第2部 驚愕のニュージーランド編 VOL5「パンツとブラジャー姿でHELLO」(1997年)
ー驚愕のニュージーランド編 VOL5ー
「パンツとブラジャー姿でHELLO」
マウントクック 1997年1月
ー前回からの続きー
今夜の宿がどうなるのかまったく
わからない状態で遊びに行くのは
どうも落ち着かないけど、
わりきるしかない。
さっそくセスナの車輪の部分に
スキーを取り付けたスキープレーンで
雄大に拡がるフィヨルドの上を遊覧した後、
世界最大級のタスマン氷河の上に着陸する
ツアーに参加する。
スキープレーンか。
すごいなあ。
氷河の上での発着専用のセスナなんて。
氷河を歩くのは初めて。
所々ゴツゴツした大きな岩が露出した
白銀の世界。
真っ青な広い空から太陽の光が
サンサンと降り注ぐ。
歩くとTシャツ1枚でも暑くて汗だくだ。
残念ながら小学生の頃から毎年スキーに行く
俺にとっては見慣れたような風景で、
これは期待したほどの体験ではなかった。
でも足元に所々ある3、4cmの巾の
クレバスの中を覗くと神秘的な青い小さな
氷の世界が見えて、やっぱり氷河は雪山とは
違うものなんやなとちょっとコーフンした。
このクレバスの底の氷は何百万年も
それ以上も前からここで静かに
眠っているのだろうか?
太古の地球に想いをはせる。
遥かなる過去へ、、、、遠くへ、、、、。
ツアーから戻り、近くの30分程度で廻れる
短いトレッキングコースを歩く。
この時期は夜9時くらいまで明るい。
緯度が高いからだ。
バーで晩ゴハンを食べて、ビールを飲んで、
約束の8時にドキドキしながら
ユースホステルのフロントに戻って尋ねると
ブジ泊まれることになっていた。
「ハアーーーーーーッ!!!助かったあ。」
雪や氷河に頂を覆われた山々に囲まれて、
震えて泣きながら野宿するという事態は
回避できた。
フロントに置いてもらっていた荷物を
部屋に運ぶ。
ニュージーランド人の女の子2人と
相部屋だという。
初の海外でのユースホステル
(ロスアンゼルス)でほぼ裸の白人の男
5人くらいと相部屋やった時、
なぜかゲイにモテる?らしい俺は
(電車で痴漢に会ったオゾマシイ経験2回)
服を着たままでボタンのついた胸ポケットに
パスポートやお金を入れて緊張して寝た。
今回は大阪よりずっと安全であろう国で
しかも女の子相手だ。
ダイジョーブやろ。
ノックしてドアを開けるとにこやかに
「ハーイ!」
と挨拶してきた。
20代前半くらいの2人の白人は
なんと下着姿だ!!
着替え中だったのだ。
彼女たちはそのままの姿で
簡単に俺に自己紹介し終わると、
ジャージをゆっくりはきながら
引き続き楽しそうにしゃべっている。
俺のことはまったく気にせず、
パンツもブラジャーも隠そうとはしない。
ううーーーむ。
な、なんてありがたい同室者なんだっ。
そういえばまえにつきあってた
ニュージーランド人のカノジョも
ウチで俺の友達の目の前で平気で
服を脱ごうとした。
俺が慌てて
「あっちで着替えろよー。」
とキッチンに押しやると
カノジョは
「ブラジャーはつけてるのよお。」
と眉を寄せて不満そうに言ってたなあ。
そーかあ、けっこう多くのガイジン
(ニュージーランド人?)は
初対面で下着姿でもOKなんかなあ?
日本人同士ではとても考えられない。
さあーすが「ガイジン」!
ん? ここはニュージーランド。
そうか今ここでは俺が「ガイジン」なのだ。