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体長15cm、異世界にて恋願う  作者: 愛♡KEMONO
シルバー・エンカウント編
11/60

ーー 人物紹介1・キューの算数講座

ブックマークしてくれた方、ありがとうございます!

人物紹介(主人公格)


○ キュー

 転生者。はだけたスク水の女性が大好き。泣き虫。

 転生して謎のモンスターになってしまった元人間(♂)。

 前の世界の記憶は、ほとんどない。

 ベル(ご主人様)にご奉仕中。

 銀色のツノがあり、薄い金色の毛で体全体が覆われている。

 正面から見て、右側に金色の尻尾、左側に銀色の尻尾が生えている。

 目の色は金色。いつも半分以上閉じている。

 身長は15cmぐらい(途中で、自分の〜倍の大きさがある、という描写があったが、本人は正確な数値を言い当てられていない)。

 体重は1kg弱。

 喋れるのは『キュー』と『ギュー』のみ。

 

 一番好きなものはご主人様で、趣味はご主人様のことを妄想すること。

 一時期、アイドル的なポジションを確保していたが、店で問題を起こしたという噂が伝わり、失脚した。

 ベルだけのアイドルになるために奮闘中。

 

 ステータス・スキル


 名称  不明

 Lv   1

 Hp   5

 Mp  100

 攻撃  3

 防御  4

 素早さ 19

 魔力  5


 テイムコスト 39(13)

 

 スキル なし



○ ベル

 冒険者歴4年のベテラン初心者。Dランク。女。

 銀髪で青い目をしている。

 髪の長さはミディアムで、いつもオールバックにしている。

 酒でベトベトになった手で髪をかきむしっているため、寝癖のように髪がはねている。

 身長は165cm前後(諸説あり)。

 胸は普通サイズ(冒険者の中では小さい方)。

 他の冒険者に胸のサイズについて何か言われ、半殺しにしたという経験がある。


 服は、冒険者支援団体から安く支給されている『初心者セット』を愛用している。

 服は初心者セット以外持っていない。

 剣は、武器屋で一番安いものを使用している。

 過去に一度、ギルマスにお金を借りて、そこそこの剣を買ったこともあったが、使い方が雑すぎて、一週間で折った。

 ナイフはゴブリンの落し物を使っている。


 酒好き。

 だけど、特に味とかには興味がなく、ただ酔えれば満足できるらしい。

 お気に入りの酒場は、冒険者ギルドと『野郎ども』というお店。

 気に入っている理由は、酒が安いから。

 ちなみに、フリークのお店の名前は『モンスティ』。居酒屋兼モンスター売り。

 酔いすぎると理性を失い、暴れまくる性格をしている。

 このせいで冒険者ギルドで何度も問題を起こしているが、ギルマスが直接的な罰を与えたことはない。

 酒が飲めない期間が続くと、色仕掛け(恐喝)をし始め、冒険者に恐怖を植え付ける。

 このせいでパーティを組んでくれる人がいなくなったが、本人はあまり気にしていない。


 ゴブリンの二倍の素早さがあると言っているが、実際にはゴブリンの三倍近くある(ゴブリンの素早さ=18ぐらい)。

 二倍の方が言いやすいから、二倍と言っているだけらしい。


 

 ステータス・スキル(ゴブリン討伐前に計った時のもの)


 ベル

 純人類

 Lv   21

 Hp   43

 Mp   18

 攻撃  45

 防御  46

 素早さ 52

 魔力  13


 キャパシティ 15

 スキル 剣技(小)、体術(小)、スタミナ上昇(小)


 固有スキル 幻獣テイマー




容姿紹介(主人公以外)


○ギルマス

 身長175前後(ベルの推測)、体重不明。

 黒髪、赤目。

 赤くて、金色の刺繍の入った中世っぽい服装をしている。

 腰にはいつも剣を装備している。

 

○リーシャ

 身長155前後、体重はヒ・ミ・ツ。

 金髪をセミロングにしていて、時々寝癖がついたままになっている。

 緑色の目をしている。

 服はギルマスと似ているもので、ズボンじゃなくてスカートになっている。

 

○ウルク

 身長170前後、体重不明。

 茶髪、黒目。

 茶色い冒険者服に、鉄の装甲を取り付けた機動力重視の防具を愛用している。

 武器は双剣。




 小話 〜キューとベルと算数〜


「はい、お釣りの鉄貨3枚だよ」


『野郎ども』の店主が、オレにお釣りを渡してきた。


「ああ、ありがとな......うまかったぞ」


 オレは、キューと一緒に飯を食いにきていた。

 配達クエスト達成のお祝いだ。

 左腕の骨折はまだ治っていないが、他の傷は少しずつ治ってきている。

 左腕も、おそらく完治できるそうだ。

 この知らせを聞いた時、キューは泣きながら喜んでくれた。

 オレ以上に喜んでいた。

 .....本当にかわいいやつだ。

 久しぶりに金を手に入れたから、何か美味いものを食おうと思ってここにきたのだが.......キューの野郎....豪勢に肉なんか注文しやがった......オレも注文したけどな!

 

 で、今はお会計をしているわけなんだが......


 ペチペチペチ.......

「おい、キュー......何が言いたいんだ?」


 キューが、オレのほおをペチペチしてきやがる。

 本当に何が言いたいんだ?


「キュー.....キュキュキューキュ......」

(ベル......明らかにお釣り間違えてるよ.....)


 僕はお釣りを指差しながら言った。


「ん?......お釣りがどうした?.....金が欲しいのか?」


「キュキュー!!キュ・キュ・キュ、キュキュー!!」

(チガァウ!!お・つ・りが、間違えているの!!)


「悪りぃな.....どうやらテンションがおかしくなっちまったようだ.....」


 オレは店主に謝った。


「いえいえ.....賢いモンスターですね.....」


「ん?ああ、確かにそうだな.....。

 まあ、また飲みにくるから、そん時はよろしく」


「ああ、毎度あり!」


「キュ、キュキュー!!キュキュゥ!!」

(ベル、騙されているよ!!気ずいてぇ!!)


 僕の叫びは無視され、僕たちは店の外に出た。

 どう間違えたのかというと、

 大鉄貨一枚(鉄貨10枚)ー飯代(鉄貨5枚)=お釣り(鉄貨5枚)

 

 ベルがもらったお釣りは3枚。

 つまり、2枚ほど損したというわけだ。

 ......これは由々しき事態だ......僕がベルに算数を教えなくては!!



********************************



「はぁ.....やっぱりここは落ち着くなぁ.....」


 ベルが、いつもの草原で腰を落ち着かせながら言った。

 この草原は、川に隣接していて、いつも僕たちはここで野宿している。

 最近は寒くなってきて、ちょっと大変......じゃなくて!!今はベルに算数を教えなくては!!


「キュ!キュ、キュ、キュ、キュ?」

(ベル!4+4は?)


 僕は地面に『4+4=?』と書いた。


「ん?.....ヨン、タス、ヨン?....答えればいいのか?」


「キュー!!」


 よかったぁ....どうやらこの世界でも、前の世界と同じ記号が使えるらしい。

 まあ、時々『5』とか『7』とかが書いてあったから、もしかしたらと思っていたけどね。

 とは言っても、異世界の数字の方が広く使われてはいるが.......。


「えぇ〜と......ちょっと待ってろ......」


 えぇ〜....そんなに迷うことある?


「わかった!.....『6』だろ?」


「キュキュー!!」

(チガァウ!!)


 僕はベルのほっぺにドロップキックした。

 肌の弾力で弾き返されたが.......。


「おいおい、大丈夫かよ......」


 地面に落下しそうになったところを、ベルが手で支えてくれた。

 .....優しい。

 今すぐ甘えたいが、今はベルに足し算を教えなくてはいけない!

 甘えるのは、後でいくらでもできる!

 ......夜はいっぱい甘えよう。


「キュ!」

(8!)


 僕は地面に『8』と書いた。


「チッ!惜しいな.......」


 どこが?

 まあ、いい。次だ次!!


「ん?ハチヒクニ?....んん〜........『6』だ!」


「キュー!!」

(正解!!)


 ベルにほっぺスリスリした。


「当たったぽいな......やったゼ!」


 次は........


「.....ロクヒクゴは........『6』だ!」


「キュキュー!!」

(チガァウ!!)


 ......もしかしてだけどさ......適当に『6』って言っとけば、当たる的な考え持ってない?

 あ....もう何も考えませ〜ん的な顔してる......。

 こうなったら!!


 スリスリィ.....スリスリィ......

「........うぅ.....わぁったよ......ちゃんとやればいいんだろ?」


「キュー!!」


 必殺『スリスリ攻撃』!!

 ベルは、こうするとやる気を出してくれる。

 今日の配達クエストだって、最初はやる気がなかったが、スリスリしたらやる気出してくれた。


「んん〜.......ゴータスサンかぁ......難問だなぁ....」


 ん?どこが?


「.....『8』だな」


「キュー!!」

 スリスリィ......


 その後、どんどん問題を出していくと、みるみるベルの正解率は上がっていき、最終的には正答率がほぼ100%になった。


「はぁ.....疲れたぁ.....」


「キュキュ!」

(お疲れ!)


 スリスリィ.......

 僕がほっぺスリスリすると、ベルは優しく撫でてくれた。

 ......嬉しい。



ーその次の日ー


「ほら、鉄貨4枚だよ」


『野郎ども』の店主が、お釣りを渡してきた。

 今日は、鉄貨3枚の料理に大鉄貨1枚を払った。

 つまり、お釣りは鉄貨7枚なんだけど.....


「ああ、ありがとな!」


 ベルが笑顔でそう言った。


「キュキュー!!」

(チガァウ!!)


 また騙されてる.....。

 どうすれば.....そうだ!


 スリスリィ......

「ん?.....もしかして......釣りが違うのか?」


 気づいてくれた!


「大鉄貨は鉄貨10枚分だから........ジュウ、ヒク、サンは.....『7』だ!」


「キュキュー!!」

(正解だよ!!)


 僕はベルのほっぺを少し舐めた。

 これが正解の合図になっている。


「店主.....どうやら騙してくれたようだなぁ.....」


 ベルが肩をゴキゴキ鳴らしながら、店主を睨みつけた。


「フッ.....俺はお前を成長させたかった.....それだけだ」


 店主が渋い表情で言った。

 .....確実に、金目当てで騙していた顔だ!!


「そうか......そいつは世話になった.....マスター」


 なんかベルまで渋い顔になってる!!

 また別の意味で騙されてるパターンだ!!


「キュ!キュキュッキュー!!キュキュキュー!!」

(ベル!騙されちゃダメェ!!お金取り返して!!)


「お客さん.....彼女待たせちゃあ....いけねぇぞ.....」


「ああ....うるさい連れで悪いな.....」


「なぁに.....俺はうるさい奴は......嫌いじゃねぇ.....」


「ふっ.....お前はいいマスターだな.....」


「お客さんもいいテイマーじゃねぇか....」


「ふっ....じゃあな....オレは酔いが覚めねぇうちに寝ることにするよ.....」


「ああ、良い夢みろよ.....」


 ベルが手を振りながら店の外に出た。


「.........キュッキュキュキュ.....」

(.........ベルって本当にバカ......)


 僕は小さく愚痴を言うことしかできなかった。

 まあ、ちゃんとお釣りは帰ってきたし、良しとしよう!


                     ...........Fin.

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