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ブラックテイルな奴ら  作者: 小松広和
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ブランシェって天才なのか?

第八十四章 ブランシェって天才なのか?


「どうしたの?」

「実はこの国にスパイが潜入しているらしいんだ」

「スパイってホワイティアの?」

「そうだ。俺の寝室にホワイティアからのメッセージを置いた人物がいる」

「ホワイティアは情報戦を得意としているから、いろんな国にスパイを偲ばせている。ここにいてもおかしくない」

「スパイって白の国の住人なんだろ?」

「そうとも限らない。他国の人を買収することもあるから」

「お金で?」

「そのパターンが多い」

するとソフィーナの可能性もあるのか。

「現在この城には白の国の住民が二人いるそうだ。一人はホワイティー、そしてもう一人が君だ」

「まさか私が疑われているの?」

ブランシェは悲しい眼差しで俺を見つめた。

「ああ、その雰囲気はある。しかし、俺はお前を信じている。もし、お前が俺をだまし続けたスパイだとしたら、俺は一生誰も信じられなくなるだろう」

「うれしい!」

ブランシェが俺にしがみつく。この力の入れよう。絶対本物だ。この娘はスパイなんかじゃない。

「待って、もう一人のホワイティーって誰?」

「ああ、この部屋の世話をしているメイドの一人だ」

「この部屋のメイドは三人いる。そのうちの誰?」

「一番背が高くて髪の長い女性だ」

「あの人、白の住人なの?」

「そのようだ。十年前八歳の時、両親と共にここへ亡命してきたそうだ」

「十年前と言うことは十八歳ってこと?」

「そうなる」

「ふーん」

ブランシェは考え込んでいる。

「とりあえず俺の行動がホワイティアに筒抜けなのはまずすぎる。だからスパイを見つけないといけないんだ。何か見つけるいい方法はあるか?」

「普通に考えてホワイティーが怪しい。でも八歳から十年もスパイで居続けているのもおかしい」

「どうしたらいいんだ?」

「城に出入りしている人で白の国の住人がいるかを調べるのがいいと思う」

ブランシェってかなり頭がいいのか?

「でも、三人にはスパイのことを言ってしまったし、警戒して暫くは城には来ないんじゃないかな?」

「来させればいい」

「どういうことだ?」

「ホワイティアが動揺するようなことをスパイに伝えればいい」

「動揺するようなこと?」

「例えば『ホワイティアに会いたいなぁ』とか。それを知ったホワイティアはここぞとばかりに行動してくるはず」

「なるほど。次もホワイティアからのメッセージを置きに来るということか」

「それにも気をつけないといけないけど、この城に入ってくる人物全てを調べ、白の国の住人がいた場合その人がどのメイドと接触したかを見ればいい」

「凄い、君は天才だな」

「四郎さんに褒められるなんて嬉しい」

「ありがとう。早速マリーのお姉さんに言ってみるよ」

「わかった」

次の朝早く俺はお姉さんの所へ出かけることにした。小百合が帰ってしまう日でもあるのだが。

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