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少女と呪石とほどほど人外  作者: 宮居/四葩
第3章
53/80

052「それは芸術」

担当:四葩

「そこへの介入はしないわ」

そう言えばヤオは呆気にとられたように目をぱちくりと瞬せた

「……ありがとうございます」

その一言は本気で言ってるのだと、理解できた



「ところで、アンジェさん。門はどのようにして壊す予定ですか?」

「そうね……複数あるし一気に壊すには爆弾かしら」

軍隊があるのだから爆弾くらい掠め盗ってまえばいい

「軍から爆弾を奪うのは難しいですね…管理が厳しいので」

「そりゃそうだろうけど……そこにしか無いんでしょ」

だったら危険でも盗りにいくしかない

今までもそうしてきたし

「……作りましょうか、爆弾」

「は?」



ある意味爆弾的な会話から日付を越えて、

あたしは薬の域にあるヤオ家にいる

「まずは材料から観ていきましょう……アンジェさんこちらへどうぞ」

案内されたのは1つの温室園だった。

温室といっても外観よりひんやりする

「ここは20℃に保られているんですよ。これから使用する植物の特性のために」

「植物?ヤオ、爆弾を作るのよね」

何故に植物なのかしら

「自然発火する植物なんですよ」

「自然発火?」

「ええ山火事の原因となるので当家で管理しています。あぁあちらですよ」

ヤオが示した場所には見た目不自然な様子の無い植物が鎮座していた。

「気温が30℃を越えると葉から揮発性の油を発し摩擦によって自然発火が生じる仕組みです。この部屋ではまずボヤ騒ぎが生じることはありませんよ」

恐る恐る近づくあたしにヤオが説明した。

触れても特に違和感無し至って普通の植物だ

「これを門に仕込めばいいのね」

「ええ、ただこれだけでは燃えるのみで壊すには火力不足ですね……それに……」

ヤオは心底愉快だというように微笑み

「民の解放を告げるならば華がなければ」

と言い放ったのだ。


「こちらは赤く発火します、こちらが緑です。他にも色々ありますよ」

温室かは出たヤオが次に案内したのは鉱物がゴロゴロいている部屋だった。

「ヤオ……貴方完全に楽しんでいるわよね」

鉱物を練って次々と火薬もどきを作り出すヤオに言えばにっこりと微笑まれる

「私趣味が薬作りなのでこういった物を作り出すのも好きなんですよねぇ」

「……公私が完全一致しているのね」

「ええ、本当に」



粗方火薬もどきが作り終わるとそれを極小さな花瓶に詰め込み例の葉を中心部へと置いた。

「では実験してみましょう」

中身が異なる花瓶を抱え

ウキウキとしたオーラがヤオを包み

大人びた印象がガラガラと崩れていく


第一段目

葉が燃え始め火薬もどきに引火、赤く燃え上がるのみ

「爆発しなかったわね」

第二段目

葉が燃え始め火薬もどきに引火、緑に燃え始めたがポシュっと鳴り消えた

「ショボいわね」

第三段目

葉が燃え始め火薬もどきに引火、閃光が出て消えた

「えっなに、消えたんだけど」

第四段目

葉が燃え始め火薬もどきに引火、青い炎がメラメラとしたらボンっ!と爆発した

「おぉこれなら活けるわね」

「ええ、これを中心として他の鉱物で華やかさを足しましょう」



「何の音ですかっ!」

喜んでいると破裂音を聞きつけフヨンが駆け寄ってきた

「あっ」

フヨンの目の前には粉々になっている花瓶の破片が散らばっていた

「兄上、ご説明を」

底冷えするような視線をフヨンが放つ

「アンジェ殿に餞別をと思いまして火華玉を作っておりました」

「火華玉ですか……」

「ええ」

やれやれとため息をフヨンがつく

「また兄上が爆弾作りに励んでおられるかと思いました」

微かにヤオがビクついた

ふーん……だからあんなににも楽しそうにしていたのね

あっさり協力したのもその為か……なるほどねぇ……

「貰えるなら面白いものがほしいじゃない」

それでもごめんねとフヨンに謝れば

フヨンがフルフルと首を横にふった

「アンジェさんや兄上に怪我がなくて良かったです。昔兄上は片腕を火傷しておりましたから心配しただけなんです」

二組の視線がヤオに注がれる

視線を受けている本人は悪戯がバレたガキの如く苦笑いをしていた

次回は2週間後、エルsideが完結しアンジェ達と合流する予定です。多分、恐らく←

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