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世界最強の魔王 〜戦いに疲れスローライフを目指すも何故か 人間の子育てをすることに〜  作者: ディアン


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初めての王都

翌朝



「みんな起きてー!!!!!! 今日は街に行く日だよ!!!!!!」



ムムが1番に起きて大声で皆を起こす。

今日はみんなで王都へ行く日だ。

その為、楽しみすぎて朝日が昇るのと同時に目を覚ましたのだ。



ちなみにムムはリリアとライムの三人で寝ている。



トラリーはミノタウルスと。

ゼノンは1人部屋だ。



「うぅ・・・・・・早いわねムム・・・・・・」



寝惚けながらも起き上がる。

どうやらリリアは早起きが苦手の様子。


そしてムムの声と共に続々と皆が居間に出てくる。



ゼノンだけは既に起きていたようで居間に座ってコーヒーを飲んでいた。



「今日は皆で街に行く日だよ!!! 早く準備して行こう!!!」



「うむ。行くのは私とムム、トラリーにリリアだ。ライムとミノタウルスは留守を頼む」



待ちに待った王都へのお出掛け。

だが、先程まで大喜びしていたムムは何故か落ち込んでいた。



「えぇ・・・・・・ライムとミノは一緒に行けないの?」



どうやら、二人を置いていくのが辛いようだ。

人間界に魔物がいれば皆が恐怖し狩の対象とされてしまう。



「ライムとミノは魔物なのよ。人間からしたら恐怖であり敵なの。だから可哀想だけど、連れて行けないのよ」



落ち込むムムに優しく教える。

だが、ムムにも心当たりはあった。


それは初めてミノと会った日。


今では大切な家族も同然であるが、あの時はミノに恐れてしまっていた。

それが人間の心理である。


だから納得せざるを得なかった。



分かってはいても気を落としているムムにライムは



「ムム!!! お土産楽しみにしてるね!!!」



と気遣うようにそう話した。

ライムのおかげでムムもようやく笑顔となり、



「うん!!! たくさん二人に買ってくるね!!!」



そんな様子に皆が「ふぅー」と溜息を零す。

ご機嫌をとるのも楽なことでは無いと思い知る、ゼノンとリリアであった。




そんなこんなで食事を済ませ、準備が出来るといよいよ出発。



「では、留守は頼んだぞ」



「任せてくださいゼノン様!!!」

「ブモォッ!!!!!!」


ライムの機転にミノの力があれば、対処は出来るだろうと安心して家を空けることが出来る。




「では三人共、私に掴まれ」

「あれ?これって・・・・・・」



トラリーは思い出した。

ゼノンが助けてくれた日のことを。

あの時も、これで遥々移動できたのだと。


そして三人共、言われた通りに掴まると


瞬間移動テレポート





ワープして目を開くと眼前には王都が目と鼻の先だ。

一瞬で人間界の王都近くにワープした。




「すごい・・・・・・一ヶ月の距離をものの数秒で・・・・・・」



あまりの事にトラリーは唖然としている。




中に入ることも可能であったが人目が多い為、敢えて王都の外にワープした。


遠くから見える王都にトラリーもムムも目を輝かせる。



「す、すごい・・・・・・僕らの街とは比べ物にならない・・・・・・」


「にーに!!! 凄い大きいね!!!」



「あれが人間界の王都『ランベール』だ」



「久しぶりですね!ゼノン様!」



そこでトラリーはある事に気付く。



「あっ!!! ゼノン様! 僕達、身分証も無ければお金もありません・・・・・・どうやって入るのですか?」



「ふむ。身分証は既に作ってある。そして金など腐るほどあるが?」



そう言ってゼノンは空間魔法で袋を1袋取り出す。

すると驚く事に、中には金貨が山ほどあった。


見たことも無い金貨の量にまたしても驚愕する。



「な、一体いくらあるんですかっ!!!?」





「よく分からぬが一万枚はあるのではないか?」


「なっ・・・・・・」



トラリーは泡を吹いて倒れる。

あまりの額に脳が停止してしまったのだ。



「にーに!!!」


「よく倒れる奴だなトラリーは!」



心配するムムに笑うリリア。





この世界では鉄貨→鋼貨→銅貨→銀貨→金貨→白金貨の順番となっており1→10→100→1000→10000→100000

の順番となっている。


つまりゼノンは一億円分持っていたという事になる。



「ふむ。これはほんの僅かな物だがな。中には沢山入っているぞ」


「凄すぎて言葉が出ません・・・・・・」



一周まわって冷静になれたトラリー。



「リリア。私とお前は変装していくぞ。変装ディスガイズ



ゼノンとリリアは変装した。

ゼノンの角は引っ込み、リリアの吸血鬼たる所以の、犬歯は引っ込んだ。


「すごーーーいッ!!! 二人共カッコイイし綺麗!!!」


「き、綺麗・・・・・・」



二人共それぞれの反応を示しリリアは微笑む。



「ふふっ、ありがとう! さぁゼノン様、参りましょう!」


「うむ。行くぞ」




王都の門に着くと列が出来ており、並ばなければ入れそうもない。

ここは素直に列に並ぶことにした4人。





数刻経つとやっとゼノン達の番となった。


「止まれっ! 身分証を提示せよ!」


門番に止められ、代表してゼノンが全員の身分証を提示する。


「うむ」



身分証を渡すと門番は四人の顔と照らし合わせた。

じっくり見定める様に顔を見ると、


「よしっ!大人は銀貨1枚! 子供は銅貨5枚だ!」



つまり、ゼノン一行は銀貨二枚に銅貨二枚なのだが、面倒なゼノンは一枚取って門番の手の平に乗せた。



「釣りはいらぬ」



そう言ってゼノンが渡したのはなんと金貨



まさかの金貨が出てきた事に驚く門番。

この仕事で金貨を見ることなんてまずない。

当たりをキョロキョロ見渡しながら、コソッと直ぐに懐へとしまう。



そして、金貨を目にし、門番の態度は急変した。



「えっ?! ど、どうぞお通りください!!!」



面白いほどの掌返しであった。

頭を下げ、貴族にでも接するかの如く。



「うむ。皆入るぞ」



四人はすんなりと中に入る。

するとトラリーとムムは、これでもかと言うくらいに目を輝かせていた。



「うわああぁぁぁ・・・・・・」


「ふふっ、いい反応ね! さぁ二人共行くわよ!」



面白い程いい反応をしてくれる二人にご満悦のリリア。




そして、ゼノンとリリアが前を歩くとムムは何を思ったかその間に飛び込んできたのだ。


驚く2人であったが、更にムムは2人の手を握り始めた。




「ん?」

「きゃっ!!! ビックリした・・・」



ゼノンは不思議そうに、リリアは驚きながらムムを見るととびきりの笑顔でこう答えた。




「見て見て!!! 家族みたい!!!」





笑顔でそう話すムム。

確かに傍から見れば家族同然だ。


そんな様子にリリアも思わず微笑む。



「そうね!迷子になると危ないからこのまま行きましょう」


「ふむ。そういうものか」



ゼノンはいまいち分かっていないが、嫌な気分でも無いため

このまま歩く。





そんな中、トラリーは三人の後ろをどこか寂しそうに歩いている。

3人の後ろ姿を見ながら・・・・・・。


リリアはふと後ろを振り返り、トラリーの様子を見て微笑む。


「トラリー! こっちへおいで」


そう言ってトラリーへ手を差し伸べる。


すると打って変わって笑顔になりリリアの手を掴んだ。




こうして四人は手を繋いで、家族のように王都を観光していくのであった。

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