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美の象徴

すみません。仕事が忙しく執筆途中で投稿してしまいました。

書き直しましたので是非また読んでいただけると幸いです。

泳ぎの勝負も無事に終わり、時刻は昼過ぎ。



昼は皆で肉焼きだ。


あらかじめ食材は買ってきた為、後は網で焼くのみ。

そして、お酒やジュースもたくさんある。


海で沢山遊び、疲れきった身体に酒は格別だ。

皆が勢いよく飲み干しながらも、肉や野菜も次々と焼き上がる。



飲んでは食べてを繰り返す面々。

皆が笑顔で食事を摂る姿はゼノンの心を癒す。


皆の顔を見ているだけでゼノンも幸せだった。


いつまでもこの幸せな時間が続きますように、、、

そう願うも、地下で眠るヤツは止まらない。



この旅行が終われば、ゼノンは皆としばらく離れ離れとなる。

神に鍛えてもらうために。



レイラの方も準備は整った。

あとは飛ばしてもらうのみ。



だから、その前に思う存分家族の絆を深めるのだ。



食事を終えると子供達はフェンリルのレオンやフェニックスのイヴ、そしてミノタウルスと共に森へと向かう。


海遊びに疲れたのか、今度は森の散策だ。


もちろん、皆で歩いている。


とはいえ、レオン達だけで心配だからではない。

ムムが皆で行きたいと言ったから皆で行くことにしたのだ。



心配が必要ないのには理由がある。


最早、この地でレオン達はトップに立ち、他の獣達を眷属化していたのだ。


確かにレオン達が通れば他の魔物達は避けたり頭を下げたりしている。


彼等がこの島の王者なのだから。




「すごいねレオン! 誰も襲ってこないよ!」



(まぁね! 僕も頑張ってきたんだ! 今じゃ誰にも負けないよ!)



ムムのユニークスキル、『魔物に愛されし者』のおかげで魔物であろうと意思疎通が可能。



これはムムだけのオリジナルだ。



「凄く頼もしいよレオン! イヴにも後で乗らせてね!」



(えぇ、いいわよムム。 でも、しっかり掴まってないとダメよ? 高いところから落ちたらムムなんか一溜りもないんだから)



「うん! 分かってるよイヴ! 最後はミノの肩に乗って当たりを見渡しながら帰るんだ!」



(おうよ! 俺に任せとけ!なにせ俺が一番最初に乗ってもらった魔物なんだからよ!)




「そうだね! でも一番最初はライムだよ! ねーライム?」



するとどこからともなく現れるライム。

ライムももちろん旅行には来ていたのだ。


日々家事をこなしてくれるのだから数日くらいは構わない。



「そうだよ! ムムと一番最初に触った魔物は僕なんだからね!」



ムムとライムの言葉でようやく会話の全貌が見えてきたゼノン達。


ムムは喋っているが、魔物達は当然会話などしていない。

だが、皆の表情を見ていれば楽しいのはわかる。


ムムも皆も笑顔で話しているのだから。



「この子達にも素敵なスキルが授かるといいわね」



メフィは抱いているルナを見ながらそう呟く。



「うむ。私達の子だ。 おそらくあるだろう。 だが、別になくても構わない。 この二人が元気に育てばそれで良い」



ゼノンは抱いているソルの頭を撫でながらそう話す。



「確かにそうね! 元気ならなんでもいいわ!

あとは皆で仲良くね!」



その後も皆で仲良く食事を楽しみ、夜も更けるとメフィが

浜辺へと一人歩いていく。



皆はどうしたのだろうかと首を傾げていると、メフィは舞を始めた。


あまりにも美しいその光景。

メフィの一挙手一投足までも魅入ってしまう。



そして、メフィが舞を踊りながら手を上へと向ける。



「ヒューーー、、、パンッ!!!!!」



夜空に打ち上がる魔法の花火が皆を照らす。

様々な形の色とりどりな花火が夜空へと打ち上がる。



メフィの舞と花火。


どちらも美しく、皆が感動しながらその光景に魅入る。



「綺麗、、、」


「本当に美しいですね」



皆が思わず口々に揃えて声を出す。



メフィの姿はまるで女神の生き写しかのように美しかった。

同じ女性であるリリア達でさえ、惚れてしまうような、

そんな感覚に陥っていた。



それから少しすると、花火は止みメフィの舞も終わった。



「お粗末様でした! 楽しんでもらえたかな?」



惚けてメフィを見つめる皆。

メフィの言葉が終わると皆が一斉に歓声を上げる。



中には感動のあまり涙を流しているものもいるくらいだ。



ムムやトラリー、フィルルやフィルなんかは子供であるが故に

いつまでもはしゃいでいる。



「お母さん本当にすごい!!!」


「母上の美しさには恐れ入ります。本当に女である私も惚れ惚れしてしまいました!」


「ずっと見てたいくらいよね!」


「夜空に輝く花火。そして、花火の光に照らされ踊る奥方。

素晴らしいのう! ワシも魅入ってしまったわい」



皆がメフィに駆け寄り感想を伝える。



そして、皆の笑顔が見れてメフィも感動している様子。



そんな様子をゼノンとレイラは後方から見つめていた。



「お父様、これから始まるであろう戦いの前に、こんな美しいものを見れて感動しましたね。 また皆で来たいですね」



どこか悲しそうな表情でそう話すレイラ。

そんなレイラの頭にポンッと手を置く。



「大丈夫だ。必ずヤツは私が倒す。 お前達皆が笑顔でいられるよう私が必ず、、、な。 この旅行が終わったら直ぐに神の元へ行く。 レイラ、頼んだぞ」



二人は見つめ合い、レイラは力強く頷く。

魔神がどれ程強いのかはわからないが、今はゼノンに託す他ない。

ならば、レイラも自分に出来ることをするのみ。



神への道は既に完成している。

あとは起動するのみ。



「とにかく、今はこの旅行を楽しむぞ。 そんなに暗い顔をするな。 お前たちには私が付いている」



そっとレイラの肩を抱き寄せ二人はこの幸せな光景をしっかりと目に宿すのであった。

「面白いな、続きが読みたいなと思ったらブックマーク、高評価をお願いします。そして誤字脱字や意見などあったら是非コメントしてください。」

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