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少女と呪石とほどほど人外  作者: 宮居/四葩
第5章
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078 牧師の正体

担当:宮居



「お前が行ったらめんどそうだし、オレとシナで行こう。少し気になることもある」

ルイが言う。

「そうして貰えると助かるわ。あたしはこの国でも回ってようかしら」

「そうだな……」

またいつものパターン。ルイたちには何も得ることはないだろうに、何故こんなにも付き合ってくれるのか。

居てくれて困ったことはないけれど純粋に疑問よね。何考えてるのか、わからない事の方が多いし。

「……言ったろ、気になることがあるって。あんま気にすんなよ」

顔に出てたかしら。

「いつもありがとうね」

この旅が終わってしまえば、別れる存在だと言うのに。こうも……その……。

「こんなふうに思えるような人じゃなければ……」

小さく呟いてしまった。聞こえただろうか。

……ルイは気にしてないようだ。

「何かわかれば連絡するし、必要なら手伝ってもらうこともあるだろ。結局はアンジェがいなきゃ願いは叶わないわけだし。まぁほんとに叶うかは知らないけど」

「えぇ、そうね」

「国内の重要そうなものの把握をしといてくれ。簡単なのでいいから地図があると助かる」

「わかったわ」

「じゃあ今日はこれで解散。明日は各自で」

そう言ってルイは部屋から出ていった。あとからシナも続き、ヤオも出ていく。



「アンジェ」

「あぁ……エルも無理に着いてこなくても大丈夫よ?充分助けて貰ってるわ」

エルは首を振る。

「恩を返すってのもあるけど……旅は楽しいから」

「そう?」

彼女、こんな表情も出来たのね。今まで見た中で1番の笑顔だわ。

「もう寝ようか」

「そうね、疲れちゃったし」

「おやすみなさい」

「おやすみ」



「……アンジェたちには聞かれないかな?」

「まぁ大丈夫だろ」

「……牧師のこと」

「やっぱり、覚えがあるよな」

「怪しいよねぇ……」

「まぁ行って見りゃわかるさ」

そう言って布団に潜った。

あの紋章から感じる術者の気配が、ニコル兄さんの物に似てるなんてそんなこと、あるはずがない……。





次の日、サナリが言っていたであろう教会まで来た。

別に隠されてるわけでもなく、堂々とそこに立っている。

「先に小さい方を見てくるか」

扉を少し押してみたが開かなかった。罠なんかも無さそうだ。

皆が通うという教会の方も少し気になるし行ってみることにする。


それは、ほんとうにこじんまりとした、小さな小さな教会だった。

何人かの人が教会に入って、数分後には出てきていた。



「あなたも、お祈りにいらしたのかしら」

少し離れた場所で様子を伺っていたのだが、教会から出てきた婆さんに話しかけられた。

「あら、旅のお方だったのね。じゃあお祈りは必要ないのかしら……?」

「そんなこと、ないですよ。旅が無事に終わるように祈りを捧げようかと思ったのですが、ここは余所者が入っていい所なのかと、少々考えていまして」

「あらあら、そうだったの。じゃあ聞いて来てあげようかしら?」

「本当ですか、有難いです」

「じゃあちょっと待っててね」

そう言うと婆さんはまた教会に入っていって、そしてすぐ出てきた。

……ついでに牧師を連れて。

「おやおや……」

「牧師さんよ、何が悪いのが付いてないか見てくれるんですって」

「お婆さん、ありがとうございます。もうお帰りになって大丈夫ですよ」

「そうかい?じゃああたしは帰ろうかね」

「……なんでお前が……」

「母さんから頼まれたんだ。そのために造られた人形ならそれを真っ当しなきゃだろう」

牧師だと言う人物は、橘美月の人形だった。



「いつの間にこんな」

「俺もよく聞いてないからわからない。だけど、君たちの国を見て、こういう国は作れないのかって、造られたのは確かなわけでさ」

ここは教会の隣にある小さな小屋。

事情を聞きたいと行ったら案内してくれた。

「まぁ、橘の呪術なら、あんなのも容易いだろうな……」

「美月さんの人形で、まだこう言う活動してる子がいるなんて……」

「俺は、ここと結ばれててさ」

言いながら腕を見せてくれる。

それは、サナリにもあった、紋章のような。

「壊れることは無いんだ。この教会が壊れない限りは」

微かに、ニコル兄さんの気配を感じる……。

「なぁ、ニコルって人知ってるか」

「あぁ、これを作ったの、そいつだぜ。久しく顔は見てねぇけど」

「嫌な予感ってのは当たるもんだな」

「あっちのも見たいか?あれは母さんが作った人形に、ニコルが強化の呪鎖を巻いた奴が牧師してんだ。結構強力でなかなか開けられないんだけど」

「お前は開けられるってのか?」

「開けるのはシナだけどな。俺は手伝うだけ」

人形はニヤリと笑う。本当に人形なのか怪しいくらいだ。

「アラカル、力を貸してくれるか?」

「主の近しき者には力を貸せとの名を受けてる」

「よろしく頼む」

こうしてアラカルという名の橘美月の人形が仲間になった。

お待たせしました……

最近モチベがない……

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