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門兵の過小評価

北の門に控えるのはフレイ。

正門であり、街道に面している為正面から来る敵は少ないと思われる。


そして反対である南の門にはバリアンが待ち構えている。

一通りのない裏が一番狙いどころだ。


そして東の方にはシンが、西の方にはリリアが居た。


北南の門は開かれており、いつでもウェルカム状態だ。

四魔将達はそれぞれが敷地内に布陣していた。


そして、四魔将それぞれがザックス含む門兵を2名ずつ引き連れている。


門兵達には荷が重いと思われるかもしれないがザックス

含め門兵も、シンやバリアンに鍛えられている為Bランク級以上の力を持っている。


ザックスに至ってはAランク級だった。


つまり数では劣るものの、質では圧倒的にゼノン達が有利であると思われた。





夜が更けて、皆が寝静まっている頃、北門を守るフレイの目の前に黒い衣装を着て目元以外を隠した暗殺集団がやってきた。


ザックス「フレイ様、敵の数は10名です。やはり、正門は少ないですね」


皆の予想通り、正門はやはり少なかった。

ガルムの偵察によって敵の数は60名と判明している。


正門に10名という事は、残りの50名は他のところである。


フレイ「そうですね。ザックスさんと貴方も前に出過ぎないようにしてください。敵が門を潜ったなら、まずは私が先制攻撃を行います。どうか、怪我はなさらぬように」


そう話すフレイにザックスともう1人の兵士は返事をする。





そして門を潜り敷地内へと入ってくる暗殺者達。

二度と生きて出れないとはつゆ知らず。


「まさか出迎えてくれるとはな。逃げていれば今日は死なずに済んだものを」


「遅かれ早かれの問題だろう。我等から逃げられる者などいないのだから」


「しかし、油断するなよ。以前アビスヘルムの奴等が何十人も返り討ちにあったのだからな」


「あれは幹部連中がサボって下っ端共に行かせたからだろ?」


「あの女如きに我々が殺られるとも思えんしな」


「無駄口はそれくらいにしておけ。早々に片付けて切り上げる。

行くぞ」


その言葉を皮切りにフレイ達の元へと突っ込む暗殺者達。





フレイ「相手の力量差も分からないとは愚かですね。そう思いませんかザックスさん」


フレイは冷たい目、そして冷たいさっきを僅かに放ちながらザックスへと問いかける。

突然声をかけてきたフレイに肩を震わすザックス。


何せ、敵よりもフレイの方が怖いのだ。


ザックス「そ、その通りです! フレイ様、まずは私達で様子を見てきてもよろしいでしょうか?」


早くこの場を後にしたいザックスがフレイに催促する。

ザックスはフレイの隣にいるだけで冷や汗が止まらないのだ。


ならば、暗殺者の元へ向かった方がまだマシだ。そう思えた。


フレイ「えぇ、ですが相手もなかなかの手練のようです。油断なさらぬように」


フレイからの了承を得たザックスは、もう1人の仲間である

ソリアと共に暗殺者目掛けて詰め寄る。


ザックス「ソリア! 油断するなよ! 敵は恐らく私達よりも手練だ!」


ソリア「了解です!ザックス隊長!」


迫り来る2人に暗殺者達は余裕の声色で、

「向こうから来てくれるとはな。これで数秒短縮できるぞ」


「俺達でまずはあの2人を血祭りにあげてやるとしよう」



そうして、ザックスとソリアは剣を手に持ち、先頭にいる2人の暗殺者と交差する。




「ザシュッ!!!」




暗殺者達は目の前の光景にただただ唖然とする。

仲間2人の首が切り落とされたのだ。

そこに立っているのは首のない2つの遺体。


格下相手と油断していたのもあるが、それにしたってこんなに呆気なくやられる程自分達は弱くない。

暗殺者達の頭は大混乱である。




そして、暗殺者2人を倒した当の2人も、、、


ザックス「ん? 暗殺者にしては動きが遅いな・・・・・・そうか、わかったぞ。コチラに居る暗殺者達は我等の足止めに過ぎないのだな。人数が少ないのがそれを物語っている。つまり、精鋭をほかの所へ配置したのだな」


見当違いも甚だしい見解であった。

ここに居る暗殺者達は皆が精鋭でありBランク級の実力を持っている。

だが、単純にザックス達の方が強かったのだ。

久しぶりの対人戦という事もあり、そしてシン達に訓練をしてもらってから初めての戦闘という事もあり、感覚が麻痺しているのだ。


つまり、自分の力を過小評価しているのだ。


そんなザックスのおかしな見解にソリアは答える。


ソリア「・・・・・・なるほど。流石はザックス隊長! ですが、隊長はまだしも、自分はギリギリ勝つのがやっとの様です。

足止め程度の相手に不甲斐ないです」


そう言って落ち込むソリア。


ザックス「気にするなソリア! またシン様達に訓練を付けてもらおう! 俺達はまだまだ強くなれるはずだ! そして、目の前には

訓練相手があと8人もいるではないか! 実力の拮抗した相手と戦うのは訓練よりも身に付く事が多いはず! 行くぞソリア!」


そう話すとソリアは元気を取り戻し、ザックスと共に新たな敵を求め突っ込んで行った。


2対8と、人数差もあり直ぐには決着はつかなかったものの

徐々に暗殺者達の数を減らしていくことに成功していた。





そして、それを遠目に見ていたフレイにはわかる。


フレイ「貴方達が強くなりすぎたんですよ。でも、この事はまだ

黙っておきましょう。彼等の成長が楽しみですね」


フレイは一人そう呟くと、事実は伝えないまま心の奥底に眠らせた。




結局フレイの出番は無く、ザックスとソリア。

門兵のみで、暗殺部隊を殲滅したのであった。

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