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少女と呪石とほどほど人外  作者: 宮居/四葩
第3章
58/80

057 幕間[#3]

担当:宮居

「そう言えば君たち、ここからどうやってそこへ向かうつもりだい?もう少し遅くなってもいいなら、船を貸せるけど」

「いいえ、大丈夫」

アーサーの提案にシナが断る。

シナは魔法でちゃちゃっと船を造り上げた。

魔法って本当に便利ね。

「ほぅ……」

他国の人に魔法を見せても良かったのかしら?

ルイが乗り込んだのを見てシナがそれに着いてく。


「素晴らしいな。船を造れる魔法使いか」

魔法使いとはちょっと違うんだけど。

「自慢の仲間よ。それじゃあ、またどこかで会えたら会いましょう」

「あぁ、武運を祈る」

それに手を振って答え、船に乗り込んだ。

続いてエルが乗り込む。




「さて、これから少々長い船旅だ。そのあいだに話でもしようか」

ルイが提案する。

「操縦は船が勝手にしてくれるし、全員で話すってこともなかなか無いからね」

シナがそれに同意した後、

「新入りもいる事だし」

とルイが言うので後ろを向くと、そこにはヤオが立っていた。

「ついてきたのね?」

「ルイさんが是非にと言うので。他に行く宛もありませんから」

ふぅん。意外。

「だけど、ずっとついていくわけではありません。なにか目的が出来れば、それが貴方たちとは違う方向なら、そこで私は自分の道を選びますので」

「そう、わかったわ」

「とりあえず国を1周するまではお付き合いします。その後貴方たちがどうするかで、まだついてくか考えさせてください」

「りょーかいー。じゃあこれ、渡しとくか」

ルイからヤオに渡されたのは小さな鈴。

「それでオレと連絡取れるから」

「そうなのですね。一応貰っておきましょう」

ヤオはバックの中にそれをしまった。

あのバック、何入れて来たんだろ。

「シナ、紅茶を作ってくれるか?」

「えぇ、みんなは何飲む?」

「同じものを」

「あたしも同じものでいいわ。ミルクティよね?」

「じゃあ、わたしも」

「みんなミルクティでいいのね。わかった」

シナがキッチンに行く。ルイはその間にも話を続けるつもりだ。

「アンジェ、今までしてきたこと、覚えてるか?」

「えぇ、今までの旅のことは覚えてるけど……」

神経な顔でルイは言う。

「お前何してきてるかわかってるか?」

「……思えば、全ての国でなにかを壊してきてるわね。なにかってか、国自体をってとこだけど」

「ちょっと仲間と通信して指名手配にお前の名前がないか調べたんだ」

……全く気にしてなかった。ってか、それぞれの国を壊して指名手配ってどういうこと?国壊しとして名がしれちゃってるってこと?

反乱の手伝いしてるやつがいるって、知れ渡っちゃうってことかしら?

「ばっちりあったよ。運良く次の国じゃまだ情報が来てないみたいだが」


考えもしなかった訳ではない。

でも兄様の為に、それはやらなきゃいけないことだったから。

兄様の為。あたしの為に、必要な犠牲だったんだ。

それに、壊れてよかったのよ。

壊して困る国だったらもう少し平和的解決を試みたはず。いくら私益にならないことはしないと言ってもね。

どの国でも、それは壊されなきゃいけないなにかを持っていたから……だから、それに協力出来た。



「……次の国ってロートって人がいるって話しよね?呪石を持ってるっていう」

「……。」

ぼそりと呟くそれは聞こえなかった。

「なにか言った?」

「なんでもない。その国にオレの知り合いがいるんだ。なんとかその指名書が回らないようにしてもらってる。ギルドの奴だから上手くやってくれるさ」

「そう。ルイの仲間ならなんか安心出来るわね」

「オレたちのチーム、舐めてもらっちゃ困るな」

「その話、今度時間があったら教えてよ」

言うとルイははにかんだ。教えてくれるかな。

ちょっと気になってたの。チームとか団体とかいうやつ。裏社会的なものの一員だし、多分ルイはリーダーだしね。

話聞けたらいいなぁ。


「お待たせ」

シナが紅茶を持って帰ってきた。

綺麗なミルク色。

「ありがとう、シナ」

ルイが受け取って、みんなの前に置いた。

小さいテーブルを囲んでるけど、悪い気はしないわね。

それなりに信用してる証かしら。ここまで協力してくれたしね。

……指名手配になってしまう程のことを、彼女たちは付き合ってやって来てくれた。

恩返しだって付いて来てくれる子もいるけど、お礼はしたいかな。


「美味しいですね……」

「ありがとう」

「シナのミルクティは格別だからな」

「この前もらったルイの紅茶も美味しかったわよ?」

「おや、では次はルイさんのも頂きたいですね」

ヤオが食いついた。意外と紅茶とか好きなのかしら。

「ありがとな。機会があればご馳走しよう」

「お茶菓子なんかも用意しといて」

「用意出来たらな」

ちょっとしたティータイム。

楽しい。こうして話せることが。

あたしも変わったわね。昔は人と話すの、院の子達以外と話すの、好きじゃなかったのに。

旅の途中で出会った彼女たちと、楽しく話をしている……旅をしている。

不思議な感じ。

邪魔になると思えば、直ぐに切ることも出来る……だろうけど……出来るよね?

情に妨害されるのだけは、避けなければいけない。

けど多分、彼女たちも自分に不利益だと思えば直ぐに切るだろう。

ついてくる理由はないのだから。


「じゃあ次の国での動きでも考えるか」

「そうね……ルイは知り合いがいるのよね?とりあえずその人に会ってみるのはどう?」

「そうだなぁ……行くにしてもアンジェは念の為ギルドに近づかない方がいいと思うから、宿を見つけてから別行動で会いに行くよ」

ちょっと会ってみたかったのだけど、残念ね。まぁ仕方ないか。

「じゃあ宿を探しながらとりあえず1周する?」

「歩けるだけ歩いてみるか。国内がどうなってるかとかロートのこととか調べなきゃだしな」

「あ、そうそう。港に着いたら私のことはアルケミアって呼んでね」

アルケミアって、昔の名前よね……?

「ちょっと色々あってね。アルケミアを名乗ってたのよ」

「わかったわ」

「あの国はみんな名前が長いからなぁ。覚えづらい」

へぇ。不思議な風潮。色んな国があるのね……。

「ちなみにオレも名前が変わる。ルアミイアルカ。長いのが嫌でルイを名乗ってたからまぁどちらで呼んでくれても構わない」

ルイの本名はそれなのかしら?

まぁルイって呼んで構わないと言うなら覚える必要はないわよね。

今思えば、旅先で会う人達って割と名前短い人が多いわね。あと2文字が多い。

なんでかしらね?



それから少しだけ、ロートという少女を探す方法を話して、一旦眠ることにした。

まだ少し時間がかかるらしい。

ルイが部屋を用意してくれたって言うし、甘えとこ。

つかの間の休息。明日からまた忙しくなる……。




「アンジェ、そろそろ着くぞ」

ルイに起こされた。あれからすぐ寝ちゃったのね。

部屋から出るともう皆起きてて、外の景色を見ていた。



港が見えてくる。

最後の赤い石が、ここにある。

グダり具合すみません((

幕間だから許してください……w

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