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全て

作者: 慶太

あの時は本当に自分が理解できなかった・・・。

私の名前は中村明美・当時(20)

両親は私が幼い時、離婚して母のもとに残ったのが

兄と私だった母は私達を養うため身を粉にして働いた

そのお陰で過労からくる病で何度も入院を繰り返した

そのたんび何度も兄と一緒に祖母の家に預けられた

そんなことを繰り返す内に母は祖母に説得され

祖母の家で暮らす事になった前よりは楽になった生活を

送っていた。けれど、それは時期など関係なく私たち家族を

苦しめ始めた。それは、兄が高2になった初夏の頃に訪れた

初めは思春期特有のものだと思っていたそして、私も同じものだと

兄は途中で高校を中退した友人と夜な夜な遊んでいた。そして、煙草に酒

私が高1になった頃、兄は高校にも行かずになり、気付かない内に

髪も赤に染め耳に拡張したピアスを何個もつけ中古で買ったバイクで

知らない人達と何処かへ行ってしまうようになった。

そんな時の事だった。私が夏休みのバイトから帰った日だった

何時ものように灯りが点いている玄関に灯りがついてなくて

最初は祖母が何処かへ行っているのか?と思った

けれど開けた瞬間、その考えは一気に消えた

暗い廊下の奥で母の泣いている声だけはっきり聞こえた

靴を脱いで灯りを点けると青紫に腫れた母の顔が其処にあった

そして、木枯らしが入ってきている台所の割れた窓。

私はその2点を見て理解した。『明美』台所の奥の居間から祖母の声がした

祖母は静かに玄関に近づいてきた何所か歩きにくそうにしてる

右足の膝上を見ると大きな打撲をしていた

私はギョッとし言葉を失った

「おばあちゃん、無理しないで・・・」

私は急いで台所に干してある布巾を濡らし泣いている母の顔に当てた

そして、祖母をダイニングチェアーに座らせ打撲の処に塗り薬を塗った

『有難う・・・』そんな小さな祖母の声を聞いて涙が出てきた

「ごめんね・・・」ただ遣る瀬無い思いが私を襲った

そして、地獄が其処から始まった

兄の暴力は次第に増していったそのたんび警察が何度も家にきた

けれど、兄はそのたんび外へ逃げてしまい

結局、その繰り返しだ

兄が二十歳になったとき保健所に相談したが

保健所もただ何かあったら先に警察に連絡してくれと言うだけだった

母も祖母も何度も嘆いた

そして、しまいには私にも手を出した

そして、私の貯金通帳を奪って出て行った

私は泣いた何度も泣いた

こんな生活嫌だ何故兄はああなったの?か

心の中で母を恨んだ兄を殺したいと何度も思った

そんな生活を送る中で私は悪い男に引っかかった

思春期で家のことも自分のことも悩んでいた私は何処かに逃げ口を探していた

それが直樹だった。出会った頃はとても優しかった

けれど、体の関係を持った時から何故か急に態度が変わった

そして、ただ会うだけあって私を部屋へ連れ込んでやりたいことだけやって

私を外へ追いやった。私は本当に孤独になった

逃げる道を間違えた涙が地面を濡らした

死にたいとも何度も思った

何で私だけ?とも何度も思った

そして今、23歳の誕生日私は卒業した高校の屋上から身を投げた


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