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上の役目

「という事で、赤ちゃんが出来ました!」



家に帰るなり、全員を集めて報告をするメフィ。


その言葉に皆が驚愕する。

あのゼノンがやる事をしっかりとやっている事にだ。



「本当?! 妹? 弟?」



ムムはというと純粋であり、ただ純粋に赤ちゃんが居ることに喜んだ。


トラリーも同じだ。

メフィの傍により、微笑んでいる。



「んー、そこまではまだわからないけどムムとトラリーはどっちがいい?」



「どっちも欲しい!」


「僕もどちらでも構いません! でも、強いて言うなら妹はいるから弟も欲しいですね! 今度は僕が剣術を教えたいです!」



「そうね! あなた達の弟か妹が増えるわけだからお兄ちゃん、お姉ちゃんとして頼りにしてるわよ」



そんな微笑ましい会話を皆が暖かい目で見守る。


だが、そんな中リリアだけは驚きを隠せずにいた。



(あのゼノン様が、、、いえ、あのお父様が、、、はわわわッ///)



一人で顔を隠し、何やら慌てふためいていた。

リリアは恋愛に全く興味もなく、そういった性事情にも疎いため、話を聞いただけで恥ずかしくなっていたのだ。



「ゼノン様、奥方様、おめでとうございます。 必ずや、立派な

魔王になられることでしょう」



宰相であり、右腕のルシウスが祝辞の言葉を述べる。



「いや、継ぐか継がないかは子供が決めることだ。

無理してやらせる必要もあるまい。 それに、私はまだまだ

現役でやれるぞ?」



ゼノンの言葉に目を丸くする。

確かにそうだ。

ゼノンが死ぬところなど想像がつかない。


彼がいる限り魔界は一生安泰なのだから。



「それもそうですな。 愚問をお許しください」



頭を下げるもゼノンは制止する。

ルシウスは何よりも魔界の事を第一優先に考える。


それはいい事でもあり、悪いことでもある。


彼が魔界を統治してくれているから、今の魔界があるのだ。


だが、魔界のみを見すぎて他が少し見れなくなる傾向にあった。



「メフィの話によると産まれるのは三ヶ月後。 それまでメフィには安静にしてもらう故に皆の力を貸してくれ」



その言葉に頷く皆。

家族なのだから当たり前だと言わんばかりに。



そして、家族会議は終わり解散すると、何やらソルナが不敵な笑みを浮かべながらゼノンに寄ってくる。



「ベッドの使い心地はどうやった? もちろん防音も優れているから完璧やで! やる事はちゃんとやっとりますなー!」



揶揄う様にそう話すと、



「うむ。 最高の居心地の良さであった。 防音の性能も問題はない。 そういうソルナは相手はいないのか? お前もそこらの女性よりも美しいだろうに。 男の一人や二人、いてもおかしくはなかろうに」



ゼノンを揶揄い、羞恥心を煽ろうとするも全くのノーダメージであった。 むしろ、反撃を喰らってしまう。



「うっ、、、そ、そんなに面と向かって言わんといてや、、、

コッチが恥ずかしくなってもうたやん、、、」



そう言うとソルナは急ぎ足でその場を後にし、ゼノンはというと首を傾げている。



(ふむ。 よく分からぬが相手がいるのだろうか)





「ねぇねぇお母さん! 赤ちゃんの服とかオムツとか買いに行こうよ!」



驚くゼノンであったが、確かにそうだ。

普通ならはやすぎるかもしれないが、メフィの場合は三ヶ月後にうまれる。


つまり、全然早くはないのだ。



「そうね! ムムも付いてきてくれるの?」



「うん! だってムムはお姉ちゃんだからね!」



だいぶ気が早い。

だが、それ程に楽しみにしているのだろう。


新たな弟妹が出来れば、嫉妬から仲違いが起き、最悪の場合は殺害に発展すると言われていたがその心配はない。


今のムムを見ればわかる。

彼女は優しくいい姉になるだろうと。



「うん! ムムも行きたい!」



「それじゃあ、一緒に選びましょう! フレイとレイラ、リリアも一緒にどうかしら?」



「はい。 御一緒させて頂きます。 お母様に重い荷物を持たせる訳にはいきませんから」



「私も行きます! 赤ちゃんの服とかを揃えるのって、なんだか楽しいんですよね!」



「私も行くわ! もしかしたら、いつか必要になるかもしれないしね」



3人も同様に行くとの事で、女性陣は買い物へと旅たった。



「トラリー、お前は行かなくてよかったのか?」



残ったトラリーに話しかけるシン。



「はい。 僕はやりたい事があるので! シン兄さん! バリじぃ!

手伝ってもらってもいいですか?」



何やら企てている様子のトラリー。

恐らくは産まれてくる子の為に、なにかしようとしているのだろう。



「なんじゃなんじゃ? 何をする気じゃ?」



バリアンも気になるようで、トラリーの元へ近寄る。


そして、2人の耳元で囁くと、、、



「早い気もするがいいだろう。 そういう事なら俺の得意分野でもあるしな」


シンは了承すると、続けてバリアンも大笑いしながら協力してくれた。



3人はその部屋を後にしどこかへと向かう。


そうして取り残されるゼノン。

自分だけ取り残されてしまった。



何をする訳でもなく考えている。

すると、ルシウスがやって来た。



「ゼノン様、僭越ながら、我々も産まれてくるお子様に何かしてあげてはどうでしょうか?」



その言葉に頷く。

ゼノンもちょうど同じことを考えていたのだ、


だが、全く浮かばない。


そこでゼノンは残った皆に助言を貰うことにした。



「ハドソン、エリシア、フィルル、シリュウよ。 種族の代表として、何かアドバイスはないか?」



いくら、自分で考えても出てこない為、他力本願となってしまったが致し方あるまい。


こうして、皆で話し合っていると、更にレヴィアタンたる、レビルも近寄ってきた。



「な、なぁ、ゼノンはん、、、あのソルナって子、、、ワイに紹介してくれ!!!」



突然の言葉に唖然とする。

そして、皆が思う。


赤ちゃん関係ないじゃん!、、、と。

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