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決行日

ゼノンはメフィと共に王城へと向かう。



その間赤ちゃん達はエリシアやファル親子が面倒を見てくれている。

もちろんライムも。



王城へと着くと、すぐ様通さ前日と同じ部屋へと案内される。

そこで、国王と宰相が来るのを待つのだ。



「ねぇ、ゼノン。 貴方ってこんなにも世話焼きな男だったのね。 貴方のその優しさは尊敬するわ」



改まってそう話すと、



「言われてみればそうかもしれぬな。 ムム達と出会い、メフィと出会い。 いや、その前からセレスやカルロス、そしてエンレカも助けていたな。 もしかすると私はずっと前から家族というものに飢えていたのかもしれぬ。

助けていたのも全て自分都合だったのかもしれん」



早いうちからゼノンは両親を失っていた。

だから、人を助けるのも魔族を助けるのも、自分のファミリーを広げるためだったのかもしれない。


全ては家族という名を手にしたかったのかもしれない。



「それでもいいじゃない。 例え、自分都合であっても相手が救われているのは事実なんだから。 それにこうして本当の家族も出来たわけだしね」



「うむ。そうだな。 今の私がいるのも両親のおかげだ」



ゼノンは感慨深そうにそう語ると、国王と宰相がやってきた。



「待たせたてすまなかった。 では、ゼノン殿、メフィーロ殿。 後は頼んだぞ。 エンレカの警備をしているものは私の

信頼する者にたのんである。 不安要素は一切ないのでな」



その言葉に安堵する二人。


こうして、二人はエンレカの待つ牢獄へと向かう。


地下へと降りるとそこはまさに監獄の様であった。

蜘蛛の巣がそこらかしこにあり、清掃もされていない。

なんなら、骨まで残っているくらいだ。



しばらく歩くと、そこには二人の兵士が。


ゼノン達にすぐ気付いたようで敬礼のポーズをとる。



「ゼノン様! メフィーロ様! お待ちしておりました!

エンレカ殿はこの中に居ます。 そして、私達二人は何も見ていませんのでごゆるりとどうぞ」



牢屋の鍵は兵士の手によって開かれる。


中には正座をしてこちらを見つめるエンレカの姿が。

ゼノンの顔を見てホッとしたのか安堵の表情を浮かべている。



「待たせたなエンレカ」



「いえ! 私なんかの為に申し訳ございません。

そして、メフィーロ様、初めまして。こんな姿での挨拶、申し訳ありません。 そして、ありがとうございます」



頭を下げるも、



「そんなかしこまらないでちょうだい。

貴女は何も間違った事をしてないんだから。

それじゃあ、早速やるわよ 精霊魔法よ、土は体を作り、水は血液を作り、火は熱を作り、風は匂いをつくり、光はその魂に命を宿す。完全模範パーフェクトスキル



メフィの詠唱が終わると、エンレカの隣にはなんともう一人のエンレカの姿が。


あまりの光景に目を見開くエンレカ。



「う、うそ。 こ、これは最早分身なんかじゃない。

完全に私がもう一人いる、、、有り得ない・・・・・・」



メフィの技術に放心状態のエンレカ。

こんな事をできる生物が他にいようか。

いや、絶対に居ない。


こんな事ができるのはゼノンかメフィくらいだろう。

それほどに、目の前にいる自分は完全な双子であった。



「あっ、でも、安心してね! 痛みはもちろん無いし、傷も直ぐに治るわ! だがら、この子が鞭打ちを喰らっても平然としていられるはずよ。 もちろん演技はしてもらうけどね!」



その言葉にも安堵する。

これで痛みがあるのなら、自分がやっても一緒だ。



「エンレカ、これを預かっていた。 頼むぞ」



ゼノンは国王より預かったエンレカの専用武器や衣装を渡す。



全てを装着すると、エンレカは何故かいきなりその場を飛ぶ。

そして、あろう事か自身の持つ短剣を木の天井目掛けて突き刺す。



そんな行動に驚く見張りの二人であったが、その答えはすぐに分かる。



天井より血が滴り落ちるのだ。

恐らく、ずっと隠れてこちらを探っていたのだろう。

それも教皇派の奴らが。



しかし、ゼノンとメフィも初めから気づいてはいた。

だが、逃げようとしてからでも十分に間に合う為、泳がせていたのだ。



「この光景を報告されては皆の立場が危うくなる。 そして、

良い反射速度であったぞエンレカ」



ゼノンに褒められると万遍の笑みを浮かべるエンレカ。



その時だった。

再びエンレカは天井を見上げると詠唱を始めた。



「相手は二人。 絶対に逃がさない! 闇の剣槍ダークネスソードランス



地面よりせりあがってきた真っ黒の剣と槍。


エンレカがその手を振るうと、その二本の武器は再び天井へと突き刺さった。


それと同時に二人の苦痛の雄叫びが地下に響く。

どうやら、二本とも当たったようだ。



「よくやった。 その二人で最後だ。 行くぞ二人とも」



ゼノンの言葉に頷く二人。

そして、そんな光景にただただ唖然とする二人の兵士。




無事に終了したことを国王と宰相に伝え、更に侵入者の件も伝える。

簡単に牢獄への侵入を許してしまったことで、宰相はより一層防備を固める。


下手をすれば牢獄にいるものを逃がされていたかもしれない。

早急に手配するのであった。



そして、エンレカの分身も、公衆の面前で鞭打ち50回をくらい

一定の者たちは喜びの歓喜を上げている。



だが、続けて話す宰相の新しい法には皆が絶句していた。

もちろん、穏健派の者たちは以前と変わらぬ生活を送れるが、奴隷の殺しを楽しんでいたものには凶報である。



何はともあれ、これでエンレカも無事に我が家で生活を送ることが出来るのであった。

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