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27話 大賢者と魔法訓練

 今日は大賢者レイモンから魔法の基礎を学ぶために、レイモンのいた倉庫に向かった。セシルもはじめはそれを見て驚愕するも、中から出てきたレイモンを見て、ひとまず授業が始まりました。


「まずは適性検査だ」


「何をするのですか?」


 私が疑問をぶつけると、レイモンが奥からよくわからない白い円盤を持ってきました。円盤、ブルーレイ……うっ、頭が。


 レイモンは私にその円盤を手渡すと、円盤は白から虹色に変色しました。配色は均等にはならずに、青い部分が大部分を占めていました。また、赤い部分もそれなりに伸びています。そして他は同じくらいですが、緑色の部分が少し短めになっていました。


「!? ……なるほど、時空魔法適正と波動魔法適正か。両親のいいところを引き継いでいる感じだな。逆に状態魔法が苦手か」


 どうやら色ごとに魔法が対応しているそうです。青が時空魔法、赤が波動魔法と言うことでしょうか。レイモンは説明を省くため、ある程度はこちらから質問しないと理解しきれなさそうですね。


「お前は一度時空魔法の一つ遅延(スロー)を使ったそうだな。やってみろ」


「わかりました。時よ、従え遅延(スロー)


「ブッホ!?」


 私が魔法を行使すると、目の前にいたレイモンが盛大に噴出した。失礼な奴。そんなにしょぼかったかしら。


「よし、誰に教わったか知らないが、基礎は完璧だな」


 誰に教わった? しいて言うなら、ゲームのエリザベートの物まねです。そういえば魔力をどうこうするとか何もなく、ただ従わせようとするだけで勝手に魔力が作用していて、これどうやっているのかしら?


「次は波動魔法も試してくれ」


 波動魔法。ゲームではジェラールが良く使っていたあれね。でもジェラールって詠唱らしい詠唱もしないし、魔法名も言わずに行使するのよね。どうすればいいのかしら。


「ん? どうした?」


「ごめんなさい、波動魔法は未経験でして」


「そうだな、ではまず俺が行使しよう。波動魔法、波動(ウェーブ)


 レイモンが手をかざした先には、誰が用意したのか初めからあったのか的があり、その的は一瞬で破裂してしまった。的までの距離はおよそ十メートルくらいかしら。


 波動魔法は魔力をそのまま操り、攻撃に転用する魔法である。また広範囲に飛ばし、威圧などにも用いられることもある。ジェラールは波動魔法を使って何度もヒロインを助ける描写があるのよね。


「的は再生した。お前もやってみると良い」


「え? なんで?」


「あの的にはあらかじめ、壊れると作動する時空魔法をかけている」


 時空魔法。すっごい便利じゃない。確かに時間と空間を操る魔法と聞いていましたけど、できることには限度があると聞いています。もし時空魔法で完全に世界の時を戻すことができれば、破滅する未来も防げたのかもしれない。


波動(ウェーブ)


 私がレイモンの見様見真似で波動魔王を行使すると、遠くにあった的が弾かれた。どうやら壊すことはできなかったみたいですけど、的まで波動を飛ばすことには成功したみたいです。レイモンはそれを見て何かを考えこみました。


「姫、アンタもしかしてみたことある魔法なら何でも使えるんじゃないか?」


「へ?」


「威力は適正や魔力量によって変わるが、姫は円盤を七色に染めた。俺のを見てみろ」


 そういったレイモンが白い円盤を持つと、円盤は赤、橙、黄、緑、紫に変色した。虹の七色じゃない。大部分は緑色で、それ以外はすべて細い。この短さであれほどの波動魔法を行使したと言うことは、魔力量は私の数倍以上なのでしょう。さすが大賢者。


「ちなみに稀代の魔術師がこれを持っても多くて三色だ。歴史上、七色に変色させたのは君で二人目だよ姫」


「それじゃあ一人目は?」


「……俺たちの同級生だ」


 その時、私は一人の女性の名前が頭によぎった。おそらくそれは『魔法学園ワンダーオーブ』のメインヒロインであるアリゼ・ド・アナンのことだろう。ゲームには魔法適正の検査に白い円盤を使う描写なんてありませんでしたが、アリゼはすべての魔法が使えたはずだ。【赤】のワンダーオーブも持ちすべての魔法が使えるヒロイン。改めて自分が倒すべき相手の強さを思い知った。


「その人は?」


「…………さあな。子供が知るべきことではない」


 さあなといいながら、知るべきことではないというレイモン。知っているくせに、教える気がないようだ。だけど、ここがバッドエンドが成立した世界なら間違いなく国外追放されているだろう。


「それより魔法の練習だ。使いたい魔法はあるか?」


「それでは…………」


 とにかく私は魔法を覚えよう。それで最低限自衛できることを認めて貰ってジェラールたちと家族三人でお出かけするんだ。

今回もありがとうございました。

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