思い立ったが吉日
魔王を倒し終わり、自分の城へ戻るゼノン。
お世話係のスライムのライムが飛んでくる。
「ゼノン様ァーーー!!! どこに行っていられたんですか?!!! 皆探していましたよ!!!」
スライムといえど、長年ゼノンの身の回りの世話をしてくれている、欠かせない仲間である。
「ライムか・・・・・・すまない。それよりライムよ、この世界は争いばかりである。私はな、平穏な世になればいいと思っていた。そして平穏な暮らしをしてみたいと、ここ何百年思っていたのだ。だから何処か静かな場所へ行き疲れを癒そうと思う。」
「なっ?!!! そんな事したらこの国はパニックになりますよ!!!
魔王の引き継ぎだってしなくてはいけません!!!
誰を次期魔王にするのですか?!!!」
ライムの進言は最もである。
魔族は特に上が居なければ脆く壊れやすい。
そこで、一つの案が浮かぶ。
「むむっ、そうだな、では『四魔将』の誰かに魔王を譲るとするか」
四魔将。それはゼノンが最も信頼する四体の魔族であり、最高戦力でもある。
4人の名はそれこそ世界にも轟くほどである。
「なるほど! ですと『氷結のフレイ』様が宜しいかと思います!」
「うむ。私もそう思っていた。では四魔将を呼んできてくれぬか、ライム。」
「はいっ!!! わかりました!!!」
魔王ゼノン
500歳という長い年月を生きている。
頭には2本の角があり髪は銀のセミロング。
目の色は赤く鋭い。
身長は180センチ程であり筋肉質の体をしている。
全ての魔法を使い、創造魔法を得意とする。
種族は魔人族。
そしてすぐにライムは四人を連れてきた。
『炎獄のリリア』 『氷奇のフレイ』 『豪鬼のバリアン』 『神速のシン』この四人がゼノンに次ぐTOP4と言われている。
リリアは赤い髪と眼をしておりポニーテールにしている。スタイルは良く程よい筋肉がある。種族は吸血鬼。
フレイは水色の髪に水色の眼で髪は長く伸び美しい毛並みをしていた。出るところは出て、引っ込むところは引っ込んでいる。種族はサキュバス。
バリアンは身長2メートル50センチもあり筋肉質の大柄なイカつい顔の魔族だ。額には1本のデカい角がある。種族は鬼人族。
最後のシンは白髪長髪のイケメン君で寡黙気味なクールな男である。身長はゼノンと同じで、種族は悪魔族。
そんな4人が部屋に入ってくる。
「皆、急に呼びたててすまない、」
ゼノンが口を開くと代表してフレイが口を開く。
「いえ、私共は貴方様の忠実なる下僕、どんな時もあなたの元へ馳せ参じます」
そう言うと四人は片膝を着き頭を下げる。
「うむ。話だがな、私は疲れた・・・・・・少し隠居生活なるものを送ってみたいと思った。だから次期魔王にフレイを任命し後のことは任せようと思うのだ」
いきなりのゼノンの衝撃発言に皆、声には出さないが驚いた。
「それはあまりにも急な話ですね。決定事項ですか?」
「あぁ、そうだ。フレイよ、頼めるか?」
フレイはその言葉に引き留めても意味が無いことを悟る。
「魔王様には遠く及ばないものの誠心誠意その役目頂戴致します。」
「皆もフレイの手助けを頼むぞ」
三人「はっ!!!」
呆気なく終わる魔王の引き継ぎ。
「ライムよ、お前は私と共に来い。」
ゼノンはそうと決まると直ぐに支度を始める。
「もちろんですッ!!!」
「では皆の者、頼んだぞ」
そうしてゼノンはあっという間に、転移魔法でどこかに消えてしまった。
残ったのは四魔将と呼ばれる四人のみ。
「まさかこんな急に話が進むとはね〜」
「ゼノン様の心労に気付けなかった私達の責任です。」
「ゼノン様に任された以上、我々でこの国を守るのみよ」
「私達はゼノン様に言われた通り、フレイを支えるのみ」
「ありがとうございます。いつ魔王様が戻ってきても言い様に万全の状態であり続けましょう。」
四人に魔界は任せ、飛び出てしまったゼノン。
彼は果たしてどこへ行くのか・・・・・・。
「面白いな、続きが読みたいなと思ったらブックマーク、高評価をお願いします。そして誤字脱字や意見などあったら是非コメントしてください。」