最初のクエスト
あれから、最初にギルマスの腕を魔法で治した。
フィアとユーリアは驚いていたが、ギルマスは静かに見定めているように見ていた。
治療が終わるとギルマスは両腕を振り回す。
それを、俺とフィアはぼーぜんと見てた。
そのあとは、応接室みたいなところに連れてかれ説明を受けている。
最初にランクについて
ランクはFが一番低くそこからAまで順に上がり次がS最高がXらしい。
因みにギルマスはXでフィアはBだ。
一国の姫がどこまであげてるんだよ、と突っ込みを思っておく。
Xは国が認めないとなれないらしく、ギルドで決められるのはSまでらしい。
俺はギルマスを納得させる実力もあり、考えなしでなくしっかりと敵見て行動していたらしくSにしたらしい。
ただ、楽しんでただけなんだけどな。
けれど、ギルドの規則で最初のクエストはランクD以上の人と一緒にやらないといけないらしい。
それはフィアがいるから大丈夫か。
知らない奴と組むよりは安心だ。
そして現在は受付区画に戻り、クエスト掲示板でクエストを探している。
掲示板にはクエストの紙が貼っており、それを受付に持っていって受注する。
クエストにもランクがあり、基本自分のランク以下のクエストしか受けられない。
そんな感じで、確認したことを思い出しながらフィアとクエストを探している。
正直、掲示板には沢山貼られていてごちゃごちゃで見ずらい。
そんな中、俺は大型モンスターの討伐クエストを探す。
重なっている物もあるのでめくったりして探すが、小型モンスターの討伐しか出てこない。
オークとか一目巨人とか俺とって小型だ。
いくら探しても、良さそうなのが出てこない。
俺は隣で同じようにクエストを探しているフィアを見た。
フィアは一つのクエストをジーと見ていた。
俺はフィアの後ろに周り肩越しにそのクエストを覗き見る。
Fランククエスト
孤児院の子供達のお世話
俺はもう一度フィアの顔を見る。
その視線は変わらず一点を見ていた。
正直やりたくない。
そんだな、ユーリアにあるか確認しよう。きっと、貼り出されてないものもあるはずだ。
俺はゆっくりと振り返り離れようとしたが、肩を捕まれた。
振り替えると、フィアが先程のクエストをこちらに見せつけてくる。
「カリュ、これを受けるぞ。」
俺は断ろうとしたがフィアがの顔が近づいてくる。
その表情は、真面目で少し怖かった。
「受けるぞ」
「はい」
俺は、フィアの気迫に負けてクエストを受けてしまった。
俺は気分悪く歩き、フィアはウキウキで孤児院に向かっていた。
いろんな奴と戦えると思ったのに。
そんなことを考えながら、いつの間にか孤児院に着いていた。
孤児院は街のはずれあった
2階建ての少し奥行きのある家で家の前には庭がある。
庭には大きい木の枝に紐と井田を付けた手作りブランコや滑り台など、ちょっとした公園みたいにもなっている。
庭には子供が何人かいた。
年齢は様々で小さい子もいる。
庭で遊んでいた子がこちらに気づいて家の中に入っていった。
俺達が家の前まで来ると家の中から少し年上くらいの女性が現れた。
その隣には先ほど家に入った子がいた。
近くに来ると先ほどの子は女の子だと分かった。
「こんにちは、あのどちら様でしょうか?」
女性はこちらに律儀に挨拶をして聞いてきた。
しかし、この子から感じる物に違和感がする。
「ギルドから来たもので、私はアーフィア、こいつらカリュストと言う。」
フィアがきちんと返した。
しかし、人を指差してこいつはやめろよ。
そう考えていると女性の目を輝かした。
「あのクエストを受けていただきありがとうございます。
あっ、申し遅れました私はシュリナと申します。
改めましてよろしくお願いします。」
と女性もといシュリナは喜びながら感謝してくれた。
まあ、長時間クエストで簡単とはいえ報酬が少いから受けるやつはあんまりいないだろ。
そんな事を思いながらシュリナは説明をしてくれる。
簡単に言えば子供たちと遊んでくれとのことだ。
出掛けないといけないらしく日帰り出来る距離とはいえ、長時間子供達を連れるわけにもいかず依頼したそうだ。
今日は、時間が遅いため明日出掛けるとのことで今日は泊まらせて貰うことにした。
「さぁ皆、もうすぐ夜ご飯ですよ。お片付けして手を洗って手伝って」
シュリナが言うと子供達は元気よく返事をして家の中に入っていく。
シュリナは笑顔で全員入ったのを確認するとこちらを向いた。
「どうぞ、狭いところで申し訳ないありませんが」
彼女が言うとフィアは
「いえいえ、こちらこそお忙しいのに申し訳ない。私たちもなにか手伝いましょう」
と返した。
ちょ、その言い方だとおれも手伝うのか。
そう思っているとフィアがこちらを向く。
そして、ギルドの時のように近づいてきた。
「手伝ってくれるよな」
「はい」
女性は恐いとまた実感する瞬間だった。
シュリナはこちらを見ながらクスクスと笑っていた。
「お二人はとてもなかがいいのですね」
彼女がそう言うとフィアが赤くなりながら否定する。
そんなことより、さっき彼女から感じたことを確認しないといけないな。
そう思いながら、家の中に入った。