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因果応報

皆様、昨日はちゃんと誕生日プレゼントくれましたか?

昨日は焼き肉に行く予定が、子供が熱を出して結局普段と変わらぬ一日を過ごしました。

つまり、プレゼントは皆様からのポイントです!!!

私に清き一票を!!!

「はぁ、はぁ、はぁ、な、何故見つかった?! どういう追跡能力を使ったのだ?!」



教皇はリリア達が現れた瞬間からその場を逃げていた。

そう。転生者達を見捨てて。



貴重な戦力を手放すのは惜しいが、自分の命が大事。

自分が生きていればこれから何度でも再起できる。


そう思って必死に森を駆け抜けた。




「そんなに急いでどこへ行く。 お前はもう我が手中にいるぞ?」



目の前に突如現れたゼノン。



あの四人が居てゼノンが居ないはずがなかった。


教皇はゼノンを見つめ、ゆっくりと呼吸を整える。




「や、やはり、お前が『あの』魔王ゼノンなのだな? 人間の姿に変えてはいるがそうなのであろう? 魔族の癖に人間のフリをしおって!」



怒る教皇であったが、ゼノンはなんともいえない表情をしていた。



むしろ何故今まで気付かなかったのか。

どうやら人を見る目は無い様子。


力ある者なら、ゼノンを見て直ぐにあの魔王と勘づくはず。



「ん?」



そこでゼノンは今の教皇の言葉に違和感を感じた。


お前『が』と奴は言った。

ということは、、、


そう考えていると、突如教皇の胸から腕が貫通する。



貫通したその手には教皇の心臓が鷲掴みにされている。



「ぶしゃッ!!!」



教皇は何も発する事が出来ないまま、あまりにも呆気なくその命を絶たれたのだ。




「ルシウスか」




教皇の後ろに立っていたのは宰相であるルシウスであった。



「はい。 勝手な行動申し訳ありません。 そして、教皇をゼノン様の名前を騙り操っていた事も深く謝罪します。 いえ、死して償いましょう。 ですが、自分の犯した過ちは自分で処理したく

この様な勝手な事をさせて頂きました。 後は私の命を絶てば

終わりです」



ルシウスはその場に両膝を着き、頭を突き出した。


首を切ってもらえる体勢になったのだ。

覚悟は出来ている様子。


確かに、ルシウスのやった事は許されることでは無い。


教皇を操り、ゼノンの家族を危険に晒した。

そして、結果的には古代の龍たるシエンをも巻き込んでいる。


それこそ人間界全体を危険に晒したのだ。


それも私怨の為に。


ゼノンはそのままルシウスの元へと歩み寄る。



「ルシウス、共に来い」



ルシウスへ手を差し出すゼノン。

まさかの行動に唖然とする。



「私も魔族同士の戦争で両親を失った。 それをお前の状況に照らし合わせるなら、私も魔族を皆殺しにすれば良いのか?

違うだろ。 魔族も人間も、良い奴もいれば悪い奴もいる。

その種族で皆が悪と決めつけるな。 お前自身の目で見て、口で話して、耳で聞いて、相手を見定めろ。 もちろん人間に悪い人間もいた。 現に私も殺したしな。 だが、それ以上に良き人間に沢山出逢えたのだ。 だから、お前も自分の足で来い。 これがお前への『罰』だ」



ゼノンの言葉が終わると、ルシウスはその場に深々と頭を下げた。



「ゼノン様、、、この様な愚者に、、、。

わかりました。 ゼノン様、暫く厄介になってもよろしいでしょうか? 無論、人間に手を出す事は絶対にしません」



「あぁ、では行くぞルシウス」



ルシウスは片膝を着きゼノンの手をしっかりと握りしめた。






龍の住まう山---ロックドラグーン。


ゼノン、そしてルシウスや四魔将等は転生者をボロボロにした後、回復をし、両手を拘束してここへ連れてきた。


目の前には多数の龍と真ん中には長である古代の龍(エンシェントドラゴン)たるシエンの姿が。



転生者達はまだ幼龍しか見た事がなかった為、成体である彼等を見て震え上がっている。



何故ここに連れてこられたのか、、、恐らく察しはついているはずだ。


「お、おい! ま、まさか俺達を奴に渡す気じゃないだろうな?」



「いや! ウチ達は帰る場所があるの! や、やめて!!!」



覚えた様子で転生者達が泣き喚くが、今更である。



相手を殺していいのは殺される覚悟のある奴だけだ。

つまり、因果応報である。



現に、龍の中にいる二匹は鼻息を荒らげ今にも殺しそうな勢いであった。


恐らく、転生者達が殺した幼龍の両親なのだろう。



「ん? ガッハッハッ!!! あの二匹はお前達が殺した赤ん坊の親らしいぞ? じっくり殺されるんだな!」



ここでバリアンが更なる煽りをいれ、転生者達はより一層恐怖へと落とされていた。




そんな中、ゼノンはシエンの元へ歩み寄る。



「待たせたな。 この者たちは好きにしてもらって構わない。

だが、人間界に手を出すことはやめろ。いいな?」



白銀の龍の姿であったシエンは、人間へと変身する。



「わかっておる。 約束だからのう。 妾達は誇り高き龍の一族。 あの者たちの命で今回の件は白紙とする」



シエンは龍達の中でも知能が高く、融通の効く龍である。


ゼノンが指をクイッとやると、バリアンが拘束された四人を龍達の目の前へと運ぶ。



必死に抵抗するもバリアンの力の前では皆無であり、引き摺られながらも死へと向かう。



「な、なぁ? た、頼むよ、、、子供なんかまた作ればいいじゃねぇか? 人間と魔物の命を一緒にするなよ!!! 俺達は望んでここへ来たんじゃねぇんだよ! 俺達には親だって待ってるんだからよ! なぁ? 何とか言えよ!!!」



激昂する隼人。

それに続けと言わんばかりに他の三名も隼人に賛同して吠え散らかしている。



「ふむ。 お前達はこの世界に迷い込んだ異端児。 そして、龍達は前からここに何百年も住む者達。 確かに命の差はあるな。

我々からすれば、お前らは迷い込んだ羽虫程度にしか思わん。

龍の命の方が確かに重要であるのは間違いあるまい。

そして、お前達の両親の事は心配するな。 私が自ら行って

『子供なんかまた作ればいい』。そう伝えてこよう。

だから安心して逝くが良い」



ゼノンのその言葉に愕然とする四人。


最早何を言っても覆ることは無かった。



「では、貰い受けよう。 おい」



シエンが呼ぶと一匹の龍が四人の縄を爪で掴む。

どんどん奥の方へと行き転生者達の姿は見えなくなっていった。



そして、少しすると奥の方から断末魔が聞こえてくる。

まさに阿鼻叫喚の現場である。





だが、そんな事はものともせずゼノンとシエンは会話を続けていた。



「では、私はもう戻る。 シエン。 済まなかったな。 いつかお前も人間界に遊びに来るがいい。 その時は私が出迎えよう」



ゼノンの言葉に微笑むシエン。



「ふふっ、ならば近々行かせてもらおう。 人間界が良い場所というのはゼノン、お主を見ていればわかる。 そして、次は勝たせてもらうぞ」



シエンとまた再開の、そして、再戦の約束をすると五人と一つの屍は転移しその場を後にするのであった。



こうして、教皇が始めた悪行はゼノン達の手によって全て瓦解したのであった。

「面白いな、続きが読みたいなと思ったらブックマーク、高評価をお願いします。そして誤字脱字や意見などあったら是非コメントしてください。」

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