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オルレア家の守り人

翌朝、天気は良く海は太陽の光を浴びてキラキラと輝いている。


朝食は家の中ではなく、外で食べる事にした。

海を目の前に見ながら食べる朝食は最高だ。


ご飯を済ませると皆でまた海で遊ぶ。

レビルがレヴィアタンへと変わり、子供達を乗せ遊泳を楽しむ。


レヴィアタンは海の覇者である為、襲ってくるものは誰もいない。

そのため、世界一安心安全な乗り物なのだ。


子供達は大いに喜び騒いでいた。


二日目は魔物達が近付く事もなく平和に終わった。

それもそのはず。全てゼノンが倒したのだから。


中心地で暴威を振るう強者達が皆死んだおかげで、この島の

魔物達は以前と同じくそれぞれのテリトリーへと帰ることが出来たのだ。


しかし、この島の事態が人間に知られることは無い為、今後も

ゼノン達の別荘となるのであった。


楽しい休みもあっという間に終わりゼノン達は転移で家へと帰る。

今回は十分に満足したのかムムも駄々を捏ねることなく

お利口に帰ってくれた。




ゼノン達が家に戻ると執事長であるハドソンが何やら早足で

ゼノンの元へとやってきた。


ハドソン「お帰りなさいませご主人様。帰ってきて早々で申し訳ないのですが、ゼノン様のお耳に入れたき要件があります」


帰ってきてすぐという事は余程の事態が起きたのだとゼノンも

理解する。


ハドソンを伴い、部屋へと入る。

ゼノンの部屋は防音が完璧に施されており、声が外部に漏れることは万に一つない。


ゼノンが椅子に腰掛けるとハドソンが口を開く。




ハドソン「実は、この家に侵入者が現れたのです。

それも、門番のザックス達の目を掻い潜ってです。」


ゼノンはその言葉に驚く。

ザックス達は人間ではあるが、日々シンやバリアンに訓練を施されているお陰で今では人間界屈指の実力を持っている。

そのザックスの目を掻い潜り、この屋敷に侵入するとなると

S級ランクの実力者でなければ不可能だ。


しかし、ハドソン達が無事で居ると言う事はそういう事なんだと同時に理解する。


ゼノン「その侵入者は、何者だった? そして、ソイツはどこに居る?」


ハドソン「ゼノン様の耳と申しておりました。最初は何者か分からなかった為、問答無用で戦いをしてしまいましたが、相手に殺意が無かった為、話し合いで解決しました。

ゼノン様の客人でしょうか? 今夜出直すとの事です」


ゼノンの耳。

それはつまり、元アビスヘルムの幹部でありレイラの父である

ガルムであろう。


恐らく何かしらの情報を入手した為、やって来たのだと思われる。

週に一度、生存確認も込めてゼノンの元へ訪れる約束をしている。

だが、先日はその定時連絡の日では無い。

つまり、何か進展があったということだ。


ガルムならザックスの目を掻い潜るのも頷ける。

何故ならば、影魔法の使い手なのだから。


しかし、驚くべき事はハドソンである。

ゼノンから見てもハドソンが老練というのは一目見て分かった。

だが、まさかガルムと互角に戦えるとは思わなかった。


ゼノン「うむ。その者は確かに私の耳だ。この屋敷を管理するお前には伝えておくべきだったな。許せ」


ハドソンは頭を下げる。


ハドソン「お辞めくだされゼノン様。私の方こそゼノン様の客人にとんだ失礼をしてしまいました。平にご容赦を」


ゼノン「それは構わぬ。だが、ガルムと互角に渡り合うとは

やはりお前の力も相当なもののようだなハドソン」


ハドソン「いえいえ。恐らくその方も、私がゼノン様の配下と知っていた為、加減してくれていた様です。もし、あの方が本気で来れば私も無事ではなかったでしょう」


そう話すハドソンであったが、ゼノンは思う。

それは恐らくハドソンも同じであろうと。


突然の侵入者とは言え、殺意もなくゼノンの耳と言われれば

本気で相手にする事は出来ないだろう。

つまり、ハドソンも手加減していたと思われる。


ハドソンの力を上方修正する必要がある。


ゼノン「今後も奴は我が家へ来ると思うがこの事は他言無用で頼むぞ。奴の存在を知る者は、私とお前だけだ」


ハドソン「かしこまりました。墓場まで持っていくとします。

では失礼致しました」


ハドソンは一礼すると部屋を出た。


そして、ゼノンは一先ず夜まで待つ事とする。






夜になり皆が食を済ませるとゼノンは部屋へと戻る。

部屋に入ると椅子に腰をかける。


ゼノン「なにか進展があったのかガルム」




そう話すと突如、ゼノンの背後に膝を着き現れるガルム。

ちょうどガルムがやって来るのが分かった為、ゼノンは部屋へと戻ったのだ。


ガルム「はっ。教皇がまたしても暗殺部隊を編成しております。

そして、狙いは恐らくこの屋敷です。まだ編成中である為、決行日はひと月先だと思われますがご注意ください。と言ってもゼノン様ならこんな報告意味もないでしょうがね」


ゼノンの力を知るガルムはわかる。


この教皇の作戦は全くの無意味だと。

何故ならばここに住む者たちは最強クラスの者たちだ。


ガルムは無意味と思ったらしいがゼノンはそうでは無かった。


ゼノン「いや、良くぞ知らせてくれた。私一人ならまだしも

子供達の居るこの屋敷で血を流す訳にはいかぬ。

引き続き監視を頼む。だか、自分の命を何よりも優先にしろ。

いいな?」


ゼノンの言葉にガルムは笑う。


ガルム「暗殺者である私に命を優先にしろだなんて。本当に貴方様は優しい御方だ。だから、レイラの事も安心してるんですがね。

お任せ下さい。では失礼」




そう話すとガルムは再び陰へと潜った。


ゼノン「恐らく私とメフィ、そしてシンとリリアが目的であろう。

明日は人間の王と謁見がある。王と対立している教皇が、私が国王派に入る前に消そうという魂胆だな。まぁいい。今は叶わぬ夢を見ているがいい」




そう一人呟くとゼノンはその部屋を後にしてみんなの元へと戻った。

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