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「君が好き。
……嘘だよ。」
次の日の放課後。
俺は懲りずにまた机に突っ伏して寝ていた。
昨日はちょっとしたハプニングがあってあんまり寝れなかったしな。
今日は昨日の分も寝よう。
と、意気込んでいたよ。
また委員長の声を聞くまでは、ね。
「君が好き。
―――なんてね、嘘だよ。」
なんて淡々とした声で「好き」なんて言えるんだ!!?
聞いてる俺の方がドキドキしてんだけど!?
「……っ!」
「おはよう? 放課後だよ。帰って寝なさい。」
「……昨日言ったじゃん? あんまり期待させるような事言うなって。」
「ごめん。 でも、『嘘だよ』って言ったから、いいかな? って。」
天然なのか?
あの完璧な委員長は天然だったのか!?
「それ、もっとガッカリする。
最初の言葉で期待させて、落とす。っていうのよくないと思うぜ?」
「……難しい。」
「……ぁ、うん。そーだね。」
難しいと思うなら、
起こし方を変えて欲しい!!
そんな俺の願いを知ってか知らずか、委員長はさっさと帰りの支度をする。
俺はそれをぼーっと見ていた。
「よしっと。 じゃあ、また明日ね。」
「おう。 気をつけてなー。」