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火の旅行

申し訳ないのですが、お盆前ということもあり仕事が繁忙期に入ったのでしばらく投稿率が下がります。

時間がある限りは書きたいと思っているのですがご了承ください。

本当に申し訳ありません。

あっという間に風の月が終わりを迎え、火の月へと変わろうとしていた。


太陽が燦々と照らす。

外に出るだけで汗をかくほどに暑さが増していた。



だが、トラリーとムムはウキウキである。

何故なら火期長期休暇が始まるからだ。


風の月、火の月、土の月、水の月の中でも火の月は一番休みが長いのだ。


当然宿題も多いが、それ以上に楽しみの方が子供達にとっては多いのだ。




ソルとルナも生後3ヶ月となり、今では首も座り目も合っている気がする。


つまり、ようやく二人も落ち着いた事でメフィ考案の元、旅行へと行くこととなった。



目的地はもちろん海近くが良いということで、前回行った

無人島である。


あそこなら人も来ないし魔物もフェンリルのレオン達がやってくれたから安全も確保されているはず。



「では三日後の皆が休みの日に行くとしよう。

だが、今回はシリュウも店を空けられないとの事だから

料理は自分達でやるのだぞ」



その言葉に皆が戦慄する。


シリュウの手料理が食べられない。

それは一日の数少ない楽しみの一つであり、欠かせないもの。


それほどにシリュウの手料理は皆にとって当たり前の存在になっていた。



だが、今回の旅行はそれがない。

だから、皆は驚きを隠せずにいた。



「なぁに、我が行けぬのは初日のみ。 次の日は我も合流する故、お任せを」



その言葉に皆がホットする。

何せ旅行は三泊四日だ。

旅行代も無人島の為、無料。


更に、泊まる所も以前ゼノンが創造魔法で立派なコテージを建てた為、無料。


要は何泊でもいけるのだ。

海も近いし陸の生き物もいる。


森には果実や野菜も実っている。

泊まれるどころか住めるほどいい立地なのだ。




「よぉーっし! 皆三日後までに準備して張り切って行くわよ!」



メフィの掛け声で皆が歓喜をあげる。

子供達だけではなく大人達も楽しみにしているのだ。







三日後。

出発するのはゼノン、メフィ、ムム、トラリー、ソル、ルナ、リリア、シン、レイラ、フレイ、バリアン、ルシウス、エリシア、フィルル、エオメル、ファル、フィル、ソルナ、不死の王、レヴィアタンの20名だ。



門兵であるザックスや影のを行く者ガルムにエンレカ、執事長のハドソンは居残りをするとの事。


それら以外は全員が行く。




皆がそれぞれに荷物を抱え、ゼノンの転移魔法にて一気に転移する。




目の前に見えるのは白い砂浜。透き通るように美しい海。

そして、雲ひとつ無い快晴。



まさに、最高の場所だ。



「さぁみんな! まずはに荷物を家の中に置きに行くわよ」



もちろん指示するのはメフィ。


皆でコテージへと歩くと、皆の足が止まる。

そして、皆の口と目が開き呆然とする。



なぜなら、目の前に五個もの大きなコテージが並び立っていたのだから。


前回は一つだけだった。

ならば、何故あるのか。



理由は簡単。

ゼノンが前日の夜にここへやって来て、一気に作り上げたのだ。


ゼノンからすれば造作もない事で、言葉の通り一瞬で完成させたのだ。



「すごーい!!! 誰がどの家なの?」



ムムは興奮した様子でそう訊ねると、メフィは首を傾げる。



「そうね、、、全員で20人で家が五つあるから一つの家に4人ね。 適当でいいかしら?」



メフィの言葉に皆が頷く。





1.ゼノン、メフィ、ソル、ルナ


2.ムム、リリア、フレイ、レイラ、フィルル


3.トラリー、シン、バリアン、ルシウス、エオメル


4.エリシア、ファル、フィル、ソルナ


5.不死の王、レヴィアタンそれと---。





という部屋分けになった。

皆が望む形であり、ムムは珍しくゼノン達ではなくリリア達と寝るとのこと。


ムムなりの気遣いかもしれない。



家が決まると各自荷物を置きに行き、準備が出来次第海へと繰り出す。


もちろん、全員水着だ。



美男美女の集い。

もし、周りに人がいたならちょっとした騒動が起きていたかもしれない。


だが、あいにくとここは無人島である。





「えーーーい!!!」




ムムが海に向かって木の棒を投げる。


すると、ムムの後方より巨大な白銀の狼が。



物凄い跳躍力で跳び、その枝を咥えると一気に海の中へと潜る。



「ゼノンはん、だいぶあの子らも強くなったんちゃいます?

ワイかてうかうかしてると抜かれそうな勢いですわ」



レヴィアタンであるレビルがそう話す。


確かに初めて会った時とは比べ物にならない程力を蓄えている。

その内ゼノンにも傷の一つくらいは付けられるかもしれない。



それに、空を翔ぶフェニックスのイヴやミノタウルスのミノも。



ペット達も皆連れてきたのだ。

というより、彼等はここで日々鍛錬を積んでいる為普段となんら変わらない。



「ねぇねぇレビルさん! また上乗りたい!」



ムムはどうやら以前レヴィアタンに乗ったのを余程気に入った様子。

目をキラキラと輝かせながらせがんでいる。




「よっしゃあ! ほな変身するから気いつけやー!」



そういうとレビルは海へと深く潜っていく。


いつまでも上がってこない様子にムム達も不安な様子で見守っている。



「ふっ、あまり近付くなよ。 勢いよく飛び出してくるぞ」



ゼノンはレビルの悪戯を看破した様子で皆に警告する。



すると、、、




「ばっしゃあああんッ!!!」




勢いよく上へと翔ぶレビル。

その勢いは凄まじく、辺りに水を撒き散らす。



子供達は嬉しいようで大歓声を上げていた。




「どや?! ワイのスプラッシュは! 気持ちええやろ!」



こうして、レビルの水しぶきと同時に長い休みが始まるのであった。

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