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魔物の殺戮

「ここまで来れば安心だ。 よくぞやって来てくれたな勇者の者たちよ。 私はこの国の教皇をしているものだ。 お前達が居なければ私は死んでいただろう」



人里離れた場所の廃墟の様な場所で腰を落ち着かせる教皇と四人の異世界人。



「あぁ? 教皇なのか? ってか国が魔族に乗っ取られてるって事はその魔族を殺すしかないんだよな?」



リーダー格とも言えるその男。

周りと同じように如何にもヤンキーな見た目であり、女性の一人も完全なギャルであった。



「その通りだ。 ただ国王に至っては操られてはいない。

あやつは素で魔族を崇拝しているからな。 それよりも

お主達の名前を聞かせてはくれないか? スキルも教えてくれると助かる。 頭で念じれば見えるはずだ」




まだ自己紹介をしていなかった為、今後名前を呼び合う為にも聞いておくべきだった。



「俺は隼人だ。 スキルは『剣聖』と『瞬足』って書いてあんな」



「俺は竜太! スキルは『身体強化S』と『雷魔法』だな!」



「俺は司、『転移魔法』、『短剣術S』。」



「ウチわぁ、美羽って言うよ! 『支援魔法』『四大魔法』、とか書いてあるけど?」




四人の言葉を聞き驚愕する教皇。


この世界では一人につき一つのスキルが与えられる。

これは、この世界の決まりであり、全ての生き物に共通するのだ。




いや、教皇は知らないがムムも同じだ。


聖属性魔法を持ちながら、魔物に愛されし者を持っている。



つまり、それほど二つ持ちは皆無なのだ。

あのゼノンでさえ、強力とはいえ創造魔法一つだけなのだから。




「す、凄いぞお主達!!! 二つも魔法を持つもの等この世に居らぬ! お主達は人類の希望であり救世主だ! まずは魔物達を殺し、お主達の魔力を強化しなくてはなるまい。」




教皇の言葉を聞き満更でも無い様子の4人組。




リーダー格の隼人は、金髪にピアスをしており、如何にもヤンキーな見た目である。


そして、竜太は体格が良く

身長も185cmと大柄だ。腕っ節の強さにも自信がある様子。


司というものは、細身であり目付きが鋭く、隼人に似た雰囲気を持っている。


美羽はミニスカを履いた金髪ギャルだ。

顔もスタイルも良く、隼人の恋人らしい。




「ってかよー、強いのは分かったけど、元の世界に戻れんだろーな?」


隼人が不意に元の世界の話をする。


そして、それに賛同するかのように皆も続く。




だが、こうなる事は教皇も予測していた。


「大丈夫だ。 魔王を倒し、国を取り返せばお主達を帰還させる

国宝が手に入る。 そして、莫大な金銀財宝も授けよう」




先程までは、嫌々な顔をしていた四人であったが、金銀財宝という言葉を聞くとうってかわりニヤけが止まらなかった。



「マジ?! おい隼人! やってやろうぜ! なんたって俺達は最強なんだからよ!」



竜太がそう話すと、美羽も続けて、



「そうよ隼人! 向こうに戻ったら大金持ちよ! やるわよね?」




三人が隼人を見ると、もちろん笑っている。

つまりは、



「当たり前だろ! なんたって俺達は『勇者』様なんだからよ!」



四人の意思は固まり、教皇の手助けをすると言う意見で一致した。


だが、実際は帰す事など出来ない。

なぜならそんなモノ存在しないのだから。


つまり、国を取り返せば勇者は用済みとなる。

つまり殺す。


教皇は不敵な笑みを浮かべるのであった。

そして、この四人を従え教皇は人間界転覆を目論む。




「では早速訓練に行くぞ。 魔物を倒し、魔力値を上げるのだ。

そして、技術を上げるのだ」




四人は頷き、魔界との境界へと向かう。






「オラァッ!!!」


「死ねッ!!!」


「フッ!!!」


火の玉(ファイヤー)!」




四人は片っ端から魔物達を葬っていく。

ゴブリンやスライム、コボルト等、低ランクの魔物から腕を慣らして殺戮する。


そこら中に転がる魔物の死体。

そして、殺されたくないと逃げ惑う魔物達。




「逃がすかよ!!!」




隼人のスキルである瞬足。


目にも止まらぬ速さで逃げる魔物達の背中から剣を刺す。


何故かは分からないが四人にはそれぞれの手に最初から武器が持たされていた。



隼人は剣を、竜太は斧を、司は短剣、そして美羽は杖を。




あっという間に100体近くの魔物を倒すと、自分達でも分かるほどに魔力は上がっていた。




そして、魔物達の血の臭いに釣られてか、奥からオークがやってきた。


今までよりも高ランクの魔物。


だが、不思議と恐れることなく、むしろワクワクしていた。



「なぁ、アイツは俺にやらせろ。 どうやら新しい技を覚えたらしい」



隼人の頭の中に響いた声。

それはレベルアップにより、覚えた新技。




「死ね豚野郎、、、『聖なる剣撃(ホリーレイ)』!!!」



瞬足と剣聖による、多重攻撃。

この二つのスキルがあってこそ使える技。



オークの首は一瞬で切り落とされる。

隼人より、速く動けない限り避ける事は不可能であった。




「ヒューーー、やるなぁ隼人! んじゃあ次は俺な!」


「俺もやるぞ」


「ウチも見せてあげる!」



竜太が斧を構える。

その斧を雷が伝う。



戦斧の雷(トールサンダー)!!!」


鋭利な雷がオークへと突き刺さる。

断末魔を上げながら黒焦げとなり死んだ。



もう一体のオークはそれを見て怯えていた。

そして、そのオークの背後より突如現れる司。



暗殺転移(アサシネイト)


オークの首目掛けて短剣を突き刺す。

一撃の元に葬り去った。




そして最後の一体には、


火と水の混合魔法(デュオマジック)


同時魔法を繰り出す美羽。

水がオークの体を突き刺し、火がオークの体を包み込む。




あっという間に四体のオークを殺すことに成功した四人。



「俺達ならいける! このままどんどん殺していこうぜ!!!」



自分の力に酔いしれる四人は、更に奥へと進む。



「ふっふっふっ、いいぞいいぞ。 こいつらを上手く使えば必ずや王国は我が手に、、、」



不敵な笑みを浮かべる教皇。

前を進む四人と共に更なるレベル上げを目指すのであった。

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