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一年サタン組のよい子たち、生贄聖女を育てます!  作者: 三羽高明
五日目 一年サタン組のよい子たちは、生贄聖女を助けたいです!

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落ちていたもの

 校庭にある、今は使われていない倉庫の数は限られている。サタン組の子どもたちはいくつかのグループを作って、手分けしてそれらを巡ることにした。


 レジーがあるものを見つけたのは、他の子たちと別れてすぐのことだった。地面に何かが落ちていたのだ。「見て!」と声を上げると、皆が集まってきた。


 それは、折りたたまれた一枚の紙だった。そこにはクレヨンで絵が描かれていた。レジーはそれを見て思ったことを率直に述べた。


「うわー、下手な絵。頭から黄色い角が生えたお化けかな?」

「……それ、僕が描いたんだよ」


 何事だろうと横から絵を覗き込んだルインが、小さい声で言った。


「ニエちゃんにあげた肖像画だよ。後、角じゃなくてニエちゃんの髪だから。ニエちゃん、金髪だけど、クレヨンには金色がなかったから仕方なく黄色で……」


 ルインは長々と言い訳を続けていたが、レジーはほとんど聞いていなかった。彼にとって重要なのは、この『本来ならニエちゃんが持っているはずの絵』が置いてあった場所だ。


 この絵は、ある倉庫の前に落ちていた。ニエちゃんが持っていた絵がそんなところにあることの意味を、レジーはすぐさま理解した。


「開けるよ……?」


 同じことを考えていたエドが、慎重に倉庫の扉に手を掛ける。皆が固唾を呑む中、錆びた両開きの扉が勢いよく開かれた。


 予想通り、ニエちゃんは倉庫の中にいた。


 恐らく勝手に持ち込まれたであろう椅子や体育の授業で使うマットやボール類、理科室にあるはずの標本などが並べられた室内で、ニエちゃんはロープで柱に体を縛り付けられていた。


 室内に雪崩れ込んでくるサタン組の生徒たちのことを、目を丸くして見ているのは、チェーンとクルトだった。やはりこの二人がニエちゃんを攫ったようだ。


 チェーンは片手にミミズを持っており、クルトはニエちゃんの顎を押さえている。きっと無理やり虫を食べさせようとしていたのだろう。ニエちゃんは必死に抵抗したのか、髪が乱れてバラバラと顔にかかっていた。

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