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バリアンの鬼訓練

北門でザックス達が戦闘を繰り広げている頃、南門ではバリアンが門兵2人を伴い待ち構えていた。


ゼノンの話では、恐らく南門に敵が集中するはずとの事。




そして、目の前には20人近くの暗殺者の姿が。

暗殺者の総数が60人とするならば、各包囲に15名ずつが均等である。

しかし、コチラに20名居るところを見るとやはり後方に集中しているのが解る。


バリアン「流石はゼノン様だ! 才色兼備を兼ね揃えているからな! ガッハッハッ!!!」


上機嫌のバリアンに対して、敵の多さにビクビクしている

バリアンに従う2人の門兵。


暗殺者に命を狙われるなど、そうそうあることでは無い。

目元だけを覗かせたその姿に、2人の門兵はビクビクしっ放しであった。




バリアン「どうした2人とも! 心が高揚して昂っておるのか?

武者震いが止まらないでは無いか! ガッハッハッ!!!」


自分の都合のいい様に捉えるバリアン。


リュード「マイル、ここが一番のハズレくじだったかもしれないよ、、、」


マイル「そ、そうだねリュード・・・・・・あんなに沢山いるよ

死んじゃうのかな・・・・・・僕達」


門兵の中でも特に内気な2人は、相性がいいらしくよく2人で

いる事が多かった。


そして、そんな内気な2人ではあるのだが何故か異様にバリアンに好かれていた。

ありがた迷惑な事に。




バリアン「うむうむ。最近戦いはご無沙汰じゃったからな。

リュードとマイルはワシの打ち漏らしでもやっててくれぬか?

悪いがワシは好きに暴れさせてもらうぞ。血湧き肉躍るこの感覚

行くぞッ小童共ッ!!!」


バリアンは単身、暗殺者達へと突っ込んで行った。

2m以上ある巨体に鋼のような肉体。そして、鬼気迫るその顔。


暗殺者は殺しのプロではあるが、相手が悪かった。

脳内に轟く死へのカウントダウン。

その死の象徴が今まさに、目の前に突っ込んできているのだ。




「どごおおおんッ!!!」




バリアンが拳を振るっただけで空気が割れ、地が鳴く。

5人が一瞬にして戦闘不能となる。いや、絶命している。




そんな光景をリュードとマイルは離れたところから、眺めていた。

口を大きく開いたまま。


そして、そんな光景を見ていた2人はあることに気がつく。


リュード「ねぇ、マイル。僕思ったんだけどさ」

マイル「なんだいリュード。実は僕も思ったことがあるんだ」


そして、2人は口を揃えてある言葉を発する。




リュード・マイル「「バリアン様が一番やばくない?」」


そう。この場にいる中で一番危険なのは暗殺者ではない。

今も暗殺者の四肢をバラバラに引き裂いているバリアンである。


そして、良く考えれば暗殺者達を前にするよりもバリアンを前にしての訓練の方が地獄であった。


何せ、訓練でも下手をしたら死ぬ可能性もあるのだ。

それくらい、バリアンの訓練は過酷であった。

更に運が悪いことに、リュードとマイルはバリアンに好かれていた。


いや、内気な2人をバリアンは変えたかったのだ。

だから、こんなにも2人のことを気にかけてくれていたのだ。

鬼と思われようと、2人に守る力を与える為に。




リュードとマイルはしばらくバリアンの戦いを見ているうちに

またしても息があったかのように口を開く。


リュード「マイル、行こう!」

マイル「リュード、行こう!」


こうして実力はあるものの内気なせいで力を発揮できなかった2人は、バリアンの熱に感化され共に剣を持ち暗殺者目掛けて走り出した。


そんな様子を無双しながらもバリアンは横目で2人を見ている。


バリアン「ガッハッハッ。あの2人はやれば出来るのにどうも女々しくていかん。じゃが、ようやく男になれたようじゃな。さぁ!

ワシも力が漲ってきたぞ!!! この地を血に染めろッ!!!」


先程よりも元気なバリアンは嬉々として敵を葬り去っていく。


そして、リュードとマイルも同格レベルの相手に優勢を保っていた。

加えてバリアンの圧のおかげもあってか、リュードとマイルもそれぞれ2人ずつ暗殺者を倒すことに成功する。




残りは全てバリアンが原型も留めないくらいにめちゃくちゃにして

この戦いの幕を閉じだ。


リュードとマイルはその場に立ち尽くす。

目の前には暗殺者達の死体の山。


生まれて初めて人を殺めた2人であったが、恐怖はなくむしろ

落ち着いていた。

慣れたといえば聞こえは悪いが、本当に慣れてしまったのだ。


リュードとマイル、ふたりが立ち尽くして死体を眺めていると

バリアンが労いにやって来る。


バリアン「ガッハッハッ!!! なかなかの成果だったぞ!

ワシはお前達なら出来ると信じておった。実力はあるにも関わらずその内気な性格の為に本来の力が出せておらぬ。

だが、今回の戦いでひと皮もふた皮もめくれたようだな」


そう言って2人に対して優しい言葉をかけるも、何故か2人は反応しない。


バリアンは、不思議に思いながらも様子を眺めていると、


リュード「あはははは!!! バリアン様! 人殺しって最高ですね!」


マイル「ほんとほんと! 自分の方が強いアピール出しときながら結局殺られるんだもんね! ほんと滑稽だよ!!!」




バリアンは唖然とする。

先程とは正反対の2人の様子にただただ唖然としていた。


バリアン「うん? まぁ勝ったし殻を向けたのなら良しとするかのう。あとは変えてしまった張本としてしっかり手綱を握らなければなるまいな」




こうして北の門と共に、南の門も制圧する事が出来たのであった。

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