表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

187/199

第7の島

レビルが激闘を制し、勝利した後流石に疲労困憊の為休息をとっていた。



全部で14からなる島も次が終われば半分。


ようやく、折り返しだ。



だというのに、三大恐慌達のこの疲労度はまずい。

最早次が限界かもしれない程に、疲弊しきっている。



ゼノンも、最悪の場合は自分でやろうとは思っているが

そんなことを三大恐慌達が認めるとも思えない。



「はぁーーー!!! マジでしんどいやん! あと半分もあるんやろ? 次は二人のどっちかがやってや?!」



「わかっておる。 次は妾かジグルドがやる。よいかえ?」



「そうですね。 ならば次は私が行きましょう。

お二人ほどの強敵とはまだ当たってはいませんからね」




どうやら、まだ諦めてはいない様子。

そもそも、こんな所で根をあげるような三柱でもない。



「お前達の休息が取れ次第向かうぞ。 無理ならいつでも言うがいい。 私が出よう」



ゼノンの言葉を聞いた瞬間、すぐ様その場を立ち上がる。



「そ、そんな必要あらへん!!! わいらで余裕や!

な、なぁ! みんな!!!?」



「もちろんですとも。 ゼノン様が出る事はないでしょう」



「妾達を見くびるでない。 一度言ったからには必ずやり遂げようぞ」



そんな三柱の強がりとも取れる発言ではあるが、ゼノンはその言葉を信じ、三柱に任せることにした。


というよりも、元から任せるつもりであった。



「うむ。 ならば行くぞ。 あまり皆を待たせる訳にもいかぬからな」



こうして、レビル達は再び気力を振り絞り立ち上がった。

残る半分の島をクリアする為に。





次に見えてきたのは広大な草原。

何度か見たような島の作りである。



そして、見えてきたのは一頭の馬。



いや、元々遠くからその魔物は見えていた。



何せ、その体高は10mを遥かに超えていそうな大きさだから。

近付くとよりその大きさを肌で感じられる。


前に戦った牛よりも全然大きい。

その足で潰されれば一溜りもないだろう。



「やれやれ。 どうして私の相手は巨大魔物ばかりなのでしょうか。 私なんて骨なのですから潰されれば一溜りもないというのに」




「・・・・・・いや、生身も骨も潰されれば同じやで?」





「・・・・・・さて、行くとしましょう」



軽い雑談をして、ジグルドは一歩前へと出る。


気負っている感じはなく、むしろ落ち着いていた。




馬を目の当たりにして、改めてその巨大さに驚かされる。

果たして、どうすれば攻撃が当たるのか。

対して、こちらは少しでも当たれば致命傷となりかねないかもしれない。



そうして、考えている内に突如馬が上体を起こした。




「この島を破壊するつもりですか?」




馬は上体を起こして後ろ足二本で体を支えるといった状態になっている。


そして、高く上げられた前足が一気に地面へと叩き込まれる。





「どごおおおおおんッ!!!!」




まるで隕石が落ちてきたかのう様な衝撃。

辺りを爆風が襲い、更には石が飛び散る。


まさに天災である。




「力は過去最強の相手かもしれぬな」



遠くで見守るゼノンは、自身の周りには結界を張り、その中にシエンとレビルもちゃっかりと入っていた。



「妾の守りでも果たして防げるかどうか」



「いやいや、あんさんは空飛べばええやろ? わいなんか海がないと無理やで? 陸じゃあまず勝てへんな」



レビルにそう言わせるほどの強力な力。

煙が立ち込め、辺りは何も見えない。



だが、誰もジグルドを心配する者はいなかった。



こんな事で死ぬはずがないと分かっているから。



煙が消え去ると、ボロボロの草原の中に一つの骸骨の山が見えてきた。




「ふぅ、身代わりの骸骨さん達が50体も殺されましたか。

少し力を見誤ったようです。 これは相手に攻撃させる前にコチラからやった方が得策ですね」



骸骨の中から出てくる、一体の骸骨。



ジグルドも無傷であった。



「さて、この骸骨さん達を捨てるのは勿体ないですね。

ここに集え、骸骨の超巨人スーパーボーンジャイアント



50体の骸骨が次々に組み合わさる。

更には地面からも続々と現れ、合体していく。



気付けばその骸骨は馬と同じくらいの大きさへと変貌していた。



「これで大きさの有利は無くなりましたよ? 行きなさい。

骸骨の超巨人」



骸骨の手には巨大な骨の棍棒が持たれていた。

その棍棒を振り上げ、思い切り馬の顔に叩きつける。



流石の巨大な馬も堪えた様子で、盛大に吹き飛ぶ。



いや、吹き飛ばされただけでは無い。

馬は吹き飛ばされたと同時に、後ろ足で骸骨に向かって蹴りをくらわせている。



防御力もジグルドの錬金術によって、骨ではあるものの、鉄以上の強度となっている。


だというのに、今の蹴りで骨が砕かれた。

やはり、馬の力は伊達では無い。



すぐ様、修復するとそこから始まるのはまた巨大な魔物同士の殴り合い、蹴り合いである。


骨は直ぐに修復出来るため、馬の方が不利に思われたが、これほど巨大な骸骨を修復するにもジグルドの魔力をかなり使用しなくてはならない。



つまり、馬を倒すか自分の魔力が切れるかの戦いになるだろう。






---時間はどのくらい経っただろうか。

恐らく数刻は経過している。




何せレビルもシエンもとっくに体力が全回復しているのだから。



対してジグルドは魔力が枯渇しかけており、立っているのもやっとの様子。


しかし、馬にも相当ダメージが入っているようで脚が震えている。




もうじき勝負は決まる。

ゼノン達はそう思っていた。




「次で決めなければ私に勝ち目はありませんね。

あなたもそうでしょう?」



その時だった。

突如馬が口から空気を吐いたのだ。


ただ空気を吐いただけ。

だがらその空気は圧縮されており、言わば小さな隕石の様にジグルド目掛けて放たれた。




「ッ?!!!」




突然の新たな技。

そして、近接しかしないと思っていた為、ジグルドはモロにその技を受けてしまう。



骨は砕け散り、ジグルドの体はボロボロとなり朽ち果てた。





「ジグルドーーーッ!!!!!」





レビルが大声を出す。

こんなに呆気なくやられるのか?


共に戦ってきた仲間が最後の最後にこんな簡単にやられたのか?



現状を呑み込めず、ただ名前を叫ぶ。



「くっ、、、最後の最後に油断しおって。 ゼノンはん。

次は妾がいく。 せめて奴の仇討ちをしてやらねばな」




ジグルドだけではなく、シエンも怒っている。



だが、ゼノンはというと全くそんな素振りを見せてはいない。

むしろ、平然としていた。



「その必要はない。 この戦い---ジグルドの勝ちだ」




ゼノンの言葉に驚き、再び戦場を見ると、何やら馬の後ろに骸骨が一体突っ立っている。



だが、普通の骸骨だ。



いや、突如地面より黒いオーラがその骸骨を纏う。




「ふぅ、危ないですね。 予備の骸骨を配置して正解でした。

まだ技を隠していると予想していましたからね。

周りに骸骨が存在する限り私の体は壊れようと、精神は壊れません」




ジグルドは他の骸骨の体に乗り移っていたのだ。

つまり、周りに骸骨が存在する限りジグルドが死ぬことは無い。


とはいえ、魔力が枯渇していれば話は別だ。

本当にギリギリである。




「では、私もこれ以上はしんどいので終わらせて頂きますね。

こんなに近付けてよかった。闇への誘い(ダーク・ナイトメア)



ジグルドの持つ究極魔法の一つ。

肉体ではなく精神を破壊するその魔法は、ボロボロの馬にレジストする力も残っていなく、その場に倒れ込み、その体は光の粒子となり消えていった。



長い長い激闘の末、ジグルドは勝利したのだ。

「面白いな、続きが読みたいなと思ったらブックマーク、高評価をお願いします。そして誤字脱字や意見などあったら是非コメントしてください。」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ