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古巣

今日はとうとう人間界へ経つ日である。


「エリシア、フィルル、ノーライフキングよ、

しばらく留守にする。ノーライフキングは厳しいがお前達二人も人間界へ行きたくなったらいつでも来るがいい。私の部屋に転移陣を設置しておく。トラリーやムムも喜ぶだろう。」


サラッと転移陣という失われた魔法を常備するという

ありえない行為を行うゼノン。


皆驚くのをやめた。

ゼノンなら出来るのだろう。

そう思うようになっていた。


ただこれで、いつでも居残り組と会えるとわかり、ムムやフィルルは大喜びしていた。


トラリー、フィルル、ムムは歳が近い事もあり、3人でよく遊んでいた。

その為、離れ離れになるのは辛かったのだろう。




「では皆私に近付け。行くぞ。」


「行ってきます!!!」

「また後で会いましょう!!!」


ゼノンの転移魔法でエリシア、フィルル、ノーライフキングを残して消えた。




「いつでも会えるとはいえ寂しいだよ」


「そうね、でも今までとなんら変わりないわ。ご飯も向こうで皆と食べるしね」



「その通りです! むしろ皆が居ないうちに更なる作品を作り上げ、驚かしてみせようではありませんか!」


2人はノーライフキングの言葉に頷き、早速それぞれの持ち場に戻った。





「うわぁ!!!!!! 広ーいっ!!! アハハっ!!! ライム! レオン! イヴ! ミノ! 遊ぼー!!!」


ムムは着いて早速、庭で走り回った。




「凄い豪邸ですね父上!!! 今日からここに住むんだ・・・・・・すごい・・・。」


「静かな所ですし、弟達も伸び伸びできそうですね」


「ガッハッハッ!!! 広さもあり訓練もできるぞい!!!」


「この中なら私も追われることは無さそうですね!!!」



家の周りは石塀で囲まれており、正面に鉄柵の門がある。


その為、敷地の中は鉄柵の門からしか見れないのだ。

しかし、それも厳しいだろう。

何故なら・・・・・・



「この度は私を生き返らせてくれた上に雇ってまで頂きありがとうございます!!! この門から先は虫の子一匹たりとも通しません!!!」


そう話すのは、以前ブレシャー男爵に殺された副官ザックスである。

ゼノンはあの後、ザックスを蘇生させた。

元々彼には好感を持てていた。

そして以前の事件では、ゼノンの事を思い拷問されようと口を割らなかった。

そんな男を失うには惜しい。

ゼノンはそう思い蘇生させたのだ。


そして


「「我らにお任せをッ!!!!!!」」


殺した6人の兵士も蘇生させた。


バリアンに殺された恐怖に最初はオドオドしていたが

バリアンの訓練の元、今では以前とは、比べ物にならない程の剣術や槍術を手にすることができた。




ザックス率いる兵士達には24時間を参勤交代で勤務してもらう事にした。


2人1組で8時間交代だ。残りの16時間は休憩である。

さらに、7人いるため、1人ずつ1日休暇も取らせる。




彼等の役割は主に門番である。

門だけは鉄柵であり、中を覗くことができる。

その為、ゼノンが認めた者以外は門に近付けてはいけない。


ゼノンやバリアンの見立てでは、訓練されたザックスに敵うものは最早この街に居ないと見た。


ザックスを門兵長に任命し、兵士達の仕事や休暇は任せている。




個人で住む家に門兵付きの高待遇。

並の貴族ではできない。




メフィはゼノンに近寄ると皆に聞こえない声で話す。


「ねぇゼノン? 数百年前にここに住んだ高位の貴族って貴方でしょ?」


にやけながらメフィは言ってきた。


「ふっ、さぁな、」




ゼノンは3代前の人間界の前国王とは仲がよかった。

いや、前国王が一方的にゼノンを崇拝していた。


何度か助けたことにより、ゼノンを尊敬の眼差しで見るようになった。


彼が国王になるとゼノンに公爵の位を渡したのだ。

更にはこの豪邸や使い切れないほどの大金まで。




だが、彼が死んでからはこの家を使用することは無くなった。


つまりゼノン・オルレア公爵家なのである。

最高位の爵位。

人間界には国王の親族と大将軍の者にしか与えられていない。

つまり公爵家は三家だけなのである。




だがオルレアという性も遠い昔の事。

今その性を知る者はほとんど居ないと思われる。





庭で元気に走りまわっていたムムだが、躓き転びそうになりライムは声を上げた。


「ムムっ!!!!!!」


ムムは思わず目を閉じた。

しかしいつになっても転ばず目を開くと地面スレスレで止まっている。

何故だろうと、振り返るとそこには・・・・・・


「シンお兄ちゃん!!! リリアお姉ちゃん!!!」


シンとリリアの姿があった。

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