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「……んっ。好きだよ。」
すっかり日常と化した放課後の寝たふりタイム。
俺は委員長が起こしに来るのを今か今かと待ち構えて、目をぶつる。
……今日は起こし方を変えるとか言ってたが、
どんな起こし方をされるのだろうか。
不安と期待が入り混じる。
あー、早く来ないかなー.....
若干ワクワクしながら耳をすませていると、
ドアが開く音がした。
俺に近づく足音。
近くなる息づかい。
柔らかく、ほんのり温かいなにかが頬に触れる。
「んっ、おはよう。
大好きだから起きて?」
目を開けるとそこには委員長がいた。
ドアップの委員長。
「はあ!!? おまえっ、何したの!?」
「?? なにって、ほっぺに、」
「あー!! ごめんっ。やっぱいい。言わないで」
「うん? あ、嫌だった? ……ごめんなさい。」
子犬のようにうなだれる委員長を見たら罪悪感がっ!!
「嫌ではない! だけど、いや、だからこそ困るというか……。むしろ嬉しかったというか……?」
だああ!!何言ってんだ俺!!
「ん? ごめん、最後が聞こえなかった。なに?」
もう一度言えと!?
無理です無理です。俺にそんな度胸ありません!!
「なんでもない!!
とりあえず、この起こし方もダメ!! 好きな人以外にこんなことしたらダメだぞ!!
もう今日は終わり!先帰んぞ!また明日なー!」
もう無理。委員長と二人きりは今キツイ。
俺はひとりで帰ります!!
「あっ、
私は、好きだからやったのに……。
ん。また明日頑張る。」