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第2部 驚愕のニュージーランド編 VOL8「ノンストップ追い越し地獄」(1997年)

ー驚愕のニュージーランド編 VOL8ー

「ノンストップ追い越し地獄」

~オアマル 1997年1月


ー前回からの続きー


前を走る車に追いつく。

さて、追い越しをしたいんだが、、、、。

一方通行の高速道路と違って

一般道路(100キロ制限)だから

当然対向車(120~140キロくらい)が

やってくるのだ。

このひたすら真っ直ぐな道での対向車の

状況判断がムズカシイ。

遠おーーーくの方に

「トラックらしき四角いもの」が見えるが、

それは道沿いに建つ家や店かもしれない。

アレが車だとしても、あまりに遠すぎて

こっちの車線を前に向かって走っているのか

対向車線でこっちに向かってきてるのかかが

わからない。

そのあたりから向かってくる対向車と

一体あとどれくらいの時間ですれ違うのかも

そんな経験したことないからわからない。

じいーーっと見ていてしばらくして

車が近づいてきてやっと

「ああ、やっぱり対向車やったんかあ。」

とわかったりする。

それほどとことんまっすぐな道だ。

こいつは慎重にいかんと、、、、。

なんせこの1600ccの車は120キロから

サッと加速などしないのだから、、、、。


よし!行くぞお!

120、、、、125、、、、130、、、、

ジワジワーーっと前の車の横に並びかける。

「いけるかな?大丈夫?」

対向するトラックが近づいてくる。

、、、、135、、、、140、、、、

145、、、、

対向車の近づき具合いを確認しながら

やっと追い越し完了。

、、、数秒後でっかいトラックがすれ違う。

ぶおおおおーーーーーっ!

「ふうーーっ。」

恐ろしいことに前車を抜きだすと

だんだんクセになってきて

130キロ巡行のペースを落とすのが

イヤになり、このヤバい追い越しを

やめられなくなってくるのだ!

全然急ぐ必要もないあて先も決まってない

ひとり旅だというのに。


そしてペースはさらに上がってゆく!

やめられないっ。

ペースを落とすキッカケがない。

前車に追いつくたびにずうっと道路の先に

目をこらして神経集中して

ひたすら追い越しを続けていく。

一体いつまで続くんやあ!!?

「誰か俺を止めろおーー!!」


対向車が予想よりちょっと早く

近づいてきたりで、何度か心臓を

捕まれるような恐怖心に襲われながら

やっと最初の目的地に到着。

2回の休憩時間を含めても「一般道路で」

3時間での走行距離320キロという

無意味なまさかの大記録を打ち立てた俺は

コーヒーショップで暖かいパイを食べる。

やっと緊張感から解放されて

気持ちが緩んでいく。

窓の外を真っ赤な服のおばあちゃん2人が

楽しそうに話しながら歩いていく

平和な風景をぼんやり眺めていた。


「ニュージーランド、、、、

な、なかなかやるやんけ。」


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