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教皇の魔の手

とある日の夜。

ゼノンが自身の部屋で仕事をしているとガルムが部屋へとやって来た。


週に1度、ガルムの生存確認も込めての定期連絡だ。


ガルム「ゼノン様、教皇が動き出しました。どうやら、ゼノン様が公爵家を正式に名乗った事を知ったようです。国王派と

思われた為かゼノン様の首を狙っている模様。

教皇派の暗殺部隊が準備を始めています」




ガルムには教皇の動向を調べさせていた。

前からオルレア家を狙っていた事は知っている。

後はいつ動くかだけだ。


そして、とうとう動きだした。


ゼノン「そうか。相手の力量も考えずに行動するとは愚かだな。いつ、そして何人が来るかは検討はついているか?」


ガルム「はっ、敵の襲来は雷の日の夜、人数は30名程かと」


雷の日、つまり三日後であった。

数は30人とかなりの量になる。


そこでガルムは1つ気になっていたことを話す。


ガルム「あの、ゼノン様。お子様達は避難させた方が良いのでは? もしくはコチラから攻める手もあると思いますが」


そう。奴等が家に来るとするならトラリーやムム達にも危険が及ぶ。

それならこちらから攻めた方が安全ではある。


ゼノン「うむ。子供達の事は既に考えてある。そして、コチラから攻めるのは得策では無い。教皇は悪知恵が働くという。

何の証拠もなしに、コチラから攻めれば足元をすくわれるやもしれぬ。それに向こうから攻めてくれれば、コチラから攻める口実もつくれるしな」


そう話すゼノンの言葉にガルムは納得する。


ガルム「なるほど。既に考えておられましたか。余計な事を申し訳ありませんでした」


頭を下げるガルム。

しかし、心配するのも当然である。

何せ、ガルムの娘のレイラも居るのだから。


レイラは聖魔法は優れているが近接は苦手である。

暗殺者が来るのだから近接戦は避けられない。


つまりレイラにも命の危険が迫るのだ。

そして、ガルムの気持ちをゼノンは理解していた。

同じ父親として。


ゼノン「何も心配するな。レイラも含めて安全な場所へ避難させる。最悪の事は起きないと誓おう」


ゼノンの言葉の重みがわかる。

ゼノンが起こらないと言えばそうなんだろうと納得するほどに。

それほど、ゼノンには絶大な力があるのだ。


ガルム「願わくば、私もこの戦いに参戦してもよろしいでしょうか?」


突然の参戦の申し出。

しかし、それもゼノンは勘づいていた。


ゼノン「構わぬ。お前が近くに入れば何かと都合も良さそうだしな。頼りにしているぞガルム」


ガルム「はっ! ではもう少し細かく調べてまいります!

3日後の夜にまた参りまする!では」


そう話すとガルムは再び影へと潜る。





ゼノンはメフィを部屋に呼び、事の経緯を話す。

メフィには子供達と共に、以前住んでいた洞窟へと戻ってもらう。

建前上は、久しぶりに洞窟で泊まるということで。


ムムならフィルルにも久しぶりに会えるから嬉しいはず。

そして、洞窟に行くのは、メフィ、トラリー、ムム、レイラだ。万が一の護衛役としてシリュウやレビル等、レオン達も共に行く。

あとは使用人達にも行ってもらう。


向こうには不死の王もいる為、万が一等起こりえないだろうが念の為だ。




そして、この家で迎え撃つのがゼノンを筆頭にシン、リリア

バリアン、フレイ、ガルムだ。


予想外だったのが、執事長であるハドソンが残るとの事。

この家の全てを任されている為、輩を家に入れるのが許せないらしい。

そして、ゼノンの身の世話をするためでもある。


ハドソンならガルムともいい勝負が出来た為、ゼノンは許す。


こうして、ゼノン達も雷の日に向けてそなえるのであった。





3日後。

予め練っていたように、メフィは洞窟組と共に洞窟へと向かう。

もちろんゼノンの転移でだ。


子供達には、襲撃の事は知らせない。

変に怖がらせては可哀想だからだ。


ゼノン達は魔界の仕事があるから明日合流すると伝えてある。




ゼノン「ではメフィ、頼んだぞ」


ゼノンの言葉に頷くメフィ。

もちろん笑顔で答える。


子供達に勘づかれないようにだ。

ここで深刻な顔をしては気付かれてしまう。


現にムムはフィルルに会えることを喜んでいる。

トラリーも久しぶりの洞窟だとウキウキしていた。


こうして、メフィ一行は洞窟へと向かったのだった。




居間に集まるゼノン達。


ゼノン「すまない皆。私一人でも十分なのだがな」


元々はゼノンが一人で対処する予定であった。

しかし、メフィが許さなかった。

家は広いし、敵の数も増えるかもしれないと。


そうなれば家が荒らされてしまうかもしれない。

それなら守りの数を増やし、外で対処すればいいとの事。


もちろん、門兵であるザックス達にも知らせてある。

ザックスも含めて8人の兵士。


東西南北に2人ずつ配置し、シン、リリア、バリアン、フレイがそれぞれの方角に配置される。


ゼノンとハドソン、ガルムは家の中で待機だ。




ハドソン「皆配置に着きましたゼノン様」


ゼノンに報告するハドソン。


ゼノン「うむ。どうやら敵の数は60名程。

お前の言ったように増えたようだなガルム」


そう。当初は30名程だと思われていたが、教皇は前回、学校の親善試合で返り討ちにされた事によって警戒しているようだ。


教皇も馬鹿では無いらしい。


ガルム「はっ、家の中に来たものは私におまかせを」


2本の短刀を脇に差し、真っ黒の衣装に身を包むガルム。

その姿はまさに暗殺者である。


ゼノン「うむ。敵が来たな」


ゼノンは常に探知魔法を使用していた。

そして、探知に敵が引っかかる。


四方より攻めてきている教皇の暗殺部隊。

対してコチラはゼノンの頼りになる四魔将の面々。




こうして、ゼノン対教皇の戦いが始まるのであった。

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