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ブラックテイルな奴ら  作者: 小松広和
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凄い人に会ってしまった!

第六十四章 凄い人に会ってしまった!


 入ってきた女性はきりっとした顔立ちにピンとした姿勢、まるで宝塚の男役と言った感じの人物だった。

「ピピプル!」

「この前は手こずらせてくれたな」

「なぜお前がここにいるのだ!」

「私はまっすぐこちらに向かわせてもらったぞ。お前の兵士をかき分けてな」

この人がマリーのお姉さんか。すごくかっこいいな。本当に姉妹なのか?

「悪いが義弟は返してもらうぞ」

「ふざけるな。私の夫だぞ!」

「残念だが婚姻届けにサインはしていないようだな。何の問題もあるまい。ま、たとえサインをしていたとしても白の国の法律など守る気はさらさらないがな」

マリーのお姉さんは西洋風な剣を抜くと天井向けて振り上げた。

「ここは私に任せてお前たちは行くんだ」

「わかったわ。お姉さん」

マリーは俺の手を引っ張って式場の外へと出た。暫くすると式場は大きな爆音と共に大爆発を起こした。大丈夫なのか?

「何、もたもたしてるのよ」

「ちょっと待ってくれ」

俺は自分にあてがわれていた部屋に入るとブランシェを担いだ。

「何でブランシェを持って行くわけ?」

「お願いだ。彼女をこのまま置いて行ったら俺がこの国に来た意味がなくなる。持って行かせてくれ」

「絶対嫌よ!」

「お願いだ」

「絶対に嫌!」

「持って行きましょう」

「小百合、何言ってるのよ」

「ブランシェを持って行きたくない気持ちは私も同じよ。でも人として見殺しにはできないわ」

「私も持って行くのに賛成だよ」

「もう! 芽依まで何なのよ!‥‥‥‥わかったわよ。勝手にしなさいよ」

この言葉を皮切りに俺たちは走り出した。しかし、ブランシェは重い。この体勢でどれだけ走らなければいけないだ? 俺は歯を食いしばって気合を入れると、目の前にワープゾーンが現れた。

「今なら近道が使えるぞ」

「お姉ちゃん!」

マリーのお姉さんが何事もなかったかのように俺たちの後ろに立っている。

「ご無事だったんですか?」

「ああ、あれくらいの爆発など何でもない」

「ホワイティアは?」

「心配か?」

「いえ、そういうわけではありませんが」

「安心しろ。殺してはいない。気を失っているだけだ。今ならホワイティアの魔力を封じることができる。ワープゾーンも使えるというわけだ。さあ、早く進みなさい」

俺たちは言われる通りワープゾーンに入った。

 ワープを抜けると大きな城の前に出た。

「ここが私の城よ」

マリーが手を向ける城はホワイティアの城よりは小さく見えるが実に立派なものだった。

「ホワイティアがどういう行動をするかわらないわ。暫くあなたを保護することにしたの。おそらくこの城にいるのが一番安全なはずよ」

これが黒魔族の城か。凄い! この城を見ていると木造二階建ての俺の家は犬小屋に見えてくる。

「将来はあなたのものになる城よ。どう? 今の気分は?」

「ちょっと何言ってるのよ」

「そうだよ。お兄ちゃんと結婚するのはこの芽依なんだよ」

「あなたたちが何を言おうともう運命は決まってるわ。さあ、中に入るわよ」

城の中に入ると予想以上の光景が俺を待っていた。


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