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レビルの内なる力

シエンの決着が着く少し前---。



「あっぶねッ!、、、ちょっとくらい痛がりぃや!!!」



先程から何発か猿の体に拳を突き立てるも、全く怯む様子は無い。

むしろ、怒涛の如く反撃をしてくるのだ。



こちらの攻撃が当たっても、あまり効かないのに対して

相手の攻撃は一発でも貰えば致命傷間違いなし。


つまり、この戦いはレビルに非常に不利に働いていた。



水矢アクアアロー水槍アクアランス水砲アクアバレッド!」



打撃が通じないと見るや否や、攻撃の主軸を魔法に変える。


息つく暇も与えない魔法の連撃をお見舞した。




「ギギッ」



あまりの数に避けきれず、何発か喰らってしまう猿。

初めて痛みに声を漏らした。



「ほほう? 物理防御は高いようだが、魔法防御は高くないとみた!!! 来い、三つ又の槍(ポセイドン)

そして、渦巻く水の閃撃ヴォルテックス・スフィア!!!」



ポセイドンから放たれる強力な水撃。

それも超高速で放たれるその水撃は、見事に猿に命中した。



猿も両腕を前にクロスさせガードするも水の圧力に負け

吹き飛んでいく。



更には口から吐血もしていた。



遠くまで吹き飛び、倒れたままの猿。



「なんや? 意外と余裕やないか! 最初から魔法でいけば良かったわ! さてさて、トカゲちゃんの手助けでもしたろか」



その場を後にシエンの方へと顔をやる。



すると背後から突如、もの凄い殺気を放つ気配を感じる。



「なんやッ!?」



振り返るとそこに猿が立っていた。

それも鬼の形相をしながらレビルを睨みつけている。



少し目を合わせていると、一瞬の内に猿が視界から消える。



(ッ?!)



瞬きをしている間に、目の前にまでやってきたのだ。

数百メートルはあろう距離を瞬きする間に一瞬で。


既に猿は拳を大きく振り上げていた。


この距離で避ける事は不可能。

レビルは両腕に水の障壁を張り、クロスさせ体を守る。



防げるとは思えないが、両腕だけで済むならまだ戦える。




「どごおおおッ!!!」



今度はレビルが吹き飛ぶ。

あまりの威力意識が飛び掛ける。



腕は無事だ。

すんでのところで、防ぐことから受け流す事に変えた。


もし、あのまま防いでいたら腕ごと体もやられていただろう。


それ程の威力だった。

何せ、受け流して尚このダメージだ。



「かはッ! ちっ、、、受け流した思たんやけど、それでこのダメージかいな、、、本当にめちゃくちゃやで」



なんとか起き上がるも、だいぶ足に来てしまった。

それに、あの速さについていけるとも思えない。


つまり、避ける事は不可能と考えた。



いや、考えている余裕もない。


またしてもいつの間にか猿は目の前に現れ、その剛腕を振るう。

次は集中していた為、なんとかいなし、傷を最小限に抑える。


それでも、相手の殴打の余波だけで傷は増えていく。



そんなジリ貧な防衛をしていると、気付けば体は傷だらけに。


それでも致命傷は避けている。

だが、あまりにも血を多く流しすぎた。



目の前の視界がボヤけてくる。



(ちっ、、、このままだとわいが負けるのは確定やな、、、

一泡吹かせたい・・・・・・なにか方法はないんか!)



先程から水魔法を当てるも、今回は全くダメージが入っていなかった。

恐らく身体強化をしているのだろう。


こうなっては、レビルが猿にダメージを与える事は出来なくなってきた。



(どうすればいいねん! 外から撃っても、なんも効果ないやんけ!!!・・・・・・んっ?)



レビルは今、自分で言った言葉の中になにかを感じ取った。


猿を倒すためのキーワードを話したようなそんな感覚。



「ドゴンッ!!!」




考え事をしていた隙を突かれ、肋に猿の拳が入る。


吹き飛び、そして、地面に伏す。



レビルは口から血を垂れ流しながら空を見る。




「はぁ、、、参ったわ、、、戦いの最中に考え事なんかするもんじゃないで、、、いててて、、、ただ---答えは見つかったで」



軋む骨に、痛む体を押さえ付け、気力で立ち上がる。





『外が無理なら『中』からや』



それはシエンと全く同じ発想。

外からが無理なら中から壊す。



レビルは物凄いスピードで猿に肉薄すると手の平を猿の胸に当てる。


今まで逃げてばかりだったレビルが突如近付いて来た事に驚く猿。



「なぁ、知ってるか? 生き物のほとんどが体の70%は水分で出来てるらしいで? わいは水魔法最強の男や。 つまり、そんだけの水分があれば中から壊せるんや。 中々にキツかったで。

内なる破壊インサイド・ディラクション



猿は目を見開く。

体の中で何かが爆発したような、そんな感覚に陥った。


口からは血を吐き、視界は真っ赤。 耳からも血が流れている。

毛穴という毛穴から血が吹き出ているのだ。



流石に頑丈な体を持っているとはいえ、中身までは鍛えられない。



猿の体の水分が全て暴発し、体の内部から破壊する。


これには猿も一溜りもなく、その場に伏せ一瞬で光の粒子へと変わっていく。



シエンもレビルも過去最高に苦戦をしたが、なんとか勝利をもぎとりゼノンの期待に応えるのであった。

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