を理解できず、メフィには頭が上がらない。
メフィに向かい小声で「助かった」と言うと「まだまだね」とからかわれた。
子供達は喜び部屋を出ていく。
「どこへ行けばいいのだ・・・・・・そもそも何をしに行くのだ?」
遠出とは何か。なんの目的で行くのか。
ゼノンは考えた。
そんなゼノンに見兼ねたメフィが助言をする。
「そんなに難しく考えなくて大丈夫よ!
温泉なんてどうかしら?」
「温泉? ケガをした訳でもないのに、何故湯に浸かりに行くのだ?」
ゼノンの考え方は根本から違っていた。
温泉に入るのは戦争で傷付き、癒す為のもの。
それ以外で利用する意味は無い。
湯に入りたければ家の風呂に入ればいい。
そう思っていたのだ。
そんな考えのゼノンにメフィは思わず苦笑いしてしまう。
「あははは・・・・・・ゼノン、あのね、何も温泉に
入る人がケガをした人とは限らないのよ。日々の精神的疲れを癒す人もいれば、温泉に入って語り合いたい人だって居るの。
それに温泉宿に泊まれば、皆で食事をしたり、皆で寝たりして
素敵な思い出が一つ増えるのよ♪
いつも住んでるところとは違う空間で寝る。
それだけでも子供達からすればワクワクするものよ。」
ゼノンはメフィの言葉を聞き理解した。
確かに今まで人間と暮らすことは無かったが、人間と
暮らしてからは新たな発見や好奇心が擽られていた。
それと同じような事だろうとゼノンは思う。
新しい事をするのは皆がワクワクする。
それならば温泉宿に泊まるのも1つの新しい事であり
思い出の一つとなるだろう。
「うむ。では来週は皆で温泉に行くとしよう。
せっかくだからエリシアやフィルルも誘うとするか。」
「それがいいわね! なんだか、私も楽しみになってきたわ♪」
「それにしても、メフィは何故そんなに人間の事や子供心に詳しいのだ? ここへ来るまではずっと精霊界に引きこもりっぱなしではなかったか?」
ゼノンは不思議だった。
よく子供達の事を助言してくれ、更には温泉についても詳しかった。
どこから情報を手に入れているのか。
ゼノンはずっと気になっていたのだ。
「子供達に大型連休がある事は前から知っていたわよ。年間行事の紙に書いてあったからね!それで、子供達の事だから、
旅行とか行きたいって言うんじゃないかなって思って事前に
調べてたのよ♪」
母親だ。メフィに対して改めてそう思う。
年間行事はゼノンも見ていたが、そこまで予測する事はできなかった。
メフィの存在、果ては母親という存在のデカさを改めて実感するゼノンであった。
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