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謁見

後日。

子供達は学校へと向かい、大人達もそれぞれ仕事に向かう。


ゼノンとメフィはそれぞれ正装へと着替える。

ゼノンはハドソンに。メフィはファルに仕立ててもらう。


何故ならば、今日はレヴィアタンの件で国王自ら報酬を与えられるのだ。


国王自ら冒険者に褒美を取らせることなど、過去を見ても類はない。

あの事件はそれ程、国王からも重要視されていたのだ。




国王に会うともなると、流石に普段着でいくのは失礼との事で

ハドソン達に用意してもらっていた正装に着替えたのだ。


少しすると部屋へとザックスが入ってきた。


ザックス「失礼します! 国王より、迎えの馬車がまいりました! 正門に停めてあります」


準備の終わった二人は正門へと向かう。


すると、貴族の様な人物ともう1人女性が立っていた。


ゼノン「ん? カリファも来たのか」


そう。冒険者ギルドブロンのギルマスであるカリファだ。

彼女が国王より言い渡され、一緒に赴いた為当然と言えば当然だ。


カリファ「お久しぶりですゼノンさん、メフィーロさん。

お迎えに上がりました。こちらは内務局局長のスミス局長です」


スミス局長「お初にかかります。ゼノン殿。メフィーロ殿。

早速で申し訳ないのですが早速馬車へお乗り下さい。

国王がお待ちです」


スミスと言われるものは優男の様で、ごく普通の中年男性であった。

しかし、髭が立派に揃えられており服も高価な物であり、

高貴な者だとすぐにわかる。


何より、一つ一つの動作が礼儀正しい。

そして、口調もゼノン達が冒険者でありながら卑下すること無く尊敬の念を持って接してくれている。

それだけでも、スミスへの評価は高い。


二人はスミスとカリファに続き馬車へと乗る。


馬車も立派であり流石は国王直下の馬車である。




馬車の中ではスミスが国王への謁見の心得を教えてくれる。


スミス「国王陛下の間に着いたならば、まずは膝を着き頭を下げます。そして、国王の言葉が発せられたなら頭を上げます。こちらから口を開いてはなりません。

褒美を貰ったなら『謹んでお受けします』そう一言伝えてください。これで以上になりますが、何かご不明な点は御座いますか?」


ゼノンもメフィももっと難しいものだと思っていたが、意外とやる事は少なく肩透かしを食らった感じであった。


ゼノン「うむ。何も無い」


メフィ「えぇ、とてもわかりやすい説明ありがとうスミスさん」


カリファは隣でヒヤヒヤしていた。

何せ、この二人は以前も偉い人にも平気でタメ口を使うのだ。

そして、今回も目の前にいるのは内務局局長であるにも関わらずタメ口である。


スミスが怒るのでは無いかとずっと顔色を伺っていた。


しかし、それも杞憂だった様でスミスは何も気にすることなく話は終わった。




そんなこんなで馬車は城へと着く。


王城の中へは親衛隊と共に進んで行く。

そして、いくつかの門には魔法が施されていた。

変装解除。そして、敵対者を通さない断絶魔法だ。


王城なだけあって厳重に守られている。


しかし、その魔法もゼノンとメフィには全くの無意味だ。

魔力の差があり過ぎるからだ。




ゼノン達は王の待つ扉の前へと立つ。

すると、扉の前にいる兵士が扉の中に向かって大きく伝える。


兵士「ゼノン殿、メフィ殿、カリファ殿が到着致しました!」


内側より扉が開かれ、スミスを先頭に三人が入る。




国王の横には二人が椅子に腰掛けている。

隣は王妃であり、隣が王子であろう。

そして、王の前には左右に重鎮達が並んでいる。


ゼノン、メフィは平気な顔をしているが、カリファはこの重圧に

押し潰されそうであった。




王の前に立つとスミスに続き三人は片膝を着き、国王の前に頭を垂れる。


国王陛下「ご苦労だスミス。そして、よくぞ来来てくれたゼノンにメフィーロ、そしてカリファ」


国王の言葉にスミスは顔を上げ、ゼノン達も顔を上げる。


国王陛下「聞けば人間界壊滅の危機に瀕していたそうではないか。それを防いでくれたお前達には多大な報酬を持って恩を返す事とさせてもらう。本当にご苦労であった」


その言葉を聞き、ゼノン達三人は声を揃える。


ゼノン・メフィ・カリファ「謹んでお受け致します」


国王「では下がって良い」


その言葉で三人は退室をする。


部屋を出ると何やら、賓客室へと向かわされた。

恐らく、ここで今回の報酬を貰うのだろう。


ゼノン達三人はその部屋でようやく一息つく。


するとカリファが


カリファ「フーーー! やっと落ち着けます。本当に緊張しました」


どっと疲れが来たのかカリファは、ソファーに項垂れた。

しかし、やはりゼノンとメフィも何ともなかったようでそんな

カリファの姿を不思議そうに見ていた。


メフィ「一言しか話してないのに緊張しすぎよカリファは!

それより報酬が楽しみね!」


カリファ「二人が緊張しなさ過ぎなんですよ!!! 言っておきますが私の反応が当たり前なんですからね!二人が異常なんです!

恐らく、お二人の報酬はかなりの物になると思いますよ!」


人間界の危機を救ったともなれば報酬は莫大な量になるのは必然だ。

しかし、金も名誉もそこまで興味のないゼノンとメフィには

あまりピンと来ていないのが事実だ。


しばらくするとノック音と共に人が入ってきた。


座っていた三人は、いや特にカリファは驚愕する事になる。




何せ、入って来たのは国王陛下だったのだから。

これにはゼノンとメフィも多少なり驚くのであった。

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