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奴隷制度

ノーライフキングは第6層で暮らしていた。


あれから、骸骨を沢山生み出し研究所を作っている。


聞くところによるとノーライフキングは、生前、錬金術を嗜んでおり、ポーションやマナポーション作りに精を出していた様子。


ここでも作りたいとの事で、第6層は研究所へと変貌していく。

大掛かりな装置も作られており、着実に工事は行われている。



大群の骸骨を操り一週間が経つ頃には、巨大な研究所が出来ていた。



レイラの回復魔法もあるが、ポーションやマナポーションを作れば回復は勿論、売る事ができ金を生むことができる。


そして時間が空いた時にはリリアと訓練場で模擬試合をしている。

今のところイモータルキングの方が勝ち越しているようだ。

最初の戦いでは、久しぶりに生き返った為、慣れていないなかでの引き分けだった。


ムムはノーライフキングの事をおじいちゃんと呼び、トラリーは会った瞬間にまたしても気絶した。


レイラとエリシアも恐怖に怯えている。


しかし無害であるとわかると、今では普通に会話をしている。

魔物と人間が会話するなど、ここ以外では見られないだろう。


気付けば我が家はいつの間にかダンジョン化していた。


ゴブリンも子供を作り今では20匹を超えている。




そして今日はムムの要望でまた王都に行きたいと言うため、いつものメンバー( ゼノン、ムム、トラリー、リリア)で王都に向かう。


王都に着くと、いつもの様に出店で食事を摂り街を散策していく。



すると前の方から鎖に繋がれ歩いている大柄な男と小さな女の子が奴隷商に引っ張られていた。



(ほう。これは珍しいな。)



ゼノンは鑑定で二人の奴隷を覗いてみると

大柄な男の方は龍人族であり、小さな女の子はエルダードワーフとなっていた。


そんな二人を見てトラリーは引き攣った顔をしていた。

ボロボロの服に足は素足の為傷だらけであった。



「見ていて気持ちがいいものではありませんね。ムムには特に・・・・・・」



「・・・・・・あの人達どうなっちゃうの?」



不安そうな目で行き着く先を気にするムム。



「商館に連れていかれて飼い主が見つかるまでそこで暮らすことになるわね」



リリアも人間界の奴隷制度は知っている為、ある程度の知識はある。



「そうなんだ・・・・・・ねぇゼノン様?」



ゼノンはムムの表情で察する。


(またムムの悪い癖が出るか・・・・・・いや、これはムムの優しさであるな)


「どうした?」



「あの二人を連れて帰っちゃだめ?」



やはりなといった感じである。

ムムは優しい。いや、優しすぎるのだ。

手の届く範囲は助けてあげたい。


それがムムのポリシーの様なもの。



だが、それは流石にリリアが制止する。


「ムム、流石にそんな何度も人助けをしてはキリが無い。ましてや人が増えればその分暮らしも大変になるのだぞ?」



「うむ。いいだろう。」



予想外の返答に驚くリリア。

これにはトラリーも驚いていた。


「えぇ。ゼノン様もこう言って居られる。だから今回は諦め・・・・・・えっ?!!!! 宜しいんですか?!!!」



そして言った本人であるムムは先程までとは打って変わって笑顔になっている。


「うむ。それにあの二人は中々優れた逸材だぞ」



その言葉を聞きリリアの目つきも変わる。

強者ならリリアにもメリットがあるからだ。



「なるほど、ではあの商人を止めてきます」



そう言うとリリアは商人の元へ走った。



「ゼノン様・・・・・・ごめんなさい。ムムのわがままで・・・・・・」



ムムも自覚はありこれがワガママな行為というのも分かっていた。

だからゼノンに謝罪したのだ。

だがゼノンは穏やかな表情でムムの頭に手を置き



「ムムよ、謝る必要は無い。これはワガママではなく優しさだ。そなたのお陰であの二人は救われる。目の前で救える者は救いたいというそなたの優しさなのだ」



そして、それを許すゼノンの優しさに触れムムは思わず涙ぐむ。



「うぅ、ゼノン様・・・・・・ありがとう」



泣き出すムムにゼノンはそのまま頭を撫でた。

そしてムムをそのまま抱き上げ腕に乗せる。


驚いているムムにゼノンは



「リリアが待っている。そしてあの二人もな。行くぞ」



ムムは急に笑顔になり「うんッ!!!」と大きな声で返事をした。




ゼノンはリリアと奴隷商が待つ所へいく。

すると奴隷商がニコニコしながら近付いてきた。


「いやー流石はお目が高い!!! この二人はつい最近丁度手に入りましてね! どちらも希少種なのですよ!!! 本来一人150金貨で合計300金貨の所、今なら一人100金貨の2人で200金貨にしておきますよ旦那!!!」



「うむ。では買おう。金はこれだ」



ゼノンは小袋を二つ出した。一袋に金貨100枚入っていた。


そして奴隷達の鎖を取りゼノンを主人とし契約する。


流れるように作業はあっという間に終わった。


そして最後に奴隷商が口を開く。



「いやはや、まさか二人ともお買い上げになってくれるとは嬉しいですね! 時に旦那、その抱いている子は貴方の子ですか? ピンクの髪とは珍しい! 私に預けて頂ければお高く売りますぜ?!」


奴隷商は先程から抱かれているムムに目を付けていたのだ。


その発言と奴隷商の目付きににムムは怯えていた。

そこでリリアは・・・・・・



「おい貴様、あまり調子に乗るなよ?この子は私の大切な妹だ! 次に、その汚い口と汚れた目で妹を見てみろ! 殺すぞ?」



その言葉と圧力に奴隷商の顔は大量の汗を出し引き攣っていた。


「うむ。長生きしたければそれ以上、さえずるな。そして早く消えろ。でないとお前を殺してしまいそうだ」



ゼノンが更に殺気を放つと奴隷商は失禁して気絶してしまった。


「むっ、気絶てしまったか。 ムムよ、心配する事は無い。私がいる限りお前に手を出す輩等現れぬ」



「そうよムム、ムムは私の大切な妹だ!!! 守ってあげるから安心して」



二人の優しいその言葉にムムはまたしても泣いてしまった。



「うわあああぁぁん!!! あ、ありがとう二人とも・・・・・・」



その光景を見たトラリーは(くそっ、僕は何も出来なかった・・・・・・もっと強くなるんだ、もっと)


妹を守る為にも強くなると心に誓っていた。


こうして王都を後にし家に帰るのだった。

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