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種族進化

「焦らせんなや、、、また他の骸骨に乗り移る気やろ?

こっから反撃やな!」



レビルは粉々になったジグルドを見て一瞬焦ったが

以前の戦いを思い出し安堵した。



彼は代わりとなる骨がいる限り、何度でも蘇ることが出来る。


つまり、無敵といってもいい。


だが、それは周りに骨がいたらの場合だ。



つまり今は、、、



「いや、、、ジグルドは完全に死んだ。

奴はあの強力な二体の魔物以外は出していないのだからな。

私が助けに入れば死ぬことは無かった。

すまない、、、ジグルド」



その言葉を聞き、レビルは呆然としていた。

ゼノンが冗談を言わない事は知っている。



「嘘やろ、、、ここまで戦ってきたやないか・・・・・・ここで

終わるんか。 不死の王ちゃうんか?!!! ジグルドぉぉおぉ!!!!!」




レビルの切実な叫び声で背負われていたシエンが目を覚ました。



「ん、、、今、、、なんと言った? ジグルドがどうした?

妾を下ろしてくれ!」



焦るようにシエンはレビルの背中から降りた。


そして、見つめた先にあるのは、散らばっている骸骨。

それを踏みつけて立っている一匹の鳥だ。




「嘘じゃ、、、ようやく仲が深まったではないか。

何をしておるジグルド・・・・・・早く生き返らぬか!」



シエンも必死に名前を呼ぶがわかっていた。

最早ジグルドの魔力は探知出来ない。


つまりこの世からジグルドの魔力が消失したのだ。




涙を流すシエンとレビル。


ゼノンも滅多に表情を変えないが、今は悔しそうに奥歯をかみ締めていた。



自分が迷ったから、ジグルドを見殺しにしてしまった。

ゼノンはそう自分を責めたのだ。




「許さん、、、鳥風情がよくも妾の仲間をッ!!!

消し炭にしてやる!!! ジグルドの仇だ!!!」



シエンは先の戦いで満身創痍ではあるものの激昂しており

最早疲れなど関係なかった。



目に映るのは大切な仲間を足蹴にしている鳥だけだ。

そして、怒っているのはレビルも同じ。



「シエン、、、仲間の仇や言うなら、わいにもやらせぇや。

わいも一発殴ならな、気がすまんわ!」



二対一が卑怯などとは言わせない。

大切な仲間を殺られたのだから、関係ないと二人は共に前に進みでる。



「ジグルドの仇ッ!!!」






「呼びましたか?」



突如二人の背後より現れる幽霊。

そして、それはジグルドの声であり、ジグルドの容姿をしていた。


突然現れたジグルドに二人とも絶叫していた。




「ぎゃああああッ!!!!! な、なんでや?! 死んだんちゃうんか?!」



「い、いきなり出るでない!!! 心臓が飛び出るかと思ったわ!!!」



未だに困惑しているレビルとキレるシエン。

この光景にはゼノンも驚いていた。



「もしや、種族進化か?」



ゼノンの言葉に驚く二人。


種族進化とは、ゴブリンがハイゴブリン、エルフがハイエルフと

いったように進化することである。



とはいえ、種族進化など、まずお目にかかれるものではないし

なれるものでも無い。



自分の限界を超える努力に才能などがないと出来ないのだ。


それに、種族進化は突然訪れるもの。



ちなみにレビルやシエンも種族進化は終わっている。



とはいえ、不死の王も恐らく最高位の存在だ。

そのため、種族進化などできるとは思えなかった。



だが、彼は確かに進化している。



種族名は『死神』。


不死の王から死の神へと進化していた。



「どうやらそのようです。 私も正直終わったと思いましたよ。

ですが、死んでも尚自分の存在があり意識もありました。

それで調べたところ種族進化だったわけです。

うれしいですねぇ。 私はどうやらまだ強くなれるようです」




ジグルドは透けた自分の手を見て微笑む。


限界だと思われた壁を超え、新たな力を手に入れることが出来た。



「ホンマに世話焼かせな奴やで」


「全くじゃ。 無駄な心配をさせおって。 とっとと倒してこい」


「お前の新たな力、見せてやれ」




皆から暖かい言葉を貰い、あるはずの無い心がなんだか暖かくなる気分を味わった。



「これが、仲間ですか。 では、私の新たな力をお見せしましょう」



突如ジグルドの手に巨大な大鎌が現れる。


その武器を目の当たりにしたレビル達はなにか寒気を感じていた。

見ているだけで息が詰まりそうなその凶悪な武器の名は『デスサイズ』



「あなたの命刈り取らせて頂きますよ」




その様は、姿、名前ともにまさしく死神そのものである。



冥府の魂吸(アビス・ヘル・ソウル)



犬に接近すると大鎌を振りかぶる。


確かに大鎌は犬に命中した。

だが、犬が傷を負うことはない。


外したのか?



そうレビル達が思った瞬間、犬はその場に倒れ込む。

何が起きたのか分からなかったが、犬が倒れた瞬間、犬の魔力を

感じることは出来なくなっていた。


つまり死んだのだ。



「やはり、とても強い。 上質な魂を頂けて私も至極感激しております」



ジグルドのもつデスサイズ。


それは相手に肉体的ダメージを与えるのではなく精神的ダメージを与えるもの。

というよりも、魂を奪う力だ。



つまり、心臓は無事だが、魂を座れるため、生きた屍と化す。



一度は死んだものの、見事に進化を果たし逆転したジグルド。



彼の戦いにレビルやシエンはもちろん、ゼノンも労いの言葉を掛けた。



「よくやったなジグルド。 今のお前は以前とは比べ物にならないほど強くなっている。 全てが終わったら私と勝負するか?」



ゼノンの言葉に目を輝かせる。

と言っても目は無いのだが、、、



「本当ですか?! 是非お願い致します! こんなに興奮したのはいつぶりでしょうか、、、まだまだ楽しい事がたくさんある世の中ですね」



そう談笑しながらも、魔物のいる最後の島へと向かう一行であった。

「面白いな、続きが読みたいなと思ったらブックマーク、高評価をお願いします。そして誤字脱字や意見などあったら是非コメントしてください。」

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