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最後の島

犬を倒して魔物のいる最後の島へ。



「なぁジグルド、元の骨の体にはもうなれへんのか?

ずっと幽霊なんか?」



浮いたまま付いて来るジグルドが気になるのか、そう訊ねると、



「なれますよ? 不死の王の時に使えた技も使えるようですしね。 むしろ、威力や精度は格段に上がっています。

三大恐慌最弱と言われていた私ですが、今ならレビルさんにも勝てるかもしれないですね」



そう、自慢気に話すと、レビルの口は笑っているが目は笑っていなかった。



「面白いこと言うやん。 わいに勝てるやて? ほんならこれが全て終わったらわいと勝負や!」



「望むところです。 では勝った方がゼノン様と戦える事としましょう」



「なにっ?! そ、それなら妾もやるぞ! ゼノンと勝負したいのは妾も同じだ!!!」



「なら、三人で勝負して勝った一人がゼノンはんと勝負や!!!」



よく分からないがみんな意見は纏まった様子。

ゼノンは呆れながらもその提案を却下する。



「やめておくがいい。 お前達が争えば世界が崩壊する。

この天界とは違うのだぞ」



「「あっ、、、」」



そう。三柱ともこの天界では互角の戦いを繰り広げていた為、錯覚を起こしているが、地上の世界では三大恐慌とまで言われるほどの最強の三柱なのだ。



もし地上の世界で三柱が争えば、それこそ天災が巻き起こり

世界は一日も持たず滅ぶのだ。




「それよりも着いたぞ。 あそこが最後の関門といったところか」



目の前には荒れた地に、腐った川、枯れた木々が立ち並んでいた。


そして島の中央に立ち、こちらを見つめる一匹の猪。



やはり、かなりの巨体を持っており、一般的な猪と比べると数十倍は大きい。




「ほな行ってくるわ! これで最後なんや。 皆が繋いだこのバトン。わいが必ずゴールしたる!」



レビルが一歩二歩と前へと進む。



「必ず勝ってまた会いましょうね」


「負けたら承知せんからのう」


「お前の力見せてやれ」



皆から励ましの言葉を貰い、微笑む。

そして、これが最期のため気を引き締めて猪の前へと対峙した。




「さぁて、豚助!!! お前の相手はわいや!!!

最期の戦い、、、覚悟しいや!!!」



まずは小手調べにと猪に突っ込み、近接すると強烈な打撃をお見舞する。


辺りの空気をも震わせるほどの打撃。



だが、猪の皮、脂肪、筋肉は相当分厚いようで全くといっていい程ダメージが入らなかった。


まるで、一つの星を殴っているかのように強大なモノを感じた。



「なんやこれ、、、地面でも殴ってるみたいや。

星一つ壊すのにどれだけ時間掛ると思ってんねん!」



壊せないとは言わない。

現にレビルが本気を出せば地上世界の星など、一週間もあれば破壊できるかもしれない。



だが、この猪が一週間もただ攻撃させてくれるとも思えない。



「ほんなら次は魔法や! 水の槍(アクアスピア)百連」



レビルが右手を上げると次々に現れる水の槍。

全部で百本もある。


一本一本がAランク級の魔物を一撃で倒す程の槍。

それが百本もあるのだ。



レビルが上げた手を振り下ろすと、槍は全て猪目掛けて飛んでいく。

槍の雨に逃げ場はなく、ただただ連撃を受ける猪。



辺り一面に水が飛び交い、煙が舞う。



「多少でもいいから効いてくれると戦いやすんいんやけど・・・・・・ダメやな。 全然効いてへんやん」



そこには、先程と同じ姿勢でレビルを見つめる猪の姿があった。


だが、全くの無傷という訳では無い。

ほんの僅かだが怪我はしていた。



その事実だけでもレビルには儲けものだ。

シエンの相手した羊のように完全無敵でも無いのだから。


魔法攻撃に勝機を見出したレビルは次なる戦いを考える。




「ぐはッ、、、な、なんや?!」




突如腹部に強烈な衝撃を感じた。

感じたかと思えばそのまま吹き飛ばされていく。



口から血を吐き、木々をなぎ倒し、倒れるレビル。



(ぐっ、、、あいつは全く動いてなかった、、、動いたとすれば・・・・・・呼吸か?! 確かあいつ鼻から息を吐いてた!!! まさか、空気砲っちゅうことかいな? 吐いた息でこのダメージかい、、、)



レビルは痛む腹部を抑え、その場に立ち上がる。



いや、休んでる暇などなかった。


再び聞こえてくる風を切る音。猪が再び空気砲を飛ばしてきているのだ。



警戒はしていた。

してはいたが、その空気砲はあまりにも速かった。


回避が間に合わないとみるやいなや、レビルはその場に防御魔法を展開する。



「くっ、、、新鮮な水があれば多少は強い壁が作れるんやが、

ここの水は汚すぎるねん!!!」



愚痴を吐きながらも、なんとか猪の攻撃に耐える。


とはいえ、相手の空気砲は一発だけではなかった。



流石にこれ以上は受けきれない為、壁を囮にレビル自身は急いでその場を離脱する。



案の定、水の壁は直ぐに爆散した。

もう少しあの場に居たならば、あの連撃を喰らい戦闘不能に陥っていたかもしれない。



兎にも角にも、あの強烈な一撃を避けつつなんとかこちらも反撃の魔法を放つしかない。



レビルは痛む身体を奮い立たせ、再び鋭い眼光で猪を見つめるのであった。


勝負はまだ始まったばかりなのだから・・・・・・。

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