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体長15cm、異世界にて恋願う  作者: 愛♡KEMONO
スモール・ギフト編
14/60

03 プレゼント

 ブクマ感謝です!

「キュッ......キュキュッ......キュゥ......」


「おい.....そんなに泣くなよ......」


 オークのクエストの帰り道......もう街の中に入ってるからすぐギルドに着くって時、キューは泣いていた。


「キュ.....キュキュキューキュキュ!?キュ!キュキュキュッキュ!!」

(尻尾が.....尻尾が傷ついたんだよ!?ほら!ここの毛がなくなってる!!)


「いや、そんな見せつけられても......あんまり変わってないぞ?」


「キュキュキュ!!キュ!!」

(ベルのバカ!!アホ!!)

 ポコスカポコスカ......


「八つ当たりすんなよ.......。

 .....そうだ、これをやるよ.....」


 細い革の素材だ。

 オレのポーチの一部の取れちゃった部分だ。

 つまり.......ゴミ?

 

「キュ....キュキュ?」

(プレ....ゼント?)


「ほら.....だから泣きやめよ.....」


 あぁ.....これ余計泣き出す感じか?


「キュキュ.....キュキュ、キュ!」

(嬉しい.....嬉しいよ、ベル!)


 スリスリ......ギュッ.....スリスリィ......

 僕はその変な皮を撫でたり、抱きしめたり、ほっぺスリスリしたりした。

 ベルからの初めてのプレゼント......なんかよくわかんないけど嬉しい!


「.....あ、あんまり喜ぶなよ......逆に悪い気分になっちまう.....」


 スリスリィ......

 キューは一向に辞める気配がない。

 こんなのでここまで喜ぶのか?

 じゃあ、こいつにはこれからもゴミを渡せば.....って!!ダメだろ、そんなの!!


「あぁ!やっぱりこれはあげねぇ!返せ!」


「キュ、キュ!?キュキュゥ!キュキュッキュ!!」

(な、なに!?やめてぇ!これは僕の物!!)


「意外と強情だな......なら!」


 こちょこちょこちょ......

 お腹のあたりをこちょこちょしてやった。


「キュキュキュキュキュ!!キュキュィ!!」

(アキャキャキャキャ!!ヤメレィ!!)


 僕が笑ってる間にプレゼントは取り上げられてしまった。

 どうして?.....嬉しかったのに.....。


「キュ....キュ.....キュッ.....」

(うっ....うっ.....うっ.....)


「お、おい.....やめろよ....泣くんじゃねぇぞ!」


 やばい....やばいって!!

 こんな所で泣かれたら、


「ギュギュゥゥウウゥゥウ!!!ギュギュギュギュゥゥゥゥウウ!!」

(うわぁぁああぁぁん!!!ベルがいじめるぅぅぅぅうう!!)


 めちゃくちゃ目立っちまうじゃねぇか!!

 案の定、周りの人たちが振り向き始めた。


「ひどいねぇ....あんな可愛い子をいじめるなんて.....」

「あれって『ゴブリンブラッド』じゃね?うわぁ....あんなひどいやつなんだぁ.....幻滅だわぁ」

「キューちゃん.....かわいそう......」


 しかも悪口言われてる!!


「キュゥゥゥウウ!!キュゥゥウウウウ!!」


「おいおい!マジで勘弁してくれよ!....チッ!仕方ねぇ!」


 ひとまずキューの口をふさいだ。


「ンギュゥゥウウウウ!!」


 なんか苦しそうだし、つばが手についたが.......気にしない。

 そしてそのまま路地裏に逃げこんだ。



============================



「キュゥ......キュキュキュ....キュ....キュ.....」

(うぅぅ......ベルのバカ....アホ....クソ.....)


「.....ふぅ....やっと泣き止んだな......」


 でも、


「.....キュッ!」

(.....ふんっ!)


 すごく怒っていらっしゃる......。


「おいおい....オレはただプレゼントがこんなもんじゃ......なんか嫌だなぁって思っただけだぞ.....」


 皮クズ(プレゼント)をぶらぶらしながら言った。


「キュキュ!キュ!キュキュ!」

(ちょうだい!それ!ちょうだい!)


 僕はぴょんぴょん跳ねて皮を取り返そうとした......届かなかったけど.....。


「.....まったく....しょうがねぇな.....ほら」


 何言ってもダメそうだったから、渡してやった。


「キュー!!」

 スリスリィ........


 キューは超うれしそうにゴミ....いや、皮クズで遊んでいる。

 はぁ......プレゼント....か....。

 まだよくわかんねぇが、キューはオレに力をくれた。

 なのにオレは、何もしてあげられてねぇ....。

 その上、飯もまともなものをあげてねぇ。

 ....なんでこいつは、こんなに嬉しそうなんだよ.....。

 もし、オレが良いプレゼントをしたら......キューはもっと喜んでくれんのか?


 なでなで.....

「キュー?」

 

 オレが頭を撫でてやると、指にスリスリしてきた........可愛い。

 今.....キューの喜ぶ顔が思い浮かんだ。

 プレゼントを用意するのも......悪くないかもな.....。

 わかったよ.....スッゲーのを用意してやるよ!!


「キュー.....早くギルドに行くぞ.....」


 今のところこいつには内緒だ。

 びっくりさせてやる。


「キュー!!」


 元気よく返事をして、ご主人様の手に乗った。

 .....ご主人様がなぜかおっかない顔で僕を見てくる。

 ニヤァ....みたいな感じだ。

 とうとう僕を食べる気なのかな?

 ......ま、まさかね?


 ちょっと恐怖を感じながらも、すぐにギルドに着くことができた。

 そしてベルはドアを開け、


「よう....帰ったぞ」


 オレはリーシャに挨拶した。

 夕方だからギルドは混んでいる。


「あ!早いお帰りですね!」


 リーシャが元気に返事してきた。

 早く帰れたのは、クエストの帰り道を走ったからだ。

 キューの力は凄かった。

 バヒューンって感じだった。

 とは言っても、もう夕方にはなってしまったのが。


「あぁ.....これが証拠だ」


 オークの右耳x11をカウンターの上に置いた。


「えっ!?11個!?ていうか成功したんですか!?」


「ア゛ァン!?お前はオレが失敗すると思ってたのか?」


「はい。当然じゃないですか?」


「.....そ、そうなのか?」


「オーク二体組みの単身討伐は、Aランク冒険者でも難しいって言われてるんですよ?」


「.....そうなのか.....。

 まあ、オレは単身討伐じゃねぇけどな......キューがいる」


 そう言いながらキューの喉を撫でてやった。

 気持ちよさそうだ。


「もう、見せつけてくれんじゃないですかぁ〜。

 あの孤高のベルさんがここまで心を許すなんて.....キューさん、あなた中々やりますねぇ」


「キュキュゥ、キュキュキュゥ〜......」

(いやぁ、それほどでもぉ〜......)


「まあ、この可愛さなら納得です。

 でも、あんまりベルさんを虜にしないでくださいよぉ。

 ベルさんはうちの大切なトラブルメーカーなんですから!」


「ただの厄介者じゃねぇか.....。

 それに、オレはキューの虜になんか.....」


 スリスリィ......

 キューがほおスリスリしてきた。


「ならな.......」

 スリスリィ......


「.......チッ!」


「ベルさんがデレてる.....キューちゃん....今度その技術教えてください!!」


「キュー!!」


「ありがたき幸せ!!」


「.....何通じ合ってんだよ.....。

 それより、早く報酬よこせ」


「わかりましたよぉう......ほら、もってけ泥棒!」


 銅貨5枚と大鉄貨5枚だ。


「おぉ.....スゲェな.....」


 まさか1日でこんなに稼げるとは......。

 安酒が500杯以上飲める!!......スゲェ.....。


「ギュッ!!ギュギュー!!」

(こらっ!!酒の事を考えるんじゃない!!)


「ぷっ!キューちゃんに怒られてる!

 ベルさんカッコ悪〜い!」


「うるせぇ.....ヨッ!」

 

 ペチーン!!

 すごくいい音ともにデコピンがおでこに炸裂した。


「ウギャウ!!」


 リーシャが大きくのけぞった......そして、


「ど、どんだけ力入れるんですか!?今のは......デコピンの破壊力超えてましたよ!!」


 おでこを赤くしながら怒ってきた。


「わ、悪りぃ......そんなに力を込めたつもりはねぇんだがな......。

 あ.....キューの力のせいかもしれない.....」


「挙げ句の果てに、キューちゃんせいにするんですか!?

 ......最低ですよぉ〜、ベルさん」


 なんか.....なんかムカつく顔でオレを見てきた。

 今度はグーで顔面いっとくか?


「キュキュー」


 キュー水晶を指差してる。


「.....あ、そうか。

 確認しちまえばいいんだよな.....」


「水晶使うんですか?

 これ.....一応有料なんですよ?」


 水晶に使用量は一回鉄貨一枚。

 安いが、冒険者は使う回数後多くなりがちだ。

 合計すると結構な額になる。

 オレは節約して酒を飲む派だ。


「あぁ.....キューとオレ、一回ずつ頼む」


 ここでオレとキューのステータスを再紹介しておく。

 オレは自分とキューのステータスは完璧に覚えている。

 冒険者ならそれぐらいみんなしている。

 まずはキューからだ。


 名称  不明

 Lv   1

 Hp   5

 Mp  100

 攻撃  3

 防御  4

 素早さ 19

 魔力  5


 テイムコスト 39(13)

 

 スキル なし


 こんな感じだ。

 オレの幻獣テイマーでコストが13に下がっている。

 モンスター売りの所で計測したっきり、ステータスを確認していない。


 次にオレのステータスだ。


 ベル

 純人類

 Lv   24

 Hp   57

 Mp   19

 攻撃  59

 防御  55

 素早さ 67

 魔力  13


 キャパシティ 2

 スキル 剣技(小)、体術(小)、スタミナ上昇(小)


 テイムモンスター 名称不明


 固有スキル 幻獣テイマー


 キューの事件で一気に上がった。

 特に素早さは、そこらへんのBランクの冒険者よりも高い。

 攻撃、防御、Hpもレベルの割には格別に高いらしい。

 .....日頃の努力の賜物だな。

 テイムモンスターとか、キューの名前が名称不明ってなってんのは、キューの種族名が水晶内の情報に適合できないとかって言う理由らしい.....さすが幻獣だ。

 

「キュー!」


 キューがオレの肩から降り、水晶の方へ向かっていった。

 そして、水晶に手をかざし、ステータスを表示させた......もう使い方は覚えたらしい。


 表示されたステータスは.......

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