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少女と呪石とほどほど人外  作者: 宮居/四葩
第4章
59/80

058 なくなった

担当:四葩

船から降り港をぐるりと見渡す。

積み荷を降ろす人や漁から帰ってきたのか魚を降ろす人がいたりとなかなかの賑わいだ

「すみません、旅の者ですが入国手続きはどこで向かえばよろしいのでしょうか」

年長者故かヤオが率先して国の人に話しかけていた。

ヤオのこういうところ助かるなぁなんて思ってればヤオが戻ってくる。

「真っ直ぐ行ったところにある役所で手続き出来るそうですよ」

「了解、助かるわ」

ヤオを先頭にぞろぞろと歩く。

風景を見ながら歩くし国民と目が合うことがしばしば続いた。国民は目が合えばあたし達へ声を掛けるか、会釈などのアクションを返してくる。そのアクションに敵意など滴も入ることはなくて安堵する。

今までの国では歓迎されてなかったことが多かったし、こういう長閑な感じに幸せを感じた

「建物がレンガ造りなのは珍しくないけど道も石畳と石尽くしね」

辺りをキョロキョロを見ていたシナが呟く

「そうね、こうも全部石で出来た国は初めて見たわ」

耐久性のあるレンガ建築は他の国でも多くみたけど道まで完全に整備されてるのは初めてね

「見えてきましたよ。特徴からしてあれが役所でしょう」

前方に今までの家々の二つ分くらいの大きさの建物が鎮座していた。

中に入れば制服姿の人がせかせかと働いている。窓口ぽい所へ近づけばニッコリを営業スマイルを頂戴した

「こんにちは旅の方ですね。ガエナリアへようこそおいでなさいました。何日間の滞在をご希望でしょうか」

窓口の女性問われるも明確な日数をいうことがで出来ない

「とりあえず、一月ほどで」

「かしこまりました。では滞在する拠点となる宿は登録済みでございましょうか」

「いいえ。見繕ってもらうことって可能ですか」

「はい、可能です。ご希望ございますか?」

「ゆったりと寛げるならどこでも」

「ではこちらですね…現在がここで…」

パンフレット型の地図を広げ現在地を示しながらルートを教えてくれた。

「ではごゆっくりお楽しみください」

と送り出され宿へと歩き出した。

「結構郊外にあるな…どうせなら何か食べてから宿向かうか」

ルイの言葉に確かにお腹が空いた頃だと気づいた。他の皆もおんなじだったのか頷きが返る



「ここにしようか」

朝と昼の間の中途半端な時間のためか人がまばらな店へと足を踏み入れた。

「いい匂い」

エルが少し喜色を混ぜた声で呟く。確かにパンの芳ばしい匂い

「いらっしゃいませ。五名様ですねこちらへどうぞ」

給仕の女性に席へと案内されメニューを眺める。ここの名物はオープンサンドとかいうパンの上に色とりどり野菜や肉、魚が乗せられたモノで絵だけでも美味しそう

各々が頼むものが魚や肉、ハムと違えどオープンサンドだったからちょっと笑える

やっぱり名物食べたいわよね

ちなみにヤオだけ追加でパンを頼んでて物腰が柔らかいから忘れがちだけど成人男性だったわこの人



「あっ美味しい」

あたしが選んだのはサラダと蒸したチキンを乗せてチーズ風味のソースがかかったモノ。ソースがくどくなくて美味しい

皆もそれぞれが選んだモノが当たりだったようで顔が綻ぶ。

「飲み物も甘いけどすっきりしてるわね」

薄く黄色味がかった水は蜂蜜の甘さと柑橘類の爽やかさが味わえて美味しい

「これ生地が幾重にも重なっててサクサクとした食感とバターの風味が深くて美味しいですね」

一人パンを追加したヤオがくふくふと朗らかに食べ進める。

そうな風に食べられたらそれも食べたくなっちゃうじゃない

「ねぇ皆、提案があるのだけど、それ四分割にして食べない?」

シナ、その提案のったわ

「ん、美味いな」

ルイの言葉に隣のエルがもぐもぐと動かしながらも首を縦にふる。


「ごちそうさま」

なかなか良いお店だったわ

お腹も満たされたし幸せのまま宿に向かおう

「わっ」

「おっとっ」

店を出た途端に一つの衝撃とゴロゴロと何かが転がる音がした。

「大丈夫?」

と後ろからのシナの声に応えると

「ごめんなさい」

小さく聞こえた声に視線を向ければフードを被った少女らしき子がいた尻餅をついている。周りには艶々とした真っ赤なリンゴが転がっている。どうやらぶつかってしまったらしい

「こっちこそ注意不足だったわ。怪我はない?」

全員でリンゴを拾うのを手伝い返しながら聞くとこくりと頷いてとりあえず安堵する。

「拾うの手伝って頂きありがとうございました」

ぺこりと頭を下げて少女は去って行った。



……とプチハプニングにもあったけど、そのあとは無事に宿についた。

「とりあえず、部屋割りは今までの感じで私とルイ、エルとアンジェ、ヤオが一人でいい?」

「良いんじゃないか。俺は腰落ち着ける前にギルドの方にいってくるな」

「よろしくね」

「任せろ」

荷物をシナに託してルイが行ってしまった。

「私も腹ごなしにもう少し散策でもしてきます」

夕方には帰ってくると言い残してヤオも出掛けた。

「私たちは待っていましょう。紅茶飲む?」

「飲みたい。荷物置いてきたらそっちに行くわね」

シナの紅茶を飲みたいし早いとこ荷物を置いてきちゃいましょう



部屋に入って荷物を整理した。

「…ない……嘘でしょ」

どれだけ探しても呪石を入れた袋が見つからない。

……落としていたら落下音がして気づくだろう……考えられるのは、フードの少女とぶつかった時かしら

呪石だけが盗られたのは偶然……?それとも、相手も呪石を必要としているのかしら





「…お金じゃない……」

コロリと出てきたのは紫、緑、青の綺麗な石達

でも必要なのはあらゆる物と交換できる硬貨であって綺麗なだけの石ころなんかじゃない

はぁ、と溜め息を出して興味の薄れた中身を戻しそれを少女は無造作にぽんと置いた。

しゃくり、と落とした衝撃で変色したリンゴをそのまま齧る。

しゃくりしゃくりと齧る音だけが部屋に響いた


いぇあ。旅にハプニングは付き物ですよね……!


次回は2週間後、恐らくルイside+aの予定です


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