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ゼノンの力

翌朝、四魔将が洞窟の前に立っていた。


ゼノンが事前に察知していた為、皆で出迎える。

そして、いきなりの来訪に皆が驚愕していた。


何せ目の前にはあの(・・)四魔将が居るのだから。



「ゼノン様、魔界の魔王は全て倒しました。そして、今魔界全てが我々の傘下となりました。つきましては、どうか我々もゼノン様のお傍にお仕えしたく申し上げます」



四人は片膝を付き両手を揃えお辞儀する。



「魔界の方は大丈夫なのか?城の方はいいのか?」



皆が留守にしては守りに不安が募る。



「魔王はしばらくは出てこないと予想されます。そして城の方は宰相殿が守る故、大丈夫だと。宰相殿も相当な実力がある故、敵う魔族はまずいないかと」



「ふむ。ルシウスがいいと言うならいいだろう。お前達も長年、私と共に戦乱の世を生きてきた。少しくらい平穏の時を過ごしてもバチは当たるまい。歓迎するぞ四魔将よ」



ゼノンの言葉に皆が頭を下げる。



「有難く!!!」




こうして急遽、四魔将もゼノン達と共に洞窟で過ごす事となった。


一気に4人も増えることもあり、そして!自己紹介も兼ねて集合する必要がある。


ゼノンの号令の元、皆が居間に集う。



「今日より共に暮らす四魔将だ」



「四魔将が1人、氷奇のフレイです。氷魔法が得意ですので食料保存とかは任せてください」



ゼノンの合図に皆が自己紹介を始める。



「四魔将が1人、豪鬼のバリアンだ! 力仕事ならお手の物よ」



「四魔将が1人、神速のシン。動物と共に居たい」



「私はもう大丈夫よね! 今日から四魔将も家族の一員よ♪」



「フレイお姉ちゃんにシンお兄ちゃん!!! バリアンさんは・・・・・・」



シンとフレイもリリアとなんら年齢が変わらなそうだが、バリアンは声的にはどちらかというとおじいちゃんっぽかった。



そんな感じでムムが困っていると、バリアンは豪快に笑い出す。



「ガッハッハッ!!! バリじぃとでも呼んでくれ可愛い人間の子よ」



「バリじぃッ!!!」



そう言うとバリアンはムムを抱っこし高く上げた。



「子供の前に孫ができたわい!!!」



バリアンは初対面の人と距離を詰めるのがうまい。

だから、魔族の皆からも好かれているのだろう。



「ふふふっ、なんだか恥ずかしいですね。よろしくお願いしますね」



「シンお兄ちゃんの肩にいる綺麗な鳥さんはなーに?」



ムムも人見知りせず、あろう事か一番喋りにくいであろう、シンに話し掛けていた。



「この子はフェニックスの子だ。今は小さいが大きくなればそのフェンリルの子と同じくらい強くなるぞ」



シンが無視をしないか不安だったが杞憂だったようだ。

ちゃんとムムの目を見て話している。



「へーーー!!! お名前は?!」



「名前? 名前か・・・・・・考えていなかったな」



「それじゃあ今付けてあげようよ!!!」



「・・・・・・・・・イヴ」



「イヴちゃん?! 可愛い名前だね!!! よろしくねイヴちゃん!!!」



ムムに名前を呼ばれるとフェニックスも嬉しかったのか「ピィーッ!!!」と喜んでいた。




レイラやエリシア達もそれぞれ自己紹介をし、皆で昼食を食べる。


「なんじゃこの美味い料理は!!!」


「こんなに美味しい食事は初めてです!」


「もぐもぐもぐもぐ」



リリアはともかく、他の3人はシリュウの料理に驚愕していた。

魔族では絶対に味わえる事のない至上の味。


シンに至っては黙って黙々と食べていた。

それ程美味しいのだろう。


そんな四魔将に絶賛され、シリュウも満更ではなかった。

むしろ、嬉しかった。




「喜んで頂き光栄です。まだまだあるので是非おかわりしてください」



「やっぱりシリュウの料理が1番ね!!! 魔界に戻って向こうの料理食べたけど腐ってるのかと思ったわよ!!!」



皆で談笑しながら食事を摂っているとムムがゼノンに語りかけた。



「ゼノン様?」


「ん?どうしたムム」


「家族が増えて嬉しいね♪」


「うむ、、、そうだな」



ムムの言葉を考える。

これが家族というものなのかと。


血は繋がっていなくとも家族になり得るのだろうかと。




そして、食事を終えるとゼノンは


「階層を少し弄るとしよう」



住民が増えたことにより、更なる拡張が必要だと感じた。


ゼノンはゴブリン達も全てを外に出すと魔法を発動する。

今までとは比べものにならない程の魔力量を放出していた。


それ程に壮大な魔法を使うのだ。

本来なら一人では絶対に不可能である。

100人至って厳しいかもしれない。


そんな作業をなんと僅か1分程で、、、



「うむ。終わったぞ」



皆で中に入り下に降りるとそこには



「うわーーーーー!!!!!!!!!」



今まで階層毎に別れていた部屋や畑、鍛冶場等が全て同じ階にあった。


そして地下とは思えないほど広大で自然に満ちていた。

何より木造建築の家もたくさんあり、そこは街と言っても過言はなかった。


「す、すごい・・・・・・」

「これがゼノン様の力・・・・・・」

「街をひとつ作ったのですか・・・・・・」

「ゼノン様は神様か何かなの?!」


開いた口が塞がらないとはこの事だ。

目をパチクリさせながらただただ、呆然としていた。



「ムムが言っていただろ? 皆で同じ階に住みたいと。」


「うん!!! ありがとうゼノン様!!! これでいちいち階段降りなくても皆一緒だね!!!」


ゼノンはムムの願いを叶えるため階層を一つにまとめ魔法で街を一つ作ってしまったのだった。

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