ふたりの秘密
夏休み前、最後の社会歴史の授業でレポートの宿題を言われた。
「はーい!皆、始業式までに殺人ウイルス宿主殺しについてのレポートを用紙・・・そうねぇ・・・。6枚!6枚分書いて提出してね!」
一斉に反抗の声が上がった。それもそうだ。そんな30年前の資料なんてそうそうないだろう。どうしようか悩みながら日課のように通いなれた保健室へ足を運んだ。
「っでさー。聞いてくださいよ!宿主殺しについてのレポート用紙6枚よー!?そんな事件の資料どこにあんのよー!」
そう嘆く私を横目に先生はクスクス笑った。
「そんな奈々ちゃんには最後の手があります!」
「えぇー!?なになになにー?最後の手?」
「あとでお母さんを連れてまたおいで?ちゃんと取材の準備をしてね!」
私は渋々保健室を出て家路についた。
「もしもし?あさり?」
«あら、ニート。どうしたの。»
「奈々ちゃんの事なんだけど。」
«奈々がどうしたの?»
「宿題で "例の事" について調べるみたいなの。」
«もうそんな時代なのね・・・。分かったわ。奈々を連れてあとで行くわね。»
「待ってるわ。」
「ただいまー。ねぇお母さーん?」
「えぇ、また後でね。」
家に帰ったらお母さんは誰かと電話してた。
「あぁ、おかえり。奈々。このあと学校に行くわよ。」
ってことはさっきの電話は保健の先生ってことか・・・。どういう関係だろーかね?
「うん!今すぐ行こ?早めにレポート取り掛からないとね。6枚よ!?6枚。」
「そーね、すぐ行くわよ。」
そして家を出て10分後。私とお母さんは保健室前にいた。するとお母さんは容赦なく扉を開けた。
「久しぶりね、ニート。」
「うるさいわね、あさり。」
「はいぃ!?」