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クエスト本番

「それではよろしくお願いします。」

昨日の夜、あの話をした後に俺とシュリナは少し話をして寝た。

そして今はあさくま早くから子供たちも起きていない時間だ。


シュリナは昨日の夜に話した通りに朝早くから出掛けていった。

どうやら、シュリナの祖父母に会いに行くらしい。

シュリナの母親は元は貴族らしくこの孤児院も、多くの子供を救いたいと彼女が建てたそうだ。

母親の両親は頑固として反対していたらしく、それを無視して建てた母親を許してないらしい。


しかし母親は、シュリナを産んで少ししたら病気になってしまい亡くなったそうだ。

その後は、父親の方も頑張っていたが兵の給料も孤児院を保つためには足りなず、魔族がゆえ同族に頼るにも遠く、母親の両親にも頼るわけにもいかなかった。

けれど、叔父は違ったらしい。


叔父は、シュリナを我が娘のように可愛がっており母親とも仲が良かったらしい。

シュリナの母親が亡くなった後、孤児院の気にかけ陰ながら援助してくれているそうだ。

しかも叔父からは、母親の両親つまり祖父母は実は母親の事を気にかけており、意地を張った結果ケンカ分かれしてしまった事を後悔しているそうだ。


けれど、素直に慣れず未だに怒っているようにしているだけらしい。

こっそりと叔父経由で孤児院を援助しているそうだ。

シュリナはそんな話を叔父から聞き、祖父母にお礼を言いたくて依頼を出したそうだ。

少し距離があり、まだ小さい子もいるので行けずにいたが俺達が依頼を受けたので行けると喜んでいた。


そんな、シュリナを見送った後俺は真っ先にとある部屋に向かった。

その部屋に入ると静かに寝息をたてているフィアを見る。

俺はそんな、いい気持ちで寝ているフィアの横に仁王立ちした。


「いい度胸だな」

俺は若干の苛立ちを抑えつつ、フィアに手をかざし魔法を発動する。

雷魔法、ライトニング

それを、静電気程の威力に抑えて放つ。


「きゃっ」

と、なんか可愛らしような声が聞こえて、フィアの体が跳ねた。

「なに?」

フィアは目元を擦りながら起き上がってこちらを見た。


「なんだ、こんなに朝早く? まさか、朝早く襲いに」

フィアはそう言うと腕で、自分を抱き締めるようにさて俺とは反対側のベットの角へ素早く移動した。

プチっ!と何かが切れたような感じがしたが気にせず先ほどより少し強めにライトニングを放つ。


「きゃん」

フィアから変な声が出るが気にせず、腕を組みフィアを睨む。

「フィア、何で俺がイラついているか分かるかな!」

その後、フィアに軽いお説教をした。

説教中、何故かフィアが涙目になっていたり、俺の周りからバチバチと何か音がなっていたが気にせず行った。


そうしている内に、子供たちが起きる気配がしたので説教を中止し朝食を作るべくキッチンへと向かう。


俺は食材用の空間から、ベーコンを取り出し焼き始める。

焼いている間に、子供たちのお皿に刻んだ小さく山になるように盛り付ける。

そこに、こんがりと焼き上がったベーコンを立て掛けるように全てのお皿に乗せた。



続いて、空間から卵を取り出し人数分焼き始める。

半熟になった位に、白身がくっついた分を切り分けてお皿に乗せていく。

因みに、ベーコンも卵も一回では焼ききれないが

まあ、空間を固めてその上でちょっと火魔法を使いながら同時に焼いた。


そんな感じで準備をしていくと、まだ眠そうな子供たちがリビングに入ってきた。

「ほら、起きたなら顔洗ってこい。洗ったら何人か運ぶの手伝ってくれ」

俺が声をかけると子供たちは顔を洗いにいった。

その間にお皿にパンを乗せていく。


何人分かを運んだ辺りで何人かが帰ってきたのでその子たちに残りの分を運んでもらうように頼み、俺はフィアの元へ向かった。


部屋に入ると、俺が出ていくときと同じ形のまま固まっているフィアがいた。

「ったく、少しやり過ぎたか」

と思いフィアーの肩を揺すった。


何度かやるとフィアがビクッとなり意識を取り戻した。

そんなに怖かったかと思いながらフィアに早く来るように言って、頷いたのを確認するとリビングに戻る。


戻ると、子供たちは全員席に着いて待っていた。

「待たせて悪かったな。食べていいぞ」

俺がそう言うと「いただきます」と子供たちは元気よく言い食べ始めた。

俺はそんな、光景を見て和んでしまう。


いつも、狩りとかやっているがたまにはこういうのも良いなと思う。

そんなことを思っていると、フィアが部屋に入ってきた。

「これはお前が作ったのか?」


フィアは視線を料理に向けたまま聞いてきた。

すると、フィアに一番近い子が振り返った。


「そうだよ、カリュお兄ちゃんが作ったんだよ」


その子はフィアに向かって笑顔で言った。

それを聞いたフィアは、ただ料理を見ていた。

「そんな所にたってないで、早く座って食べてくれ」


俺はフィアにそう促すと、フィアは空いている席に座って食べ始めた。

その顔は綻んでいた。

まあ、但し焼いただけじゃなくて調味料もこだわったらかな。


「ごちそうさまでした」

そう思っているうちに、子供たちは食べ終わって食器を運び洗い始めた。

フィアも少し後に続いて食べ終わり子供たちを手伝っている。


さて、何故俺がこんなことをしているかと言うと

シュリナとの約束ついでだ。

俺は彼女の願いを叶えると約束した。それに彼女は半分だか魔族でもある。魔族なら家族も同然だ、だから守る。

まぁ、そう考えるのは俺くらいだと思うがな。


それに、気に入った奴も守るさ。

ここの子供たちは、シュリナが守っているのと依頼だから面倒を見ようかと思ったが、

シュリナがいなくても、しっかりしているし自ら進んで行動している。


大きい奴は小さい子の面倒を進んで見ているし、手伝いも自分からやってくれる

きちんと周りが見えていないと出来ないだろう。

簡単に言えば、ただ甘えているだけじゃないと言うことだ


そんな、こいつらを気に入った。

多分自覚はないだろうが将来こいつらがいいなら俺の国に来て欲しいと思う。

小さいうちに、こんな行動を取れるなら将来は期待できるからだ。



そんなこんなで、午前にやることをみんなでやってお昼を食べる。

今日の午後は自由らしい。

子供たちはここの庭に飛だして、遊び始めた。


そのなかには、フィアの姿もある。

「絶対、あいつ子供が好きだよな」

俺はそんな事を思いつつ、俺はエリアサーチを使う。


これは索敵だけでなく、コツを掴めば対象の状態を感じることが出来る。

範囲を孤児院全体にしているので、これで子供たちが無理していないかを感じることが出来るしすぐに対応できる。

子供たちが楽しそうな様子を俺は木陰に入って眺めていた。


少したった頃孤児院の入口に、いかにもうざそうな顔つきで太っているおっさんと、その後ろに着いている筋肉マッチョとローブきて杖を持っている男が立っていた。

子供たちは、そいつらに気づくと急いで家の前に集まった。


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