起床
「・・・・・さ・・・・・ま・・・・」
アタシを呼ぶ声がする。
「・・・・・ヤ・・・キ・・・・・・」
その声は、アタシを慕う厳しくも優しい女性の声。
しかしうまく聞き取れない。まだ意識がはっきりしないのだ。
「・・・ヤキさま・・・いつまで・・・」
だんだんと意識が覚醒し、アタシを呼ぶ声がはっきりと聞こえてくる。
「ヤキ様。いつまで寝ておられるのですか?もうおきているのでございましょう」
この子はほんとうにアタシのことが好きね。早く起きてほしくてたまらないって感じだわ。やれやれ仕方ない。いや、でももう少し狸寝入りをして、この子を困らせちゃおうかしら。
なんて悪巧みをしていたのが悪かったのか。アタシを慕うはずその声は言葉尻に近づくにつれてだんだん低くなっていった。
「ヤキ様。はやく起き上がらないと・・これから一秒ごとに姫様の長く美しい薄紅色の髪の毛を一本ずつ抜いていきます。はーい、いーち」
あえぇ?
「いたぁ!?いまほんとうにぬいたの!?ねぇ!?」
痛みで飛び起きたアタシの目に映ったのは、白い肌を黒を基調としたメイド服に身を包み、白銀の髪を肩口のあたりまで伸ばした少女と呼ぶにはすこし大人びた女性だった。
どこか凜とした雰囲気を醸し出す女性はアタシの寝ていたベッドの横に立ち、気の強そうな黄色い眼でアタシを見下ろしていた。そしてその手にはアタシの髪の毛をしっかりつまんでいる。
それとなんだか頬のあたりが赤い。
「はーい、にー」
「ちょ、やめっ、いたぁ!?も、もう起きてるってば!ってかいま目が合ったわよね!?」
い、いま思いっきり目があったのに全然やめる気配がない!それどころか心底楽しそうだわ!なんで!?
「ハァ・・ハァ・・まだ起きられないのですね。はーい、さーん」
「お、おきいたい!?お、起きてるっていってるでしょう!メアリー!」
「フフフ・・はーい、よ・・ん?」
アタシにメアリーとよばれたメイドは、ようやく瞳に私が映ったかのように、少し赤い頬を一瞬でもどして、笑顔で答えた。
「あ、ヤキ様。ようやくお目覚めになられたのですね。おはようございます」
「あ、じゃないわよ!痛いわね!途中からわざとやってたでしょう!?このドSメイド!」
アタシのことばに、メアリーは首を横に振って、
「そんなめっそうもございません。涙目でいたがる姫様の顔をみて楽し・・・・・・んでなどございません」
「いや長い!間が長すぎよ!隠す気ないでしょ?てか泣いてないし!」
メアリーったらこのアタシが主で自分が従者ってことを忘れてるんじゃないかしら?
ここはガツンといってやらなきゃ!
「間なんてそんな・・私、メアリーはあの日姫様にお会いしてからから、ヤキ様にお仕えし忠誠を誓っております。ヤキ様を貶めて喜ぶなどありえません。どうぞこちら、ハンカチです」
「いいメアリー?アタシはあなたのっ!・・え?あ、ありがとう。あれ?忠誠?わ、分かればいいのよ・・」
メアリーはそう言ってメイド服のポッケからハンカチを取り出してアタシに一歩近づいた。
なんだちゃんとわかってるじゃない。やっぱりアタシが眠っていてさみしかったのね。だからアタシをはやく起こそうとイタズラしたのかしら。
それにしたってやりすぎよ。ビックリして目から汗が出てきたわ、汗が。汗が!
「そもそも何度もお声をおかけしておりましたのになかなか起きないヤキ様も悪いのですよ?」
なみ・・汗をハンカチで拭き取ると、メアリーはあたしの頭に手を置きかるくなでながら、まるで諭すかのような声音でそういった。
このメアリーは幼い頃から母親がいなかったアタシにお父様がつけてくれたアタシ専属の女中。
とても優しいしアタシのお世話のほかにも一緒に遊んでくれたりもした姉のような存在。アタシはこの子を慕っているし、メアリーもアタシを慕ってくれているはず。
けどなにかアタシに隠し事をしているみたいだし、たまーに変なスイッチが入ってしまうのが玉に瑕ね。
でも今回はアタシがたぬき寝入りしようとしたのが悪かったわ。すなおに謝っておくわ。
「ごめんなさい、メアリー。次はすぐに起きるわ。髪の毛なくなっちゃうもの」
「はい。そうしてください。次は・・・フフ」
「え」
メアリーが意味ありげに微笑んだ・・・次はないようにほんとうに気をつけようそうしよう。
「・・・フフ。・・・また私のコレクションが」
「ん?なにかいったかしら?」
軽く戦慄していたらメアリーがなにか言ったみたいだけれどうまく聞き取れなかった。まだすこし寝ぼけているみたいね。
そんなあたしにメアリーは「いいえ何でもございません」と返して、
「それよりヤキ様お体の調子はいかがでしょう?どこか悪いところはありませんか?」
とあたしを心配したやさしい声音でそう聞いてきた。
「からだ?んーそうねー言われてみれば、なんだか体中バキバキね。化石になったみたい」
「そうでしょう。随分ながくお眠りになられていたのですから」
あいたた、さっきは髪の毛を抜かれた痛みで気がつかなかったけど、からだが硬くて重い。さっきも言ったけど体中バッキバキで、博物館にでも展示されそう。肩を軽く回していると、メアリーがベットにあがってきて体をほぐしてくれた。
数刻、からだがほぐれていく心地よさに浸ったところで、なにげなく聞いてみた。
「んっ・・はぁ・・それでメアリー。アタシどれくらい寝ていたの?このおなかのすき具合から丸一日ってところかしら?」
メアリーは手をとめることなく「はい姫様」と返して、特に感情を込めずにさらっと。
「今日でちょうど100年です」
と答えた。
「そう百年ね、道理でいつもよりお腹がすいていると思ったわ」
「フフ、姫様は成長期ですから。朝食も好物も含めてたくさんご用意しております」
「そうそれは楽しみね」
それにしてもそっかー100年かー。
「いや過ぎてる!!成長期過ぎちゃってるじゃないのーっ!!」
ど、どういうこと!?あ、あれアタシはまだ・・・んん!?ひゃ、ひゃくぅ!?ひゃくってなんだっけぇ!?
「ご安心下さいヤキ様。ヤキ様はいくつになっても幼女体型なので、何年経っても万年成長期でございます」
「そうそれなら安心ね!じゃないわよバカにしてんの!?てかそんなことより、100年ってどういうことよ」
「っ!?ヤキ様がご自身の体型を二の次にした!?」
メアリーは目を見開いて驚いた。多分いまのアタシより驚いている。
いや大事だけど!とても大事だけどいまそれ以上のことが起きてるのよ!いったいどういうことなの!
アタシの思っていることが伝わったのかメアリーは口を開く。
「どうもこうも。今日この日はヤキ様が、『アタシなんか急に超眠くなったから先に休むわね後よろしくー』っといってお休みになられてからちょうど100年でございますが」
メアリはーはきょとんと首を傾げて、それがなにか?とでも言いたげな様子でそういった。
「う、嘘・・そんな軽いノリで100年なんて・・・」
ま、まてまて落ち着け。そんなはずない。そうよまだメアリーはアタシをからかって楽しんでいるのだわ。次こそはガツンっと言ってやらないと!
「メ、メアリー?いい加減にしないと怒るわよ?」
「いえヤキ様、私は嘘などついておりません。今日は姫様が眠りはじめてからちょうど100年。そして姫様の115歳の誕生日でございます。おめでとうございます」
「え?ありがとう。じゃなくて!ホ、ホントに100年経ってるの?」
「はいヤキ様。そんなに驚くことでしょうか?我ら魔族にとって100年など一瞬のこと。なにもそこまで驚かなくてもいいではないですか」
驚きのあまり振り返ったアタシに、メアリーはなにをいっているんだと小首をかしげていた。
そうここは魔界。魔の者が住む世界。そしてアタシやメアリーは魔族であり寿命など永遠に等しい。だから時間の経過など些細なこと。っとメアリーはいいたいのだろう。しかし・・。
「アタシはまだ15歳だったのよ!そのアタシが100年も無駄にしたなんて!!」
突然あっ100年経ってました。なんていわれても、ああそうなら仕方ないわねなんて思うわけないでしょう!失った時間はもどってこないのよ?
くー!!100年もあったらっ!
「100年もあったら色々できたのにっ!!100年分の美味しいものや楽しいことを損したことになるのよ!」
悔しがるアタシにメアリーは真剣な眼差しでアタシに言った。
「落ち着いてくださいヤキ様。この魔界を統べる魔王の一人娘。ヤキ姫殿下ともあろうものが、たかだか100年でガタガタ言わないでください」
そう何を隠そうこのアタシ、ヤキ・オーネストはここ魔界の王である魔王の一人娘なのだ。えっへん。
でもそれがなに?いまはまったく関係ないんだけど。
「たかだかですって!?十分な損失だわ!!そりゃ何100年と生きてるメアリーはそうでしょうけど」
「私はまだ200とちょっとですよ」
「変わんないわよ!」
「はぁ」
こうなったらどうにかして失った時間を取り戻さなくちゃならないわ。
でもタイムスリップなんて魔王でも多分無理ね。どうしようかしら?
「しかしヤキ様、十分な睡眠とはそう悪いことではございませんよ」
そんなことを考えているとメアリーが真剣な瞳でこちらを見ていってきた。
「十どころか百だけどね。でもどうして?ただただ歳をとっただけじゃない」
15歳だったアタシは115歳になってしまった。そうこれは夢よ!と思ったけど、頭皮に残る痛みがアタシを現実に戻した。いやだってまだ痛いんだもの。
嘆くアタシにメアリーはまあまあとアタシの両肩に手を置き、しっかりと目を見て、
「ヤキ様。人間界に古くから伝わるこんな言葉をご存じでしょうか?・・・寝る子はそだつ」
「は、はぁ?人間?あの貧弱で脆弱な生き物の言葉?でも人間の作る物は好きよ。美味し物とか沢山あるものね。特にラッキョウは人類の英知の結晶ね!・・でなんだっけ?寝る子はそだつ?」
「ええ。寝る子はそだつのです」
人間なんて無限に増えるラッキョウ生産機かなんかだと思っていたけど。メアリーがそこまで言うなら一考の余地があるわね。むむむぅーん?
「んー?寝る子は・・そだつ。・・はっ!」
その時アタシのなかで電流が走った。分かった、メアリーの言わんとすることの意味が。そして数分前に燻っていた火がアタシの中で燃え上がった!
そうか!寝る子はそだつのね!!!人間いいこというじゃない!
「フフ、100年よ。100年も寝ていればそれはもうきっとメアリーのようなナイスバディに・・!」
そうメアリーはこう言いたかったのだろう。ヤキ様、超育ってますよっと!
アタシはすばやくベッドからおり、期待に胸を膨らませ一人の部屋にしては大きすぎるほどの部屋のすみにある姿鏡の前に立った。
そして鏡に映った自分の体を見て。アタシに再び電流がはしった!こ、これはっ!
「メアリー!!大変よ!!」
「どうしましたヤキ様」
「背が縮んでいるわ!!」
「いえヤキ様。縮んでなんかおりません。むしろ伸びているかと。・・2ミリほど」
「メアリー!!大変よ!!!」
「どうしましたかヤキ様」
「胸が小さくなってるわ!!」
「・・ヤキ様・・もとからです」
「メアリー」
「どうしましたヤキ様」
「アタシ、人類滅ぼすわ」
「ヤキ様、落ち着いてくださいませ」
なんでよおおおお!!。百年前から何一つ変わってないじゃない。期待を膨らませる胸なんてありませんよってか?やかましいわ!!
鏡にはナイスバディとはほど遠い少女、いや幼女が鋭く赤い瞳であたしをにらんでいた。
「ていうかメアリー!アタシ全然変わってないじゃない!どうしてあんなこと言ったのよ!」
「いえヤキ様。ちゃんと伸びてるじゃないですか。・・2ミリ」
そして視界の端で鏡に映るメアリーはその豊満な胸を乗せるように腕を組むと小首をかしげてそういった。な、なにその強調ムカつくんだけど!!
「なによ2ミリって!そんなの髪の立ち具合で変わるじゃない!」
「あ」
「むー!!!・・え、いま、あっていった?あたしは2ミリすら伸びてないの?」
「冗談ですヤキ様。私が姫様のお姿を違うはずありません。ヤキ様のことはすべてこの頭に入っておりますので。あっちなみにスリーサイズは微動だにしていません」
「ある意味奇跡ね!?っくー!!人間めぇぇ適当なこといってくれちゃって!」
なにが寝る子は育つよ!ちょっとでも期待したアタシがバカだったわ!そんなに言うなら永遠に眠らせてあげようかしら。
人間を本気で滅ぼそうかと画策するアタシにメアリーは肩に手を乗せてなだめるように言った。
「しかしながら確実に育ってはいるのでヤキ様はこれからかと。ただ少しばかり成長がおそいだけで」
「そ、そう?だいじょうぶよね?あたしずっとこのままじゃないわよね?」
「大丈夫です。自信をもってください」
メアリーは何かを確信した目でしっかり答えてくれた。
・・・大丈夫。メアリーがそう言ってくれるならすぐにでも大きくなれる気がしてくるわ!
「そう、よね・・まだ諦めるのは早いはずだわ!人間もまだ生かしておいてあげる。せいぜいおいしいラッキョウを作っておくことね!アタシは甘いのよりしょっぱいほうが好きよ!」
まだよ・・諦めるのは早いわ。まだ100歳だし!アタシ魔王の娘だし!超つよいし大丈夫!
「・・大丈夫です100年でこれなら、きっとヤキ様はかわいいままで」
「なにか言ったかしら?」
「いえなにも」
なにかメアリーが顔を赤くしてぶつぶつといっていたけれど、また聞き取れなかった。なんかよだれが出てるけど気にしないわ。
まぁいいわ。とりあえずいまは失った100年をどうとりかえすかよね。考えなくてはならないわ。
・・でもその前に、
「とりあえずは腹ごしらえね!100年も食べてないんだもの、おなかぺこぺこだわ」
「はいヤキ様。そう仰ると思いましてすでにご用意しております」
「本当!?さすがメアリーね!こうなったら100年分たべてやるわ!」
「いいんですかヤキ様?そんなに食べてしまってはお体が縦ではなく横に伸びてしまいますよ」
「うっ・・確かにそうね。じゃあほどほどににしようかな」
「はい。それがいいかと」
調子に乗って食べ過ぎてはだめね。でもまぁ100年分がダメなら70年・・いや50年分くらいなら大丈夫かしら?
・・太ったらその時に考えるの。大丈夫大丈夫!
「なんにせよもう限界よ。はやくいくわよ」
「はいヤキ様」
そうと決まれば早速食事に向かおうと部屋のドアへ手をかけたとき。
ドドドドドッっと、ものすごい勢いでこちらに向かう足音と声が聞こえた。
足音の主が部屋の前についたと認識したときには目の前までドアが迫ってきていた。
「殿下ァァ!」
「だれかぶへぇ!?」
妙にテンションの高い声でアタシを敬称で呼びながら、一人の男が部屋に入ってきた。ドアの前にいたアタシをふきとばして。
「殿下!ヤキ王女殿下はどこに!?」
「ジース」
「ああ、メアリーさん。殿下はどこにおいでですか!?今日は殿下がお目覚めになる日。ジースこの日を待ちわびておりました!」
黒髪を後ろで束ね、黒い執事服に身を包んだ、さきほどからテンションがうざいこの男はジース。
黒い瞳にモノクルを輝かせるその顔はそこそこに整っていて、城内のメイドがキャッキャ言っていたのを聞いたことがある。
ただジースはちょっと中身が・・。
「あージース。ヤキ様ならそこですよ」
メアリーは、ジースによって開けられたドアに吹きとばされ尻餅をついたアタシを指さした。
「ちょっと!鼻ぶつけちゃったじゃない!曲がったらどうするの?死にたいの?」
「ああ殿下!やはりお美しい!透き通るように白い肌!輝く薄紅色の長い髪!そして見た物に確実な敗北感を植え付ける鋭い真紅の瞳!」
「そ、そう?まぁ当然ね」
ジースは座りこんでいるあたしを見つけると目を輝かせて大仰な身振り手振りであたしを褒めてきた。
100年ぶりに目覚めアタシに会えたのがよほどうれしかったみたい。でもあれね・・ちょっと、いやかなりきもいわ。
「そしてなによりその幼児体型!!くぅぅぅよかった!全然成長してないようですね!あ、いや少しのびてますか?だが誤差だな問題ないっ!100年経ってもこれなら将来生も皆無!・・姫様最っ高!!」
「死になさい!」
「あばぁぁぁあ!!!!」
アタシが軽く手をなぐとそこから魔力の斬撃が飛び出し、ジースの首が宙を舞った。
頭部を失った体は力なく倒れ、そこからジースの体液が床をそめる。
一連の流れを見ていたメアリーはやれやれといった様子で肩をすくめて言ってきた。
「あらら。あまり部屋を汚さないでくださいヤキ様」
「知らないわよ!文句ならそこのゴミにいいなさい。ほらいくわよ」
まったく。ぜんぜん変わってないみたいねジースもメアリーも。本当に100年経っているのかしら。
体が成長してなかったのは嘆かわしいことだけど、二人が変わってなかったのちょっとだけよかったかも。一人首飛ばしちゃったけど。・・まぁジースなら問題ないわね。
アタシは転がっているジースの身体を踏みつけて部屋をでた。すると、見知らぬメイド姿の少女がまっていた。
「はわっ!王女さま!おはようございますであります!」
「あら、アンタしらない顔ね。新人かしら?」
「は、はいであります!!よろしくおねがいしますであります!!」
きっとアタシが寝ている間に増えた新しいメイドね。背丈はアタシと同じくらいかしら。フワッとしたブロンドの髪もなかなかね。全体的に柔らかい印象を受ける子だわ。
それにしても初対面でこのアタシに恐れをなさない威勢のほどは花丸をあげるわ。
「精一杯このアタシに尽くしなさいな。っで名前は?人間には見えないし、どこの魔族?」
時々この魔界に迷い込んできた人間を捕らえて使役したりすることがあるのよね。城にも何人かいたようないないよな。でもこの子は違うみたい。人ではない何かを感じるもの。
「はっ!じ、自己紹介が遅れて、申し訳ありません王女さま!はじめまして、自分は見習い天使をやっております、アンジュであります!」
「そう。天使のアンジュね。覚えたわ。・・・・はっ!?天使!?」
「はい!よろしくお願いしますであります!」
ぺこり行儀よく挨拶をするアンジュの背中には白い小さな羽がががが・・・。
「ちょ、ええっ!?メ、メアリー!?アタシの聞き間違えかしら・・そうよね!?」
「なにを言ってるんですかヤキ様。100年もの眠りで耳が老化しまったのですか?そんなことより早くいきますよ。折角の料理が冷めてしまいます」
「誰がババァよ!じゃなくて!ちょ、待ちなさいメアリー!」
な、なにがどうなってるの・・。もういいわ取りあえずご飯ねご飯。そそくさ行ってしまったメアリーの後を追っていく。
「うおおおおおおお殿下バンザーイ!!」
そしてたった今出てきたアタシの部屋からなぞの雄叫びがアタシの住むここ、魔王城シャントリエに響きわたったのだった。
初投稿です。
思いつきで書いたので先の展開はまったく考えてないですがよろしくお願いします。