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家族の絆

いつもご愛読ありがとうございます。

3作目に昔話をモチーフにした話を書いてみたのでよかったら読んでみてもらえると嬉しいです。

ゼノンの部屋に皆が勢揃いしていた。

その内容というのも---




「第1回オルレア家会議を開くわよ! 議題は役決め!!!

私が母親、ゼノンが父親、バリアンが爺なのは良いわね?

あなた達は今後兄弟となるの! それなら順番を決めないとね! って事でゼノン、頼むわね!」




ゼノンはいきなり何を言い出すのだと思ったが確かに今後、必要になる事だった。



「ふむ。確かにそうだな。年齢順で良いのではないだろうか」




ゼノンの問いに全員が満場一致で了承する。




「うむ。長女をフレイ、長男をシン、次女をリリア、三女をレイラ、次男をトラリー、そして四女をムムとする。異論はないか?」



リリアは長女の座に居たかったがフレイには敵わなかった。その為、次女で満足する。



「うわー!!! お兄ちゃんとお姉ちゃんが沢山増えた!!!」



ムムは家族が増えた事に喜んでいる。

そりゃ、一気に美男美女の兄姉が増えれば誰でも喜ぶ。



「なんだかワクワクしますね」


「私、一人っ子だったので兄弟とか憧れていたんです!!!」



フレイとレイラも喜んでいる様子。



そんな中、シンはトラリーの元へ歩み寄り肩に手を置く。

トラリーは何事だろうと不安な表情になっていた。



「トラリーよ、お前は兄である事から甘える事をせず

妹を引っ張ってきた。しかし、今後は俺達が居る。

兄貴を頼るがいいトラリー。そして甘えたい時は甘えろ。

それが弟というものだろう」



その言葉が嬉しかったのかトラリーは嬉し涙を流していた。


前の家族では両親がまともに育児をしてくれず、食事すら

まともに与えてくれなかった。

その為、自分が妹の為にも、しっかりしなくてはいけない。そう思い、甘える事が出来なかったのだ。


でも今は違う。頼れる兄がいて、頼れる姉がいる。

甘える事を許されたのだ。

それがトラリーには、たまらなく嬉しかった。




「うっ・・・・・・あ、ありがとうございます・・・・・・兄さん」



するとこの場を和ますためか、バリアンが大きな笑い声を

上げながらトラリーを持ち上げた。



「ガッハッハッ!!! トラリーよ、そなたもまだまだ子供だ! 今後は、子供なら子供らしくしていろ!!!

そしてワシにも甘えろ!!! じゃないとバリじぃは寂しくて

暴れてしまうぞ?!」



バリアンのその脅しの言葉にトラリーはドキッとし

いつの間にか涙は止まり笑顔となっていた。




そんな光景をゼノンとメフィは微笑ましく眺めていた。



「ふふっ、素敵な家族ね」



「・・・・・・うむ。これが家族というものなのだな・・・・・・懐かしいな」




こうして数百年の時を経て、オルレア一家が再び誕生したのだ。




オルレア一家が誕生した事により、皆がゼノンの家に住むようになった。

前以上に賑やかになり騒がしくなっている。

トラリーも長男という重荷から開放されたからか、特に

シンには甘えていた。

何かあればすぐにシンに聞きに行き、シンを心から慕っている様子だ。子犬のようにシンにベッタリなのだ。


家族となったものの皆の日課はこれといって変わらない。







オルレア一家が誕生日し、数日経った頃。

シンとリリアがゼノンに呼び出された。




「お父様、どう致しました?」

「父上、失礼します。」


2人ともこの数日でようやく、ゼノンを父と呼ぶ事に

慣れてきた。


リリアとシンが部屋に入るとゼノンとメフィが椅子に座り

待っていた。




「うむ。メフィと相談していたのだがトラリーとムムを来年から人間界の学校へ入れようと思うのだ」



人間界の学校は7歳から入学する事ができる。

トラリーはもう入れるがムムは来年にならないと入れない。

どうせなら2人一緒に入学させようと思い来年に決めた。


ゼノン「そこでなんだが、お前達も一緒に学生となって

人間界の学校へ通ってくれないだろうか?」




2人は驚くもシンはすぐに了承の返事をした。

何も聞かず、すぐに了承するシン。

ゼノンへの絶対の信頼があった為何も聞かなかった。



「えっ?! シン早くない?! あの、どうして私達2人なのでしょう

か? あと、なんの為に私達が学校へ行くのですか?」



リリアは何故、フレイやレイラでは無く自分なのか理解できなかった。

そして、なんの意味があって自分達が学校へ行くのか。




「レイラは人間界では追われている身故、外に出ることは厳しい。フレイは誘ってはみたが、リリアに譲るとの事だ。

そして、行く理由だが、トラリーとムムだけでは少し心配でな。その為、先にお前達が入ってくれればあの子達も安心であろう。 行くか行かないかは、お前達が決めていい」



「別に貴女が行かないと言っても誰も責めないわ。自分の気持ちに正直に答えてね?」



リリアは悩んでるのかと思ったが即答で行くと言った。

リリアもトラリーとムムが心配なのだろう。




「学校は18歳まで入れるとの事だ。お前達なら16歳でもなんとか通るだろう」



「少し大人っぽい子供で通りそうね♪ トラリー達の為でもあるけど、貴方達にも楽しんできて欲しいっていう目的もあるのよ だからやり過ぎないように楽しんできてね♪」


「人間界では魔族という事がバレないようにしないといけませんね」


シンは悪魔族である為、もし変装解除されれば悪魔の羽と尻尾が出てしまう。

リリアに至っても犬歯が鋭くなり、目が真っ赤になってしまうのだ。

もし、看破されるような事があれば、魔族という事がバレてしまう。




「その点は大丈夫だ。メフィ」



そういうとメフィは2人に魔法をかけた。



「これは精霊魔法よ。私の魔力を超えない限り、あなた達が魔族だと言うことはバレないわ。つまり不可能という事ね! だから安心して人間界を満喫しなさい♪」



メフィの魔法だということもあり、2人は安堵する。

メフィの魔力を超える存在など、ゼノンただ一人しかいない。その為、解除する事は不可能なのだ。


「ありがとうございます!お母様!」

「母上、助かりました」



「ふふっ、編入試験にはテストがあるけどあなた達なら余裕だと思うわ♪ 来週になったら出発よ!」



「初日は私達も同行するがあとの1年近くはお前達だけで過ごす事になる。家族になったばかりなのにすまない。」


ゼノンは学校へ行かせることに対して、少し後ろめたさがあった。

2人がやっと家族になれたというのに、もう離れ離れにさせてしまう。

特にリリアとムム。シンとトラリーは仲が良かったため辛いだろうと思っていた。


そのため、2人には謝罪をするしかなかった。

だが当の本人達は全然平気な顔をしている。



「謝らないでくださいお父様。私達は、ムム達の為なら喜んで行きます! それに人間界も満喫できますしね♪」


「リリアの言う通りです。来年になれば2人が入ってくる。その前に学校が危険かどうか確認するのは兄の務め。どうか頭を下げないでください。」




とてもよく出来た2人にゼノンは誇らしさを覚えた。



「うむ。お前達が2人の兄、姉であって本当によかった。お前達も楽しんでくるのだぞ!」



2人は返事をするとその部屋を後にした。




「本当にいい子達ね」


「あぁ、私は子供達に恵まれている。家族は支え合う。その言葉がようやくわかった気がする」


微笑むメフィ。

ゼノンは少しずつ家族の絆を思い出すのであった。

「面白いな、続きが読みたいなと思ったらブックマーク、高評価をお願いします。そして誤字脱字や意見などあったら是非コメントしてください。」

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