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28話 一国の姫は忙しい

 最近の私は忙しい。元々、姫としての教育もあり、午前中は完全に拘束されている日が多かったのですが、最近では大賢者レイモン・デ・ベルニエから魔法を習いつつ、空いた日は同い年の貴族たちと交流させられるようになりました。


 どうやらエリザベートの指示らしく、私があまりにも活発だから同年代の貴族とコミュニケーションをとらせることで、いかに周囲と違い浮いているかわかって欲しいとのことだそうです。私そんなに奇行に走っているのかしら。


 はじめは、私と会う時間を減らすことが目的かと思いましたが、同年代の子供たちの集まりの場には時々保護者である夫人などがいらっしゃることもあり、本当にたまにですけどエリザベート自身が来ることもありますので、単純に私を理想の淑女にするための教育の一環と考えるようになりました。


 そして今日もその交流会という名のただのお茶会をしています。本日は侯爵家以上の家系しか招待されていないため、ミゲルの姿がないことは残念ですが、アレクシスとビルジニの二人はいらっしゃいます。


 侯爵家以上となりますと…………レイモンの子供いませんよね。あとは【藍】のワンダーオーブの攻略キャラクターである大司教の息子ってそもそも貴族なのかしら。神聖ローマ帝国の大司教だったら選帝侯とかの爵位を貰えてたのに…………それって元々他の爵位がある前提でしたっけ? ここでは検索できない。


 なんにせよここはファンタジー。シナリオ製作会社のさじ加減で大司教の立ち位置がぶれている可能性もありますし、いたとしても、親は親でも母親連れでは判断しにくいですね。


「クリスティーン姫、相変わらず美しいね」


 王子様のような口調ですが、明らかに女児の声で振り向くとそこにはビルジニが私に向かって礼をしていました。ドレスなのにカーテシーもせずに男性のような礼。


「あらビルジニ御機嫌よう? その仮にも母の目の届くところですので淑女らしくお願いします」


「ほう? …………こほん、あー。姫様、本日はお日柄も良く――」


 するとビルジニはすんなりと貴族令嬢らしい挨拶に切り替える。彼女も侯爵令嬢である自覚はあるらしい。てゆうかその変わり身の早さは五歳児としては異常だ。私のように転生しているというのであれば別だが、ビルジニのこの性格は、父親であるシャルル・エル・タグマウイそっくりなので完全に遺伝でしょう。


 転生しているのであれば、私の様に父にも母にも似ない異端児になるはず。少なくとも攻略キャラの濃い特徴を引き継ぐはずもないだろう。


「そうでしたビルジニ。ビルジニも魔法が使えましたよね? 今度一緒に習いませんか? 私一人だと寂しくて!」


「姫様と? 宜しいのですか?」


 ビルジニのお父さんは錬金術師だ。錬金術は一般的に付与魔法の亜種とされており、ビルジニも簡単な錬金術なら扱える。


「問題ありませんわ」


 私達が話していると、こちらに一人の男の子が歩いてきた。アレクシスだ。


「魔法の授業ですか? 僕も参加しても宜しいでしょうか?」


 どうやら私達の話を遠くで聞いていたようです。アレクシスが参加したいというと、ビルジニがおもむろに嫌そうな顔をしつつも、公爵家であるアレクシスに対し、公の場では文句を言わない様にしている。


「勿論構いませんよ? それでしたらミゲルもお呼びしましょうか?」


 私がそういうと、二人は嫌そうな顔をしましたが、当然姫である私に公の場で反対をするなんてことはしませんでした。まあ私に対してだけは、常に遠慮していますけどね。私達がいない時のビルジニなんてアレクシスに猛反発しているからちょっと珍しいかな。


 二人の意見は聞けましたし、今度レイモン先生に相談してみよう。あとミゲルにも伝えないといけませんね。


 しばらくしてお茶会がお開きになり、その日はエリザベートと二人で宮殿に戻りました。


「クリスティーン?」


「はいお母様!」


 周囲に誰もいなくなったところで、エリザベートが私に話しかけてきます。私は笑顔で返事をすると、エリザベートが周囲をよく確認してから私を抱き上げて一緒に帰りました。

今回もありがとうございました。

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