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越えたい壁

フィルルの為に第7層を鍛冶場とした。


フィルルの金属探知能力は優れており、的確に金属を見つけている。


そこでゼノンは更なる効率化を求め、ゴーレム5体とゴブリン5体を召喚し、フィルルの手伝いをさせた。


ゴーレムはその力で洞窟を掘り金属を集める。


そしてゴブリンは手先が器用なのを利用し、フィルルに鍛冶を習い助手となっていた。


ゴブリンも剣を打てるようになれば、武器を売り金にすることも可能になる。


更に、ゴブリンが武器を生産すればその分、フィルルは聖剣や魔剣造りに集中することもできるのだ。






そしてシリュウについてだが、驚くべき事に料理の腕は天下一品である。


ゼノンもこれまでに味わったことの無い美味に舌を巻く。

普段少食であるエリシアまで、おかわりを頼むほどの絶品である。


それ程シリュウの料理の腕前は高く、皆からも絶賛されていた。



そして、シリュウが本格的に料理番となり、それ以外の時間はリリアやイモータルキングと共に武芸の訓練をしている。




こうしてそれぞれの分野で最高峰の人材が家族になり、最高の暮らしをする事が出来ているのであった。




ゼノンはレオン(フェンリル)とミノ(ミノタウルス)と共に食材の狩りに出掛けている。



「ふむ。レオンよ、だいぶ大きくなったな。前まで我よりも小さかった筈だが今では我を乗せられるほど大きいな。」



ゼノンはフェンリルの顔を見上げて話していた。

以前は自分の視線より下にあったフェンリルの顔。

とてつもない成長速度である。



「ワフッ!!!」



レオンはそこに伏せてゼノンになにやら催促した。



「ん?乗れということか。わかった」



レオンの意志を汲み取ると、ゼノンレオンに跨る。

すると、レオンはそのまますごい速さで走り抜ける。



「ブモオーーー(置いてがないで)!!!」



と言って後ろを走っているミノ。

完全に忘れられている。



「レオンよ、以前の壁を越えたいと思わないか?」


突如ゼノンがレオンにそう語り掛ける。

しかし、レオンはなんの事か分からず首を傾げていた。



ゼノン「ふむ。そこを右だ」



レオンは言われた通り右に走るとそこには---




「ぐおおおぉぉぉッ!!!!!!」



以前レオンがやられた時と同じくらいの体格のオーガがいた。


オーガを前にしてレオンは体震えていた。

レオンもしっかり覚えていたのだ。

オーガに殺られそうだった記憶。

オーガへの恐怖が体に刻み込まれている。



ゼノンはレオンから降りて震える顔に手を添え、優しく語りかける。



「レオンよ、お前はあの頃よりも大きく、そして強くなった。自分の力を信じよ。お前はただの狼か?違うだろ?お前はあの誇り高きフェンリルの息子だ。お前の母親には会ったことがある。とても強く、気高きフェンリルであった。なら、お前もあの血を継いでいよう。 母の力を、そしてお前自身の力を信じよ」



ゼノンの言葉を聞きフェンリルの震えは止まった。

そしてその瞳はオーガだけを見据えている。


どうやら覚悟が出来たようだ。



オーガもフェンリルの気配が変わった事に気付いたのかすぐ様拳を上に振り上げる。

臨戦態勢だ。




しかし、勝負は一瞬だった。




オーガが腕を振り上げたと思ったらその瞬間、オーガの首は地面に落ちていたのだ。


あまりに一瞬の出来事である。

まさに瞬殺だ。


そしてレオンの爪にはオーガの血が付いていた。



「ふむ。なかなかの速さであったぞレオン、よくやったな」



先程までとは打って変わってしっぽを振り笑顔を見せるレオン。

撫でて撫でてと言わんばかりに顔を寄せてくる。



「ふっ。まぁ良いか。よくやったぞ。」



するともう一体奥からオーガがやってきた。


それと同時に後ろからは、やっとミノが追いついた。


そして、ミノはオーガを見つけるやいなや、そのままオーガへ向かい戦斧を振り抜く。



突然の攻撃にオーガは腕でガードするが、ミノはその腕ごとオーガの首を斬り落とした。


丸太程はありそうな太い腕を簡単に切り落としたのだ。

ミノの力も凄まじいものである。



「ブモオォォッ!!!!!!」



「うむ。二人ともよくやった。」


力のミノ。速さのレオン。

中々いいコンビだと思うゼノンであった。


そしてこの二体の成長は止まることを知らなかった。

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