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最悪な始まり

学校の中へ入ると中はまるで一流ホテルの中のような内装になっていた。

外観も凄かったが内装も引けを取らない程よくできている。




「にーに! 今日から私達はここで勉強するんだよね?!」


「あぁ、そうだよムム。頑張って勉強して沢山学ぼうね!」


2人はこれから始まる学校生活に目をキラキラ輝かせている。




始業式が行われるのは広大な建物の中だった。

ここに居るのは1年生だけのようで、全部で800人近くの人間が居た。



学校には12年生まであり、ムムは1年生、トラリーは3年生だ。シンとリリアは11年生。


トラリーは編入ということで既に3年生の教室へと向かった。

ちなみにトラリーもリリア、シン同様Sクラスだ。




ムムも生徒の座る椅子へと向かい、ゼノンとメフィは後ろの保護者席に座った。


鐘が鳴るとブルーノース学校の校長であるセレスが出てきた。


先程までガヤガヤしていたが、彼女が出てくると一瞬で静まり返る。


「皆さんこんにちは。ようこそブルーノース学校へ。皆さんの入学を心よりお待ちしていました。

あなた達はこれから学校で沢山のことを学び、そして身に付けるでしょう。ですが勉強が全てではありません。

友達をつくって遊び、そして共に切磋琢磨する。

まずあなた達に与える宿題は友達作りです。

どうかこの学校で沢山の思い出を作ってください。

皆さんの笑顔でこの学校を照らしてください。

これで私の話は終わります。」




セレスの話が終わると盛大な拍手が送られた。


「あの人とてもいい人ね! 子供の心を完璧に掴んでいるわ♪」


メフィでさえセレスには脱帽であった。

さすがは長年校長の座にいるだけある。

ゼノンもセレスの下なら安心だと思いこの学校を選んだのだった。




「それでは皆さん。ここに5つの水晶玉があります。ここに手をかざし、魔力量を測りクラス分けをします。」


セレスの合図に皆が続々と水晶玉に手をかざす。


28.31.30.33.26等、やはり7歳児の平均値くらいのものが多かった。


そんな中1人だけ50と言う数字を出していた。

7歳で50もあれば優秀であろう。




「流石はミレディお嬢様!!! 伯爵家の名に恥じぬ魔力です!」


「1年生のナンバー1はやはりミレディお嬢様ですわ!」


モブ達は胡麻をするようにそう言った。



「おーほっほっほっ!!! そんなの当たり前じゃなくて〜? なんていったって私は伯爵家の娘ですもの!」


ツインテールの金髪娘のミレディ。

自画自賛する痛い女の子であった。

ムムの魔力も知らないで天狗になっていたが、




「な、なんと?!!! ムム・オルレア! 魔力『100』!!!

素晴らしい!!! 100年に1人の逸材だ!!!」


先生の一言で沢山の生徒達が詰め寄った。

ムムは一気に人気者に。


しかし、数名はムムをよく思っていなかった。



「なっ?!!! どこの貴族の娘か知らないけど許せないですわ!!! 何か小細工をしたに違いありませんわ!!!」


ミレディの言葉に周りのモブ達も賛同する。




全員の魔力測定を終えるとクラス分けが行われた。


当然ムムはSクラスでミレディと取り巻きもSクラスになっていた。そしてその他にも数名おり、全員で12名がSクラス入りした。




ムムは早速。席に座ると隣の女の子に話しかけた。


「こんにちは!私の名前はムムよ! 良かったら友達になろう?」


ムムの話しかけた女の子は黒髪の眼鏡っ娘で少し暗い感じの女の子であった。


「あ、こ、こんにちは! わ、私の名前はシンリー! こ、こちらこそお願いします!」


緊張し過ぎて噛みまくるシンリー。

でも、ムムはそんな事気にしなかった。

初めてできた友達。ムムはそれがたまらなく嬉しかったのだ。




2人は色々話していると3人の女がシンリーの前に立った。

腕を組み、シンリーを睨み付けている。

ムムはなんだろうと思い見ていると




「あらあら? あなたは『男爵家の!』シンリーじゃない!!! 貴方のような下等な人間と同じクラスなんて信じられませんわ! 先生に言ってクラスを替えてもらいなさいよ!」


「「そうよそうよ!!!」」


ミレディ達はシンリーの腕を引っ張る。

嫌がるシンリーなどお構い無しだ。


あまりにも酷い態度をとるミレディ達にムムは我慢できなくなった。


がしっ!


ミレディの腕を掴み


「やめなよ! 同じクラスの友達でしょ? 皆で仲良くしなきゃダメだよ!」


ミレディは割り込んで来たムムを睨みつける。


「なに私に触ってるのよ、一位だからって伯爵家の私に

触れるんじゃないわよ!!!」


「バチンッ!!!」


ミレディはムムの頬を思い切り叩いた。


しかし、ムムはその腕を離す事なくミレディを見つめている。


「そういうのよくないよ。私も痛いしあなたの手も痛いでしょ。仲良くできないならもうこの子に構わないであげて」




ムムの迫力に思わずたじろぐミレディ一行。

そしてタイミングよく先生が入ってきた。



「おーし! みんな席につけー!」


先生の登場で余儀なく席に戻るミレディ達。

戻り際に覚えてなさいと捨てセリフを吐いて行った。




「まずは皆、入学おめでとう! 俺はこのクラスを担当する事になったルーガスだ! 気軽にルーガス先生とでも呼んでくれ!Sクラスは必死に勉強や魔法を覚えなければいけない。正直このクラスはキツいぞ。でもな、最初はまず思い切り遊べ! 友達をつくって学校の楽しさを学べ!

勉強は後からでも遅くないからな! って事で俺の話はここで終わりだ! 次は自己紹介だな! んじゃあ、君から時計回りでいこうか!」




このクラスは女が7人の男が5人だった。

伯爵家の者はミレディ1人であとは侯爵や子爵、そして男爵だけだった。

ムムはオルレアと名乗ったが誰も知らないようだ。

そして、ゼノンから爵位は教えてもらっていなかった為、爵位無しと思われてしまっていた。




「ふーん。あの子平民の子なんだ。それなのにあの態度・・・・・・いい事考えちゃった、」


不気味に微笑むミレディ。

何やら取り巻きや他のもの達にも話しかけている。





学校が始まって早々に、危険な香りが漂っていたのだった。

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