真実とのかくれんぼ。
初めてのその言葉に私は拍子抜けしたわ。
あのあとのこと、1日1日はっきりと鮮明に思い出せる。宿主殺しの研究を進めるにつれ、私もニートに手を貸すようになった。しかし任務も真面目にこなし・・・。営業成績ならぬ討伐成績も私達・・・いや、私はトップに上り詰めた。
任務は相変わらずの討伐ばかり・・・ある日、ある任務で私はあることに気づいてしまったわ。
戦闘専用のスーツを着て、ピッチリと肌に引っ付く感覚は最初こそ気持ち悪い、息苦しいしか思わなかったけどその時は既に気が引き締まるという感覚だった。タートルと呼ばれる不思議なバイクみたいな乗り物があってね?簡単に言えば・・・バイクだけど足置きでなく脇の方に足を投げ出す形で・・・前方からの攻撃を防ぐために後方から透明でとても頑丈なカバーが出てくるの。
最もスリムな形で速度をあげてる感じだったから・・・横は無防備だったんだけど・・・。まだ未完成というのかなんというか・・・出来かけだった。人間の形が残ってたわ。あの頃のことこそ鮮明に思い出せる。
タートルを走らせ早く楽にしてやろうと頑張った・・・。奮闘の結果通常通り、平均よりも早く終わらせられた・・・。そして不意に空を見あげたら、あるビルの屋上にかつてお世話になってた養成所の教官にと先輩。研究所の所長と研究員長。そして政府の重鎮に大統領、その秘書がいた。挨拶すべきかと悩んだ結果、私はそのビルに足を運んだ。屋上に着けばちょうど帰るとこだったようでドアを開けたら鉢合わせするような形になった。そのとき大統領と秘書、政府の重鎮の顔が嫌悪感に歪むところが見えた。
「さ、先程の子だね。見事な戦いだったよ。」『お褒めに預かり大変光栄です。』
「本来は我々が始末しないとならないのだがね・・・申し訳ない・・・。」
『いえ、任務ですのでお気づかいなく』
「そうだ。君にもパートナーがいるだろう?これでなにか2人で食べなさい。」
『え、いやそんな・・・』
「大統領のお気遣いよ?甘えときなさい」
その時は大統領から1枚の紙幣・・・10000円札を受け取ってお釣りもあげると言われたわ。所長からも言われて仕方なく受け取ったもののやっぱりひとつ引っかかることがあった。本来は政府がすべき案件?何故なのか・・・謎は深まる一方。
何はともかくニートと2人で珍しくファミリーレストランに行ってご飯とデザートのパフェを食べたわ。無論私服でよ?とても美味しかったわね・・・。ね?ニート。