初任務
先日は投稿ができず申し訳ありませんでした。
体調を崩してしまい数日寝込んでおりました。
書き溜めもしていなかった為、投稿が間に合わず申し訳ありません。
暑くなってきましたので皆様も体調にはお気をつけください。
「お呼びでしょうかゼノン様」
ゼノンの部屋に呼ばれたガルム。
そして、ゼノンの横にも見た顔がいた。
-ガルム-
レイラの父であり、元教皇の配下。
今はゼノンの配下となり諜報活動に励んでいる。
と言っても、今は大きな敵もいない為仕事も落ち着いて来ていた。
そこでゼノンはガルムに一つお願いをするのであった。
「急に呼び立ててすまなかった。 実はエンレカをお前と共に働かせてやって欲しい。 彼女は公では死んだ事となっている。 だから外では変装をするか、顔はフードで覆ってもらう。 幸い彼女も闇魔法に長けており近接も得意だ。
どうだろうか?」
これはエンレカからのお願いであった。
厚かましいお願いではあるが、家にずっと居ては腐ってしまう。
だから、少し外に出たいとのこと。
自分の立場もわかっており、申し訳なさそうにそう話すが
ゼノンも彼女の気持ちもわかる。
だから、こうしてエンレカの気持ちを汲んでガルムに頼んだのだ。
彼等の仕事も影の仕事。
それなら公に顔を出すこともない。
つまり裏の世界で働いているのだ。
「えぇ、もちろん構いませんよ。 エンレカさんはSランク。 こちらから願いたいくらいです」
「だそうだぞエンレカ」
ゼノンの隣に控えるエンレカは感極まっている。
余程、外に出たかったのだろう。
まぁ、彼女も冒険者であり凄腕だ。
そんな腕を家の中で燻らせるのも勿体ない話である。
「あ、ありがとうございます! ガルム殿の足を引っ張らぬよう精一杯頑張ります!」
「こちらこそよろしくお願いします」
二人は握手を交わし、早速ガルムと共にその場を後にした。
先日、エンレカ(偽物)の処刑は行われた。
国王の名のもとに執行されたのだ。
中には悲しむ人も多数おり、歓喜を上げているものは少数であった。
その少数が元教皇派の面々だろう。
ゼノンも直接見に行き、味方と敵を自分の目で見定めていた。
そして、刑が執行されると宰相が壇上へあがり、法の改変を皆に伝える。
奴隷を殺すのは禁止と。
もちろん故意に傷付けるのもだ。
もし、これを破れば誰であろうと罰を与えると。
その言葉にはいくつかの人間達が苦い顔をしていた。
ソイツらは今まで何人も奴隷を傷つけ殺していたのだろう。
だが、それももうこれまでだ。
法ができた以上貴族達も好きにはできない。
何より、誰も文句も言えなかった。
何せ、今では国王派の方が断然に多いのだから。
それでも教皇派の面々は軍事関連に精通している為、無闇に対立や敵対するのは避けなければならない。
教皇が死んだ今も、教皇派には手を焼くこととなってしまっているのだ。
だが、それでも国王と宰相のおかげで奴隷達も住みやすくはなるだろう。
ここまでが先日起きたことなのだが、その翌日、つまり今日だ。
事件は直ぐに起きた。
元教皇派の一人が奴隷を殺したのだ。
国王がその貴族に使者を送り、王城へ来るよう催促するも
病に伏せていると、断っているらしい。
ちなみに、奴隷殺しはその貴族の家を抜け出した奴隷から聞いたことである。
まだ証拠は掴んでいないが、早急に調べる必要があると。
そこで、ゼノンへと声がかかってくるのであった。
「ということで、その貴族の家を調べて頂きたいのです」
ゼノンの目の前には国王からの使いが来た。
「うむ。よかろう。 ちなみにそ奴は殺してもいいのか?
それとも生け捕りか?」
「生け捕りの方が有難いですが、厳しければ殺していいとの事。 ただ首は持って帰ってきてください」
使者の声に頷くゼノン。
使者が帰るとゼノンはすぐ様二人を呼びつける。
「早速仕事ですかな?」
先程別れたばかりのガルムとエンレカだ。
どうやら、エンレカも影魔法の様なものを使えるようで
ガルムと同じく影より出てきた。
つまり、影魔法の上位互換だ。
「さっきぶりであるな。 お前達に仕事だ。
それも国王からのな」
その言葉にエンレカは目を見開く。
国王直々の任務。
別に任務が怖い訳では無い。
それほど、ゼノンが国王と親密なのだと驚いていたのだ。
「師匠、ちなみに仕事内容はなんでしょうか?」
「うむ。 とある貴族の家に行き奴隷の死体を探してくれ。
早速法を破った愚か者が現れたようでな。
生け捕りが好ましいが、無理なら首だけを持ってこいとの事。 エンレカよ、行けるか?」
ゼノンの言葉に力強く頷くエンレカ。
むしろ、ワクワクしていた。
自分の大嫌いな悪い貴族を殺れる上に、ゼノンの役にたてる。
顔を見れば喜んでいるのは一目瞭然だ。
「はいッ!!! 任せてください! 必ずや任務を果たしましょう!」
こうして、二人はすぐ様貴族の家へと向かった。
結果的に、ガルムとエンレカは敵に気付かれることなく
奴隷の死体を地下で見つけた。
さらに、その貴族も生け捕りにする事ができ、捕獲することに成功する。
いきなり法を破った罪は重く、その貴族は鞭打ち50回と禁固刑1年が言い渡された。
奴隷を殺しただけで酷いと思う人間もいるかもしれないが、
こうすることにより次回の静止力とした。
ガルムの話ではエンレカ一人でもやれたそうで、期待大の新入りである。
一応、二人がいれば裏の仕事は任せられるだろうと思う。
あとは、ゼノンが自身の力を付けるため、レイラの作業を待つばかりであった。
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