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ゼノンの力の片鱗

ゼノンがトラリー達に手を出した魔族を倒しに行く前。


ゼノンが出発しようとするとフレイがゼノンの元へやってきた。


フレイ「お父様、1つお耳に入れたいことが。私が倒したヘルコングなのですが、力はSSランク級だと思われます。

それなのに魔物の多い内側ではなく、外側に居ました。

恐らく、この島の中心部にはヘルコングを遥かに凌駕する

魔物達が住んでいると思われます。お父様には必要の無い

言葉だとは思いますが、どうかお気を付けて」


ゼノンからすれば大したことでは無いかも知れないが、念の為に伝えておく事にした。


ゼノン「うむ。すぐに帰る故に弟妹達の事は頼んだぞフレイ」


フレイ「はい!」


そういうとゼノンは一気に消えてしまった。

自分の見た事のない場所へは転移できない筈だから、純粋に

脚力で消えたかのように見えたのだろう。


フレイやシンもお供をする事を伝えたが小さな弟妹達と遊んでやってくれと言われた為、今回はゼノンのみで行くのだ。






そして、今ゼノンの目の前に立ちはだかる30体ものSSランク級の魔物達。

その後ろに控えるのは人型の魔物。いや魔族。


ゼノン「ふむ。吸血鬼族か。リリアの親族か何かか?

そして、ここらの魔物はSSランク級以上ありそうだな。

ヘルコングが外にいたのも頷ける」


そう。中心地帯にいるこの30体の魔物の力はSSランク級どころでは無い。

四魔将でも倒せる事は倒せるが30体ともなると時間が掛かるだろう。


ゼノン「うむ。子供達を待たせる訳にもいかぬ。早々に死んでもらおう。揺炎の地獄(ヘル・フレア)


ゼノンよ手から吹き出す炎は、燃やす為の炎ではない。

骨や灰すら残さない地獄の炎だ。


一瞬にして10体もの魔物が跡形もなく消え去る。

その光景には後方に控えている魔族も驚きをかくせていない状態であった。

そして、残る魔物達も遠距離は分が悪いと感じたのかすぐ様

ゼノンへと駆ける。


この選択は正解であり、間違いであった。

たしかにゼノンは近接よりも魔法を得意とする為、近接の方が勝つ確率は高い。


だが、それは同じレベルの相手の場合だ。

近づかなければ先に死んだ魔物たち同様、痛みを感じずに死ぬことが出来たのだから。


ゼノン「丁度いい。フィルルから貰ったこの剣を使うとしよう。」


ゼノンが手に持つのは、エルダードワーフであるフィルルが打ってくれた魔剣 覇黒 である。


日本刀の様なその形は、真っ黒にそめられていた。

使う機会が無かった為、ずっとしまっておいたがとうとう使う時がきた。


一体の手が鎌の様な形の魔物がゼノン目掛けてその鎌を振り下ろす。

風が切れる音がし、その衝撃だけで周りの木々は切り裂かれていた。




「ガキンッ!!!」




ゼノンは難なくその攻撃を防ぐ。

そして、覇黒の耐久度の高さに驚いた。


ゼノン「細身であるが故に耐久度は皆無と思っていたが、これは

後でフィルルに謝らなければならぬな。そして、」




「ヒュッ!!!」




その場は一瞬で無音となり、風の切れる音のみが聞こえた。

次の瞬間、その魔物の首は地面へと落ちる。


この魔物はミスリルスレイヤーと言われている。この魔物の特徴は全身がミスリルで覆われており、攻防トップクラスの戦闘力を持つところである。


そのミスリルで覆われた首をいとも簡単に切り伏せてしまったのだ。

しかも、魔物に限らず魔族はゼノンが切った素振りは見れなかった。

あまりにも速すぎたのだ。


そこからはまさに地獄絵図である。

次々に斬られ、燃やされ、凍らされ。


ゼノンは器用に近接攻撃をしながら魔法を放っていたのだ。


ものの数十秒足らずで最強の魔物達は全滅したのだ。


30体のうち一体でも人間界に現れれば、半壊していただろう。

そんな魔物を30体倒したのだ。


魔族の額には汗が滲み出る。

こんな化け物に叶う筈が無い。

最強の一角として君臨していたその魔族が生まれて初めて抱く感情。


『怖い』だ。


脳内で逃げろ逃げろと叫んでくる。

しかし、魔族は目の前にしてわかる。

逃げることは不可能だと。




ゼノンは魔族へと歩み寄る。


ゼノン「貴様は吸血鬼族だな。ここで何をしていた。何故、こんなにも強力な魔物達を従えている」


ゼノンの言葉に暫く沈黙するも、無駄だと知り口を開く魔族。


グリアノール「我の名前はグリアノール。訳あってここで魔族達を

強化していた・・・・・・が、貴様のせいで全ては台無しだ。

そして、我は何も話さぬ。そして、我に洗脳で問いただそうとしても無駄だ。その瞬間、我の脳は燃え上がり消え去る。

そういう魔法がかけられているからな」


グリアノールがそう話すとゼノンは少し考えた後に、


ゼノン「ふむ。それだけ聞ければ十分だ。お前は私の事を知っていたようだな。でなければ私が洗脳魔法を使えるとは知るまい。

そして、お前よりも上の者が居るようだ。魔界にな。それも

上位に存在する魔族が。それだけ聞ければ十分だ」


ゼノンは覇黒を構える。

グリアノールも、武器を構えた。


そして最初に動いたのはグリアノール。

ゼノン目掛けて鎌を振り下ろす。

ゼノンは未だに行動に出ていない。


「勝った!!!」


それがグリアノールの最後の思考であった。

いつ切られたのか、いつ殺されたのかも分からぬまま死んでいったグリアノール。



気付けばゼノンの圧勝である。

グリアノールもかなりの力を持っているのは事実であった。


四魔将とも多少ならいい勝負が出来るはずだ。

しかし、相手が悪かった。


ゼノン「本格的に魔界を調べた方がいいかもしれぬな。

案外敵は近くにいるのかもしれぬ」


ゼノンはそう言い残す転移し、その場を後にするのであった。

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