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恐逝(教育)

「きゃあッ!!!」



母親にのしかかる竜太。


両腕を抑えられ、剛腕である竜太の手を解くことはできなかった。


涙を舐められ、背筋に悪寒が走る。

片手で両方の腕を抑えられ、必死に閉じている脚を無理矢理開かれる。


せめてもの反抗であるが、竜太の前では皆無であった。



「おいおい、そんなに反抗的な態度をとっていいのかな?

お前の娘からヤッちまうぞ?」



耳元でそう囁かれた。

その瞬間、身体の力は抜け一気に脱力する。


自分はどうなってもいい。

娘が生きてさえいてくれればいい。


これを耐えれば解放される。

そう願って、身体の力を抜いたのだ。



そして、ニヤける竜太。

竜太の腰が母親の両脚の間に入る。


そして、またしても不敵な笑みを浮かべ囁いてきた。





「まっ、お前をやったらどっちにしろやるんだがな」





その言葉に戦慄が走る。



「いやああああッ!!! 嘘つき!!! 助けるって言ったじゃない!!! やめて!、、、娘だけはやめてッ!!!」



錯乱する母親。


それはそうだ。

最初の話と違うのだから。



このままでは娘がやられる。

適う筈がなくても必死に暴れた。



だが、それが間違いだった。



「バシンッ!!!」



突如右頬を鈍器で殴られたかのような衝撃が走る。


竜太にぶたれたのだ。



耳がキーンと鳴り、肌が焼けるように痛む。

その一撃で、反抗の意思は砕かれ一瞬にして恐怖へと変わった。



「うるせー女だな。 俺はうるせー奴が嫌いなんだよ!」



唾を撒き散らしながら怒鳴りつける竜太。


そして、後ろから隼人と美羽のカップルがやってきた。



「ねぇ、竜太? せっかくだから私達も手伝ってあげるよ!」



そう言って美羽はエルフの両腕を抑え、隼人は片方の脚を広げた。


露となるエルフの身体に竜太は、もう抑えが効かなくなっていた。



「てめぇら最高かよ! それじゃあ頂くぜ!」





そんな様子を離れたところで見ている教皇。


「ふっ、まだまだガキだな。 今は存分に楽しむがいい。 お前達の未来は変わらないのだからな」



教皇の見る未来。

転生者達を利用し、有力者達を皆殺しにする。


もちろんゼノン達や兄である国王も。


そして、王になったらこの四人は頃合を見て殺す。




だが、そんな未来がやって来ることは無かった。




竜太がズボンを下ろそうとしたその時、、、




「ぶへッ!!!」




突如、吹き飛ばされる竜太。

そして、エルフを抑えていた隼人と美羽も一緒に飛んで行った。



突然の事に驚く司であったが、気付いたらエルフの子供がその手から離れている。


辺りを見渡すと、一人の男がエルフの子供を抱いていた。




転生者達の目の前に、突如現れたのは四人の男女。



「もう大丈夫ですよ。 これを羽織っていてください」



フレイはエルフの母親に寄り添い、フードを被せその身体を隠した。


もう絶対に助からない。

そう思っていた母親は、フレイの優しさに安堵のあまり涙が溢れた。



「本当にクズね。 さて、誰が誰をやる?」



相手は四人、こちらも四人。

それなら一人は確実に相手をできる。



「あの、大柄はワシがやろう。 女性の扱いというものをおしえてやる」



「俺は誰でもいい」



「なら私はあの男にしようかしら」



「シンが女性を相手にするのは可哀想なので私がたの女性にしましょう」




結果、バリアンが竜太。 シンが隼人。 リリアが司。 そして、

フレイが美羽を相手にする事となった。




「皆さん、今回は殺してはいけない事になっているので、程々にですよ?」



フレイが改めて忠告する。

この四人は最古の龍であるシエンへと届けることになっているからだ。



皆が了承すると戦闘が始まる。




「ちっ!!! よくも邪魔しやがったなオッサン!!! 早くテメェをぶっ殺してあの女で遊ばねぇとな!!! だから死ねッ!!!」



バリアン目掛けて拳を突き出す。



「ガッ!!! いってぇッ!!! な、なんだよテメェの身体!

鉄じゃねぇか、、、クソがァ!」


何故か殴った方の竜太の拳が悲鳴を上げていた。

それは当然だ。


バリアンは何十年、何百年と鍛えていたのだから。



しかし、竜太は諦めずに今度はバリアンの顔面目掛けて拳をお見舞いする。




「バシンッ!!!!」




竜太の拳がバリアンの顔面を捉えることは無かった。

バリアンの大きな手によって止められたのだ。



「ふむふむ。 人間にしては中々力強いようじゃな。 だが、こんなに力まかせでしては、女性は悲しむぞ? どれ、こんなもんかのう」


そういうと、バリアンは受け止めていた手に力をいれ、竜太の拳を握り潰す。




「バキバキバキッ!!!」




「えっ?!」



バリアンの手から開かれたその手は、最早原型を留めていたなかった。


あまりにも突然の事であり、痛みが遅れてやってくる。



「ぎぃやあああぁぁぁッ!!! お、俺の手が! 俺の手がァァァッ!!!」


激痛と恐怖で錯乱する竜太。


竜太はバリアンを近付けまいと、蹴りをいれるも、その脚までもが握られ、そして、、、




「バキベキボキッ!!!!!」




膝から下がもぎ取られた。


そして、声にならない断末魔を上げる。

先程までの威勢は消え、涙と涎を垂らし、失禁していた。



「ぼ、ぼうやめで、、、い、い゛だ いッ」




その場で蹲る竜太。



「やれやれ。 もう二本無事ではないか。 因果応報じゃ。 残りも頂くぞ」



あまりにも冷たいバリアンの瞳に吸い込まれそうになる竜太。


そして、脂汗が止まらない。

バリアンは本気で残りも潰す気だと竜太は感じていた。



そして、その光景を他の三人も呆然と見ていることしか出来なかった。


恐らく目の前の三人もあの大男と同じ力を持っていると勘づいたからだ。



これから、残りの三人にも恐怖のショーが始まろうとしていたのだった。

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