最高のプレゼント
食事もある程度終え皆が満足していた。
特に古代の龍の肉は好評で皿に盛られたその肉は綺麗に無くなっていた。
「皆今日は本当にありがとう!!! ムム、こんなに美味しいご飯初めて食べたよ!!!」
締めの言葉を言うムムの口にゼノンは指を当てる。
「誕生日はこれからだ」
ゼノンの言葉を皮切りに1人ずつムムにプレゼントを渡す。
最初に来たのはリリアだった。
「私からはこのルビーのネックレスよ 貴方をあらゆる火の魔法から守ってくれるわ」
リリアはムムの首にネックレスを付けてあげる。
それは炎の様に輝きムムを照らしている。
「うわー・・・・・・凄い綺麗・・・・・・ありがとうリリアお姉ちゃん!!!」
リリア「ふふっ、どういたしまして♪ ムム、誕生日おめでとう♪」
次いでフレイ。
「私からはサファイアのブレスレットです あらゆる水、氷の魔法から貴方を守るでしょう。ムムさんおめでとうございます」
ムムの右手に付けてあげた。
青く煌めくその宝石は見てるだけで心が癒される。
「ルビーみたいに綺麗!!! ありがとうフレイお姉ちゃん!!!」
「この宝石はルビーと同じ宝石です どういたしまして♪」
「私からはこのエメラルドの指輪です! この指輪を付ければムムちゃんの回復魔法の効果は上がり、魔力消費も抑えられます! ムムちゃん誕生日おめでとう!」
この指輪はまさにムムにピッタリの性能だった。
聖魔法の適性がありレイラと同じ。
ムムはある意味1番必要としているものかもしれない。
「この指輪もすごく綺麗!!! レイラお姉ちゃんありがとう」
そして、次はフィルルの番。
その手には凄まじい力を宿した剣が握られている。
その剣を見て皆が驚いていた。
それもそのはず。
その剣は、、、
「フィルルからはこの短剣だよ!!! 護身用に1本は持っておいた方がいいからね! この剣は私が一番最初に作った『聖剣』だよ!!!
ムム!誕生日おめでとう!!!」
その言葉に皆が驚いた。
聖剣や魔剣を作れるのは数える程度しかこの世界に居ないのだ。
もしくは、既にこの世界に作れる者はもう居ないかもしれない。
それほど難しいのだ。
「ふむ。とうとう作れたのかフィルル。流石だな」
フィルルは満面の笑みを浮かべていた。
「この聖剣がフィルルの最初の子供だよ!」
「ありがとうフィルル!!! ムムも剣が欲しかったの!!! この子(剣)名前はなに?!」
「この子の名前は考えてあるだよ---聖剣 『ソルナ』 月と太陽の意味を持つだよ!」
その短剣は太陽のように光り輝き、そして月のような白銀の色をしていた。
「月と太陽・・・・・・ソルナ・・・・・・いい名前!!! ありがとうフィルル!」
ムムはその聖剣を大事に握りしめていた。
「私からはこれを---世界樹の雫です。これをかければどんな傷も、そして死さえも無かったことにできます。ですが、魔物には効かないのでご容赦を。ムムさん、誕生日おめでとうございます」
エリシアは世界樹の雫が入った瓶を渡した。
「凄い・・・・・・そんな凄い物をありがとうエリシアお姉ちゃん!!!」
世界樹の雫はゼノンですら見た事が無かった。
それほど貴重なのだ。
例え、これが世に出としても値段を付けることは不可能だろう。まさに国宝並だ。
「俺からはこれを---俺の魔法を付与した靴だ。魔力を通せば俺の半分のスピードで走れるだろう。もし、危険な相手に出会ったらこれで直ぐに逃げろ。ゼノン様以外なら容易く逃げ切れるだろう」
シンはムムに考慮してか可愛らしい靴にその魔法を付与してくれた。
「凄い可愛い靴だね! シンお兄ちゃんありがとう!!!」
「成長して靴が履けなくなったら直ぐに言え。新しいのを作ってやる・・・・・・おめでとう」
そういうとシンは下がって行った。
「ワシからはこれだ! 鬼神の衣。この生地は薄く軽い。しかし如何なる刃も跳ね除けよう! これを着ている限り並大抵の者の攻撃は防いでくれる。つまり、ムムは怪我をしなくて済む!」
「ありがとうバリじぃ!!! それにずっとムムと一緒に居てくれてありがとう!!! バリじぃ好きだよ!!!」
そういうとムムはバリアンに抱き着いた。
「ぐっ、ぐぐっ、ぐおおぉぉぉッ!!!!!!!!!」
バリアンはとうとう泣いてしまった。
バリアンにとってこの一週間はとても辛かった。
いや、ムムの寂しそうな顔を見るのが辛かったのだ。
嘘を付きムムを引き留め、辛い思いをさせた。
それがとても苦しかったのだ。
「バリじぃ! ずっとムムと遊んでくれてありがとう! ムムはバリじぃが大好きだよ!」
泣き喚くバリアンに抱き着くムム。
「ムムよ! お主は本当に立派じゃ!!! ワシもムムが大好きじゃよ!!! お主が産まれてきた事に感謝!!!」
バリアンはムムを抱きしめる。
しばらく2人が泣き止むのを待ち、落ち着いたところで
トラリーがムムの元へ来た。
「僕には金も力もまだないから大した物はあげられないけど頑張ってムムの似顔絵を描いたんだ! 誕生日おめでとうムム!!!」
その絵はムムそっくりであった。
トラリーの絵の才能に周りの者達も驚いている。
「にーに凄い!!! こんな絵描けたんだ!!! ありがとう!!!」
ムムも知らなかったトラリーの才能。
トラリーは幼少期から外に出してはもらえなかった。
その為、家でよく絵を描いていたのだ。
いつしかその絵は上手くなり、トラリーの才能として目覚めていた。
「どういたしまして! 僕の可愛い妹よ」
そして最後はゼノン。
「私からはこれを。空間魔法のスクロールだ。ムムよこれに目を通せ」
ムムは言われるがままそれを見ると頭の中に何か入ってきた。
驚くムムは何となくその魔法を理解出来た。
「これは便利な魔法だ。その空間の中に物をたくさん入れられるし、もっと磨けば転移することも可能だ。ムムよ、お前の誕生日を祝うとしよう」
とても便利な魔法にムムはとても喜んでいた。
「ありがとうゼノン様!!! でももう1つお願いがあるの・・・・・・」
喜んでいたかと思ったら急に真面目な顔になるムム。
ゼノンはそのお願いが気になっていた。
そして、周りの者達もムムの言動が気になっている。
「どうしたムム」
しばらく沈黙が流れる。
ムムは恥ずかしいのかモジモジしていた。
ゼノンはなんでも協力すると伝える。
その言葉に安心したのかムムはすぐに口を開いた。
「ゼノン様の事・・・・・・お父さんって呼びたい・・・・・・」
まさかの願いであった。
別に誕生日でなくともゼノンは許す気でいた。
しかし、ムムを遠慮して言わなかったのだろう。
「ふっ、構わぬぞ。元より私もお前の事は娘のように思っていた。ムムのおかげで私も成長する事が出来ているのだ。共に成長していこう、我が娘よ」
ムムは少し涙を浮かべながら、大声でお父さんと呼びゼノンに抱き着く。
そんなムムにゼノンも頭をそっと撫でていた。
これでゼノンとムムは仮にも親子となるのであった。
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