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誤解に誤解を重ねる

新しく『戦場を舞う蝶』という小説を書いたのでよければそちらも読んでいただけると嬉しいです!



トラリーが部屋から出たのを確認して、シンはクローゼットの取手を開ける。



「危ないところだった、、、変な誤解をされてはたまらんからな」



シンはなんてことは無いと言った感じでそう話しているも、

ミネロヴァは一向に出てこなかった。


その場に崩れ落ち、息が乱れ汗を垂らしている。



「はぁ、はぁ、はぁ、、、」



酷く疲れた様子にシンはというと、



(ん? 口を抑えすぎたか?、、、んっ?)



ミネロヴァはスカートを履いていた為、シンの足に温もりを感じた。

恐らくミネロヴァも見つかる事に焦っていたようだと勘違いするシン。



「大丈夫か」



声を掛けても一向に返事がない。


流石におかしいと感じたシン。

ミネロヴァの元へ行き、膝を着きミネロヴァの肩に手を触れる。



「おい。大丈夫か」



しかし、ミネロヴァは急にビクビクッと身体を震わせる。

少し肩に手を置いただけでだ。



(怖い思いをさせてしまったのだろうか。 目も虚ろだな。

仕方あるまい)




「きゃッ!!!」




シンは突如ミネロヴァをお姫様抱っこする。


シンはミネロヴァが自身の手による呼吸困難でこうなったのだと思っていたが、ミネロヴァは違う。



純粋に『イキ』疲れたのだ。

初めての経験という事もあり、昇天しかけたのだ。


その為、休んでいたのだが突如お姫様抱っこをされ、あろう事かベッドへと連れて行かれている。



(う、うそ!!!? ま、まだ、心の準備が、、、私、よく知らないのに、、、)



一人で頬を赤くし恥ずかしさでどうにかなりそうなミネロヴァ。


そして、シンに優しくベッドへと下ろされる。

そのまま、シンはミネロヴァの頬にそっと手を触れ、



「いいか?」



いきなりの言葉に唾を飲み込む。

ミネロヴァは目を瞑り頷く。







(あれ? どうしたんだろう?)



不思議に思い恐る恐る目を開けるもそこにシンの姿はない。


そして、横を見ると座って何やら本を読んでいた。



(・・・・・・えっ? どういうこと?)



何故か放置プレイをさせられる。

シンの目的が読めずに困惑していた。



「ん? どうした? もう体調はいいか? すまなかったな。

俺が強く手を抑えすぎたようだ。 お前の意識は朦朧としていた。 申し訳なかったな」



シンの言葉で全てを理解する。

それと同時にとてつもない羞恥心が込み上げた。


全ては自分の勘違いだった。

いや、実際にやられたのは事実だから勘違いしても仕方がない。


現にシンのせいで下着が何やら冷たくなっていた。


色々考えてミネロヴァは恥ずかしくなり布団を目元まで覆う。

これ以上シンと顔を合わせるとどうにかなってしまいそうだった。



そんなおかしな様子のミネロヴァにシンも疑問を覚えていたが

元気を取り戻したところを見るとホッとする。




「とにかく、今はゆっくり寝ていろ」



そして、ミネロヴァはこうなる事の前を思い出す。



(そういえば、どうして私が出ていくのを止めたんだろう、、、興味無いならそのまま放置してればよかったのに。 また私が襲われてレイラさんに迷惑をかけるのが嫌だったからかな・・・・・・)



そんなことを考えながら目を閉じていると、いつの間にか眠ってしまった。






どのくらい寝たのだろうか。


寝ぼけた目をぱちくりさせながら起きると、隣ではシンが座って眠っていた。


ずっと隣にいてくれたのだろうか。

もう、シンが何を考えているのかわからない。


ミネロヴァは困惑するも、それ以上にシンへの好意が強くなっていた。



眠るシンの手を握るミネロヴァ。


シンは起きる気配もなく、そのまま握り続ける。

そして、ミネロヴァの心臓は高鳴っていた。




「ただいまー!!!」




突如聞こえる女性の声。


ミネロヴァは驚き思わず手を引く。


が、シンも握り返していた為、勢い余りシンごとベッドへと倒してしまったのだ。


覆い被さるシン。

非力なミネロヴァではどかす事が出来ない。


そして、シンはこう見えて眠りが深い為こんな事では起きなかった。



そして、悲運は続く。

部屋へと迫る足音。

誰かが近付いてくる。


このままではまずい状況を見られてしまう。


だが、何も出来ずにただただ焦るミネロヴァ。



そして、




「バタン!」



「ただいまシン! ちょっと聞きたいことがあるん・・・・・・だけど、、、」




終わった。

目の前にいるのはメフィ。


シンの母親である。



メフィは驚いた顔をした後に、


「あららー、、、お邪魔だったようね! ごゆっくり〜!」



ニヤけた顔でそう話すと扉を閉めてスキップ混じりでその場を後にした。




「・・・・・・ごめん、シンさん」



眠るシンに思わず謝るも、耳に入ることは無い。


やってしまった。

あろう事か一緒にベッドにいる所を母親に見られてしまった。



でも、このままこうしていたい。

ずっと温もりを感じていたい。

シンへの好意が次第に膨れ上がっていたのだ。



こうして、ミネロヴァはシンの手を握りそのまま目を閉じて眠りにつくのであった。






ゼノンの部屋にて



「ゼノン! 聞いて! 転生者よりも一大事よ! シンが! シンが女の子と寝ていたの!!!」



その言葉に目を見開くゼノン。


あのシンが女の子と?

流石にゼノンも驚きを隠せなかった。


まさかあのシンが色恋沙汰に興味があるとは。



「それは、、、まぁ、、、シンも年頃だからな、、、それよりも、転生者達だ。 転移を使うとなると早々に捕らえることは難しい。 そして、龍を殺していたのだから古代の龍(エンシェントドラゴン)も黙っていないだろう」



「それもそうね。 流石に私でも勝敗は五分五分かもしれないわ。

どうするの?」



「私が行くしかあるまい。 明日奴の元へ行ってくる。 転生者達の情報が入ったら直ぐに教えてくれ」



そう。ゼノン達がドラゴンの住まう地へ向かうも、既にその場からは消えていたのだ。


こうして、ゼノンは最後の三大恐慌の元へと向かうのであった。

「面白いな、続きが読みたいなと思ったらブックマーク、高評価をお願いします。そして誤字脱字や意見などあったら是非コメントしてください。」

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